今年度の高松宮殿下記念世界文化賞を中谷芙二子先生が受賞されました。
おめでとうございます。


(*高松宮殿下記念世界文化賞は1988年に創設された文化賞。毎年、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門で文化芸術の発展に寄与した世界の芸術家に贈られる。建築ではこれまでに丹下健三や安藤忠雄、フランク・ゲーリー、オスカー・ニーマイヤーらが、絵画では杉本博司やダニエル・ビュレン、彫刻では三宅一生、アニッシュ・カプーアらが受賞してきた。)

銀座メゾンエルメスフォーラムで開催された『グリーンランド/中谷芙二子+宇吉郎展』は霧のアーティストとしての面目躍如、連日若い人たちで賑わいました(2017年12月22日~2018年3月4日)。この展覧会で中谷先生のことを知った人たちも多かったのではないでしょうか。

私たちが中谷先生の存在を知ったのは1970年代に遡りますが、霧の彫刻家としての活動より(これは極く限られた場所で短期間の展示のため実際に見る機会は少なかった)、ビデオアートの先駆者であり、1980年に開始された実験的なギャラリー活動「ビデオギャラリーSCAN」(原宿にあった)にたいへん刺激されました。1983年には草間彌生先生の個展も開催され、そのときのポスターは今見てもパワーと品に満ちています。
プロセスアート」を設立し、SCANで国内外のビデオ作品の個展を開催し、多数のビデオアーティストを世界に送り出した功績はもっともっと評価されていいと思います。

またあまり知られていないことですが、アンディ・ウォーホルの友人として日本への紹介に尽力し、1974年の大丸のウォーホル展の影の功労者でもあります。
1983年現代版画センターが企画した「アンディ・ウォーホル全国展」にもご協力いただきました。

中谷芙二子「ウォーホル 東京の夜と朝

青山にときの忘れものをオープンして11年目に私たちの画廊の画期となる「トリシャ・ブラウン ドローイング展 思考というモーション」を開催したのですが(2006年3月22日~4月8日)、自らのダンス・カンパニーを率いて18年ぶりの来日公演(彩の国さいたま芸術劇場)をしたトリシャ・ブラウンさんとの仲介をして下さったのも中谷先生でした。
DSCF6532トリシャブラウン展オープニング2006年3月22日中谷芙二子
2006年3月22日ときの忘れものにて
中谷芙二子先生(左)と、トリシャ・ブラウンさん(右)
トリシャ・ブラウン
『トリシャ・ブラウン―思考というモーション』
2006年  ときの忘れもの 発行
デザイン:北澤敏彦
編集:尾立麗子
執筆:トリシャ・ブラウン、岡崎乾二郎、スティーヴ・パクストン、マース・カニングハム、ウィリアム・フォーサイス、ジョナス・メカス、中谷芙ニ子、石井達朗、黒沢美香、岡田利規
112ページ  A5版
価格:2,571円*送料別途


今秋10月には水戸芸術館で初めての大規模な個展(10月27日~ 2019年1月20日[)が開かれるそうです。
ますますのご健康とご活躍を期待しています。
~~~~~~

今年の高松宮殿下記念世界文化賞には中谷先生のほかに、建築部門ではクリスチャン・ポルザンパルクが、絵画部門ではピエール・アレシンスキー、音楽部門はリッカルド・ムーティ、演劇・映像部門はカトリーヌ・ドヌーヴが受賞しました。
いずれも日本には馴染みの深い人たちですね。

●本日のお勧め作品は、ピエール・アレシンスキーの1960年の版画集です。
Alechinsky_1ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"

1960年
リトグラフ7点組
タトウサイズ:57.5×39.0cm
Ed.65

Alechinsky_2ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(1)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_3ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(2)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_4ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(3)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_5ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(4)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_6ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(5)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_7ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(6)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_8ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(7)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
ベルギーのブリュッセルに生まれ、高校卒業後、市内の美術工芸学校で本の装丁の課程に入学。ここでは芸術家としての道を拓くことになる版画も学んだ。1948年結成の国際的な前衛美術集団「コブラ(CoBrA)」(1951年解散)で活躍。その後、パリに移住した。
京都の前衛書道家、森田子龍と交流を深め、1955年に初来日。『日本の書』という短編映画を製作した。書道の影響を受けた自由な筆さばきと、乾きやすいというアクリル絵具の特性を活かし、自身の内面を大胆に表現する。鮮やかな色彩と、複雑かつ有機的、躍動感と生命感にあふれた線描で、独自のスタイルを確立。1960年と1972年にはベルギー代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに出品。2016-17年には日本初の大規模回顧展が日本・ベルギー国交関係樹立150年を記念して東京と大阪で開かれた。