「久保貞次郎の会」発足のご案内

新しい児童美術教育運動のオーガナイザー・美術評論家・新しい芸術とその運動のパトロン・現代美術のコレクター・跡見学園短期大学学長・町田市立国際版画美術館館長・はたまたエスぺランチストとして実に多くの顔を持っていた久保貞次郎氏は1996年10月31日にお亡くなりになりました。今年は23回忌にあたります。
その稀有な人物像は、没後22年たった今でも、久保氏を知る人々に心深く残っています。
久保氏ゆかりの地を訪問し、久保氏を知る方々との触れ合いの場を設けることで、今一度久保氏の業績を振り返り、後世に伝えて行きたいと思い、この会を発足致しました。
第一回『久保貞次郎の会』と致しまして、竣工80周年を迎える真岡小学校の久保講堂(遠藤新設計)を建築家井上祐一先生のご説明を伺いながら見学し、久保氏の墓参りと、かつての久保邸に隣接するレストランで会食を致します。
限定20名までとなりますが是非、久保貞次郎再発見の日としてお集まり頂きますようご案内申しあげます(定員に達し次第、締め切ります)。

2018年9月 
久保貞次郎の会』世話人
榎本エミ子、川口真寿美、秀坂令子、藤沼秀子、綿貫令子(五十音順)


日時;2018年10月27日(土)13:00~19:00
集合時間;13:00(昼食は各自済ませてください)
集合場所;久保講堂前(〒321-4325 栃木県真岡市田町1345-1) 
アクセス方法; 北関東自動車道「真岡I.C」から15分
真岡鐵道「真岡駅」から徒歩15分
JR宇都宮線「石橋駅」から真岡車庫行き[荒町停留所]下車徒歩7分
 石橋駅発12:20 → 荒町停留所着12:51
 石橋駅発11:15 → 荒町停留所着11:46

【当日の日程】
13:00~ 講師:井上祐一先生による久保講堂見学
15:30~ 久保氏墓参り(長連寺/久保記念観光交流館隣)
     久保記念館見学 (〒321-4305 栃木県真岡市荒町1105-1 TEL.0285-82-2012)
17:00~ 会食(久保記念観光交流館内 Trattoria COCORO TEL.0285-84-8008)
19:00 解散(田町から石橋行きバス最終は19:32発~石橋駅20:13着です)
【会費】 5,000円(交通費は各自ご負担ください。当日集金します。)

参加希望の方はときの忘れものまでお問い合わせください

●久保講堂
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*上掲の図版は、『住宅建築』2009年9月号(no.413)より転載

場所:真岡市田町1345-1
建築年:昭和13年(1938)昭和61年(1986)移築
構造 :木造2階建 左右塔屋付 瓦葺 西洋式トラス構造
規模 :【間口】45.45メートル【奥行】19.089メートル
面積:【1階】651.21平方メートル【2階】52.88平方メートル
【塔屋】11.65平方メートル
【延面積】715.74平方メートル 
久保講堂は、1938(昭和13年)に真岡小学校講堂として、遠藤新の設計で建てられた。内部は広い板敷きで、2階にはギャラリーがある。水平線を強調した正面バルコニーの左右に塔屋を設けた意匠に特徴があり、遠藤新氏の作風がよく現れている。
平成9年5月7日 国登録有形文化財

久保記念観光文化交流館
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●久保貞次郎
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■久保貞次郎(くぼさだじろう)略歴
1909年(明治42年))5月12日 足利市 小此木家に生まれる。
1928年(昭和3)日本エスペラント学会に入会。
1933年(昭和8年)東京帝国大学 文学部 教育学科卒業。佳代子(大正2生まれ)と結婚し、 久保と改姓。
1935年(昭和10年)第2回日米学生会議に参加、渡米。東京・牛込に遠藤新設計による久保貞次郎邸を竣工。
日本エスペラント学会の九州特派員として九州各地をまわり、宮崎で後に瑛九となる杉田秀夫に出会い、現代美術への興味を深め、以後瑛九を通じてオノサト・トシノブ北川民次らと親交する。
1938年(昭和13年)真岡小学校校庭に久保家の寄付で遠藤新設計の「久保講堂」を竣工、記念事業として「児童画公開審査会」を始める、「久保賞」を創設。1942年第7回まで開催、その間に羽仁五郎、小此木眞三郎、北川民次、オノサト・トシノブ、瑛九、羽仁説子、武谷三男らが審査員を務める。
美術研究のため北米、欧州へ旅行(翌年帰国)。タリアセンにフランク・ロイド・ライトを訪ねる。国吉康雄やオシップ・ザッキンらと出会う。
1939年(昭和14年)久保コレクション「世界児童画名作展」を足利、佐野、栃木、銚子で開催、以後全国各地で開催する。
1942年(昭和17年)真岡の久保邸内に遠藤新設計の「久保ギャラリー」を竣工。
1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲で牛込の久保邸が焼失。
1951年(昭和26年)瑛九、泉茂らがデモクラート美術家協会を結成、外部から支援する。
1952年(昭和27年)創造美育協会(創美)を創立。瑛九、藤沢典明、嘉門安雄、瀧口修造、田近憲三、宗像誠也、周郷博、室靖、北川民次、木水郁男、久保らが委員となる。全国で創美ゼミナールを開催。
真岡町教育委員に公選制で就任(~54年3月)
1954年(昭和29年)久保コレクション泰西名画展を本間美術館(山形県酒田市)で開催。
瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』を刊行。
1956年(昭和31年)瑛九の主唱で「よい絵を安く売る会」を発足させ第1回展を東京・檪画廊で開催。小コレクター運動を展開、池田満寿夫靉嘔磯辺行久ら若い作家たちを支援する。
1957年(昭和32年)読売新聞社主催「第1回東京国際版画ビエンナーレ」開催に協力、審査員を務める。美術出版社内に「版画友の会」を設立、大下正男、今泉篤男とともに顧問となる。
1959年(昭和34年)跡見学園短期大学で児童美術、美術鑑賞の講座を担当し、多くの教え子たちを美術の世界に導く。
1965年(昭和40年)オノサト・トシノブ、瀧口修造、木水育男、杉田都、杉田正臣、山田光春、尾崎正教らと「瑛九の会」を結成。
1966年(昭和41年)ヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表を務める(オノサト・トシノブ、池田満寿夫、靉嘔、篠田守男が出品)。
1974年(昭和49年)現代版画センター(~1985年)が設立され、顧問に就任。
1977年(昭和52年)跡見学園短期大学 学長に就任(~85年)
1986年(昭和61年)町田市立国際版画美術館 初代館長に就任(~93年)。
久保講堂移築。
1989年(平成1年)日本エスペラント学会会長に就任。
1993年(平成4年)町田市立国際版画美術館で「久保貞次郎と芸術家展」が開催される。
1996年(平成8年)10月31日 逝去、享年87 (長連寺に納骨)。
著書:『ブリウゲル』(美術出版社)、『シャガール』(みすず書房)、『児童画の見方』(大日本図書)、『児童美術』(美術出版社)、『子どもの創造力』(黎明書房)、『児童画の世界』(大日本図書)、『ヘンリー・ミラー絵の世界』(叢文社)、『久保貞次郎 美術の世界』全12巻(叢文社)他。

●今日のお勧め作品は久保エディションから桂ゆきです。
桂ゆき「虎の~」桂ゆき
虎の威を借る狐
1956年 リトグラフ
38.8×55.8cm
Ed.100  signd

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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
ただし9月20日[木]―9月29日[土]開催の野口琢郎展は特別に会期中無休です
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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