今日から駒込の「ときの忘れもの」で倉俣史朗の小展示。
小展示と謙遜していが、私が25年前に設計した住宅なのでスペースが限られているわりに充実している。

阿部勤先生のfacebookより)>

駒込に回り、ときの忘れものの「倉俣史朗 小展示」を観る。何が「小展示」なものか!(「大ガラス」も「遺作」も出品されていないからと、瀧口修造の示唆で名付けられた1978年の「マルセル・デュシャン小展示」に倣ったものだそうだが) 
土渕信彦さんのfacebookより)>

倉俣史朗 小展示 @ときの忘れもの(駒込)
阿部 勤 さんの空間に見事に呼応する
倉俣史朗さん展示。

住宅スケールの空間内(用途が元々住居)に
展示するという事は
光や対面する背景の風景までが展示になるので
どの作品をどこにいかに配置するかということが
より重要になってくる。

一体化した素敵な展示でした。
戦利品となる書籍も定価で買えて最高でした(^_^)

(高橋 マサルさんのfacebookより)>
photo by abe (7)『Sealing of rose(薔薇の封印)』 撮影:阿部勤

倉俣史朗が生まれ育った、そして眠る駒込の地で倉俣史朗 小展示が9日から始まりました。
青山から移転して一年と少し、今回はぎりぎりまで展示に四苦八苦しました。一週間前から20点以上も用意した額装作品(当然、全部は展示できない)をあっちに掛け、こっちに架け替え、大小のオブジェ作品を三階にあるいは二階に移し、図書室の本箱(モンドリアンです)を空にして倉俣資料及び希少な絵葉書に展示換え、応接用のテーブルや椅子も思いきって撤収。図書室の大きな窓にあった手すりも阿部先生の許可を得て撤去! 前日遅くにやっと最終的な展示が確定したという次第です。
いつもなら1時間で済むタケミアートフォトスさんの撮影は朝の10時前からかかって終わったのは午後一時でした。昼の展示風景はHPに掲載しました。

初日夕刻には、この建物の設計者である阿部勤先生が来廊され、美しく咲く夜の薔薇を撮影してくださいました。
このブログではご本人の許可を得て阿部先生撮影の画像をご紹介します。
阿部先生のfacebookに掲載されたそれら写真の効果もあってか来客が絶えません。

ブログへのアクセスも連載執筆者の皆さんの力のこもった内容のおかげでこのところ絶好調です。
一番人気の杉山幸一郎さんの連載エッセイは一日で千人を超すアクセスがありました。
新登場の中根秀夫さん、橋本啓子さん、中野和加子さん、堀浩哉さんたちのエッセイも今までにない新鮮な風を吹き込んでくれたようで、近頃とみに老いが目立つ亭主の元気のもとともなっています。
皆さん、ありがとう。

photo by abe (2)手前右『Glass Chair Miniature』、奥『Flower Vase #1302』 撮影:阿部勤

photo by abe (3)手前『Flower Vase #1302』、奥『Glass Chair Miniature』 撮影:阿部勤

photo by abe (4)『Flower Vase #1303』 撮影:阿部勤

photo by abe (5)『無極 I I』 撮影:阿部勤

photo by abe (6)『Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)』と中においてあるのが『Perfume Bottle No. 3』 撮影:阿部勤

photo by abe (8)撮影:阿部勤
モデルを務めてくださったのはたまたまいらっしゃったお客様のOさん。

今回の展示で、特にご注目いただきたいのは、1979年の第11回東京国際版画ビエンナーレに出品され、その後長く埋もれていた版画作品「無極 Ⅰ」「無極 Ⅱ」を没後初めて公開することです。
国内外で開催された多くの個展や回顧展にも出品されたことはなく、あまたの文献にもほとんど記載がありません。
無極I_600倉俣史朗「無極I」
1979年
平版(オフセット・リトグラフ)
限定5部
I: 74.0x103.4cm
S: 79.6x109.3cm


無極II_600倉俣史朗「無極II」
1979年
平版(オフセット・リトグラフ)
限定5部
I: 73.7x103.5cm
S: 79.1x109.6cm


立体作品としては、浮遊感と透明感にあふれた代表作『Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)』はじめ、フラワーベース、《ガラスの椅子》のミニチュア作品、繊細な秒針が時を刻む「Just in time(時計)」、代表作《ミス・ブランチ》のマテリア ルとして使われた薔薇を封印したアクリル・オブジェなどを展示しています。

美術史的にも重要な1972年の南画廊「三木富雄展」ポスター(デザイン:倉俣史朗、写真:小川隆之)や、国内外で開催された回顧展の貴重なポスター(横尾忠則デザイン他)も倉俣ファンにはお楽しみいただけると思います。

08《Sealing of rose(薔薇の封印)》
This is the material for "Miss Blanche"
2004
Acrylic
14.0x9.5x6.0cm
*シール付き


01羽Floating Feather(黄)
c.a. 2004
Acrylic
14.0×9.5×8.0cm
*シール付き


DSC_0985「Perfume Bottle No. 3」
2008年
ボディ:クリスタル
キャップ:アルマイト仕上げ
6.8x5.0x5.0cm
Ed.30
保証書付き(倉俣美恵子夫人のサイン入り)


sakurai--4061「Flower Vase #1301」(薄いピンク)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4066「Flower Vase #1301」(バイオレット)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4051「Flower Vase #1301」(ブルー)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4075「Flower Vase #1302」
アクリル
W11.0xD11.0xH21.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4010「Flower Vase #1303」
アクリル
W26.9xD8.0xH26.0cm
撮影:桜井ただひさ


1200「Glass Chair Miniature」
2008年
ガラス
W15.0xD10.0xH15.0cm


kuramata_11_justintime「Just in time」
1986-2011年
メラミンボード、小枝、毛糸、ステンレス
51.5x36.5xD0.8cm
時計裏面の右下にシールあり


kuramata_02_desk

倉俣史朗「ライティングデスク」
1983年
H72.5×W160.0×D47.3cm
*磯崎新設計つくばセンタービル・筑波第一ホテルのために制作された

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜~土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。


同時代に倉俣と協働した磯崎新安藤忠雄の1970年代の作品も合わせて ご覧いただきます。

倉俣史朗(1934-1991)
1934年東京生まれ。都立工芸高等学校木材科で学び、1953年から帝国器材に勤める。1953年から56年まで桑沢デザイン研究所リビングデザイン科で学ぶ。1957年に三愛の宣伝課に就職し、ウィンドウディスプレイなどのデザインを手掛ける。1965年クラマタデザイン事務所を設立。1967年横尾忠則らとコラボレーションしたインテリアデザインなどで脚光を浴びる。このころから、彼が生涯にわたって好んだアクリル素材を用いて、日常の空間に無重力を作り出したような、透明で浮遊感のある作品を生み出していく。1970年〈Furniture in Irregular Forms〉シリーズで世界に広く認知される。1972年毎日デザイン賞を受賞。1981年エットレ・ソットサス Jr.らによるイタリアンデザインの新しいムーブメントであるメンフィス(Menphis)の展示会に磯崎新、マイケル・グレイブスらと共に参加。1990年フランス文化省芸術文化勲章を受勲。1991年急性心不全のため死去(享年56)。

ときの忘れものは倉俣史朗 小展示を開催しています。
会期:2018年10月9日[火]―10月31日[水]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
倉俣史朗(1934-1991)の 美意識に貫かれた代表作Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)」はじめ立体、版画、オブジェ、ポスター他を展示。 同時代に倉俣と協働した磯崎新安藤忠雄の作品も合わせて ご覧いただきます。
ブログでは橋本啓子さんの連載エッセイ「倉俣史朗の宇宙」がスタートしました。ぜひお読みください。
304


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
12