次回企画は、2018年最後の展覧会となります。ぜひご高覧ください。
佐藤研吾展―囲いこみとお節介

会期:2018年12月13日[木]―12月22日[土] 11:00-19:00 ※会期中無休
久々の大型新人の登場です。
ときの忘れものが個展を開催する作家では唯一20代、インド、東京、福島という複数の拠点を往還しながら創作活動に取り組んでいる建築家・佐藤研吾さんの初個展を開催します。
自身でデザインした家具としてのハコや、ピンホールカメラ(ハコ)、またハコのドローイングなど、独自の世界観をご覧いただきます。
初個展に際して、具体的に何をつくり、発表するかについては12月7日のブログで本人がコメントされるので、ぜひお読みください。
会期中、作家は毎日在廊予定です。
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多彩なゲストをお迎えし、ギャラリートークを開催します。
※要予約、参加費1,000円、複数回参加の方は二回目からは500円
12/13(木)13時~ ゲスト:中島晴矢さん(現代美術家)
12/14(金)18時~ ゲスト:岸井大輔さん(劇作家)
12/15(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
12/21(金)18時~ ゲスト:小国貴司さん(Books青いカバ店主)
12/22(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
全5回のギャラリートーク、予約受付を開始しました
メールにてお申し込みください。 info@tokinowasuremono.com

トーク初日の12月13日(木)は昼13時からの開催、ゲストは現代美術家の中島晴矢さんです。

交通網が充実し、日本中どこへいってもコンビニやスーパーマーケットが建ち並ぶ状況では都市と農村、さらには郊外というカテゴライズに明確な区分けを見出すことはもはや難しい。三者は相互に入り混じり、連続性を帯びている。けれども、区分けがもし在るとすれば、それは一人一人の移動によって、複数の場所間を移動することによって、それぞれの場所の差異が感触として分かることがある。「故郷」、あるいはアイデンティティというのも結局はおそらくのところ、そんな今と昔の比較と差異によって浮かび上がってくる概念かもしれません。
さいきん、私(佐藤研吾)は福島県大玉村と東京を行き来しながら生活しています。そんな日頃の移動の経験は、やはり自分が作ること、作るモノに不可避に影響してきていて、移動していなければ作ることができない必然めいた状況だとも考えています。一方の中島晴矢さんは美術家として応答するその先に都市と郊外(、ニュータウン)を見据えた作品を制作しています。
専門とするところは、建築(=佐藤)と美術(=中島)という異なる方向を向いていますが、佐藤が画廊に立体やドローイング(あと写真)を飾り、中島が建築や都市を直接的なテーマとした作品を作る、というある種倒錯した状況があります。
そんな異なる場所の対象へ向かい、また倒錯したアウトプットをしながら、実は二人は中学高校の同級生でもあります。なので、そのアウトプットの倒錯さと共通した部分あたりを意識しながら、話なせばいいなと。
平日の真昼間の奇特な会なので、その希少さゆえにぜひお越しください。

(佐藤研吾)

佐藤 研吾 Sato Kengo
建築家、一級建築士
1989年神奈川県横浜生まれ。
2011年東京大学工学部建築学科卒業。
2013年早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻修士課程(石山修武研究室)修了。
同専攻嘱託研究員を経て、2014年よりスタジオGAYA。
2015年よりインドのVadodara Design AcademyのAssistant Professorに就任。
同年より東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程在籍。
2016年より福島県大玉村で藍染めの活動をする歓藍社に所属。
同年よりインドでのデザインワークショップ「In-Field Studio」を主宰。
2017年に「インド・シャンティニケタンに同志を募って家を作りに行く」でSDレビュー2017の鹿島賞を受賞。
2018年より福島県大玉村地域おこし協力隊。
インド、東京、福島という複数の拠点を往還しながら、創作活動に取り組んでいる。

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*画廊亭主敬白
佐藤研吾さんは1989年生まれ。その頃亭主はフランス革命200年、エッフェル塔100周年記念展のためにフランスを往復していました。
あの頃生まれた青年が今回ときの忘れもので初個展をする、亭主が老いるはずです。
ときの忘れものの主な取扱作家(現存)18作家のうち、最年長は1922年生まれのジョナス・メカスさん、佐藤さんが最年少になります。
亭主より年長(つまり戦前生まれ)が10人おられ、亭主より若い作家は8人しかいません。数年前からそろそろ若い人材を発掘しなければと考えていたのですが、石山修武先生の推薦で巡り合ったのが佐藤さんでした。
「建築家」と名乗ってはいますが、彼の活動の全貌は建築という枠を大きく超えています。
所属する歓藍社というグループは、HPによれば<小さな技術による暮らしの提案とその実践を行う団体です。福島県大玉村にて、農業や建築、服飾や工芸、生態学など、暮らしにまつわる様々な専門性を持ったメンバーが、およそ月に1回のペースで日本各地から集まり活動しています。2016年からは、農業従事者の高齢化や原発事故などを背景の一つとして生まれた村内の休耕地で、藍の栽培とその染料づくり、藍染めを開始しました。
私たちは、畑仕事や藍染めといった共同作業を通じ、里山における生活風景を眺めては次の手を考え、この運動の継続と発展を試みています。また活動を常に公開し、月1回の活動のサポーターや、藍の栽培、染料づくりの輪に加わってくださる方を広く募集しています。>
若い作家の初めての船出です、ぜひ応援してやってください。

●今日のお勧め作品は佐藤研吾です。
佐藤研吾ハコ
佐藤研吾
日本からシャンティニケタンへ送る家具2Furniture from Japan toSantiniketan 2
2017  木、柿渋、アクリル
H110cm
Signed
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は通常は休廊ですが、次回企画「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」(12月13日[木]―12月22日[土])開催中は無休で開廊しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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