本日から有楽町の東京国際フォーラムで<ART FAIR TOKYO 2019>の一般公開が始まります。
既にご案内のとおり、ときの忘れもののブース(G128)は「倉俣史朗展」です。
倉俣先生の友人であり協働者でもあった磯崎新先生、安藤忠雄先生の同時代の作品もご紹介します。
磯崎新 Arata ISOZAKI
「内部風景III 増幅性空間―アラタ・イソザキ」
1979年
アルフォト
80.0x60.0cm
Ed.8
Signed
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品
*現代版画センターエディション
安藤忠雄
「ドールハウス」
リトグラフ+ドローイング(鉛筆)
イメージサイズ:53.0×33.0cm
シートサイズ:70.0×52.5cm
Ed. 1、乃至数部
Signed
倉俣史朗先生は1991年2月1日56歳の若さで急逝されました。
今回のアートフェアでは倉俣先生の手がけた浮遊感と透明感にあふれた代表作の飾り棚《Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)》はじめ、磯崎新先生が設計したつくばセンタービル・筑波第一ホテルに使われたライティングデスクと鏡など10数点を出品します(主な出品内容は3月4日のブログをご覧ください)。
また橋本啓子のエッセイ「倉俣史朗の宇宙」もブログで連載が始まりました(次回は4月12日)。
倉俣ファンはたくさんいらっしゃるでしょうが、今回出品する2点の版画作品《無極 I》《無極II》を知る人は少ないでしょう。
倉俣史朗
「無極I」
1979年 平版
イメージサイズ:74.0x103.4cm
シートサイズ: 79.6x109.3cm
Ed.5
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品
倉俣史朗
「無極 I I」
1979年 平版
イメージサイズ:74.7x103.5cm
シートサイズ: 79.1x109.6cm
Ed.5
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品
1979年の第11回東京国際版画ビエンナーレに出品され、その後長く埋もれていたもので、没後、原美術館や世界各地で開催された回顧展にも出品されたことはありません。
生前、ただ一度の東京国際版画ビエンナーレ出品でしたが、そのとき倉俣先生とともに出品し、金属にプリントした版画(アルフォト)で同ビエンナーレの最後の受賞者の一人となったのが磯崎新先生でした(同展は第11回で終了、磯崎先生は上掲の内部風景シリーズで佳作賞を受賞)。
あれからちょうど40年、このたび磯崎新先生は「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞されました。
おめでとうございます。
プリツカー賞を主宰するハイアット財団代表で賞の創設者、トム・プリツカーは「磯崎氏は欧米文化が他を圧していた時代、広い見聞に基づく独自の建築を打ち出し、日本人として初めて本格的に海外進出を果たした。真に国際的な建築家である」とその功績を称えています。
日本人としては丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂に続く8人目の受賞ですが、「えっ、まだもらってなかったの」と驚いた人も少なくないでしょう。
<磯崎先生のプリッカー賞受賞の報が入り、
たいへんうれしく思っております。
さっそく地元の新聞社から中上邸・斉藤邸についての
問い合わせとともに、写真撮影がありました。
建築界のノーベル賞ということで、光が再度あてられる形となり
ありがたい次第です。
これで改めて「貴重な文化財」として認定されると思いますし、
活用についても、大きな後押しとなると思います。
県美でのカタログを渡し、磯崎氏との関係について説明も
させてもらいました。
機会がありましたら、磯崎先生によろしくお伝えください。
(福井県勝山市の荒井由泰さんより)>
メールを下さった荒井さんの住む福井県勝山市は人口3万人にも満たない山間の小さな町です。
そんな町に磯崎先生の設計した個人住宅の傑作が二つもあります。
上掲写真は施主の中上さん夫妻の残したコレクション展(2015年)のときのものです。
磯崎建築が誕生した経緯と展覧会については「台所なんていりませんから」をお読みください。
*「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―」
会期:平成27年1月3日(土)~2月8日(日)
主催:福井県立美術館
中上邸イソザキホール(磯崎新 設計、1983年竣工 福井県勝山市 撮影:古舘克明)


1983年2月、大雪の中で行なわれた中上邸イソザキホールオープニング
マイクを持つのがオーナーの中上光雄さんと陽子さん。
その右の黒いスーツ姿が磯崎新先生
左の柱を背にしているのが荒井由泰さん。

斉藤邸(磯崎新 設計 福井県勝山市 撮影:石原輝雄)
荒井由泰さんなど地元勝山の人たちが二つの磯崎建築の保存と活用に取り組んでいます。
■磯崎新
1931年大分市生まれ。54年東京大学卒業。61年東京大学数物系大学院建築学博士課程修了。63年磯崎新アトリエを設立。代表作に[大分県立中央図書館][岩田学園][福岡相互銀行本店][つくばセンタービル][MOCA―ロサンゼルス現代美術館][バルセロナ市オリンピック・スポーツホール][ティーム・ディズニー・ビルディング][山口県秋吉台国際芸術村][トリノ冬季五輪アイスホッケーメーン会場]他。近年は頻繁にアジアに出向き、多数のプロジェクトに参加している。日本建築学会賞、RIBA賞、朝日賞、ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞、他受賞。著書『空間へ』『建築の解体』『手法が』『栖十二』『建築家捜し』など多数。
早くから建築のみならず、思想、美術、デザイン、映画などの国際的な舞台で活躍、評論や設計競技の審査を通じて、世界のラディカルな建築家たちの発想を実現に導くうえでのはかり知れない支援を果たしてきた。日本を代表するとともに、世界の建築界で最も信頼されている建築家である。
自らの建築観(コンセプト)を紙の上に表現することに強い意欲を示し、77年から既に200点もの版画を制作している。
上掲の「内部風景」シリーズについては磯崎先生自身がその内容、コンセプトについて書かれていますのでお読みください。
アートフェア東京に倉俣史朗+磯崎新+安藤忠雄で申し込んだときには、想像もしていませんでしたが、偶然とはいえ磯崎先生の受賞のお祝いにささやかな花を添えられることを嬉しく思います。
ますますのご活躍をお祈りします。
●今日のお勧め作品は、磯崎新です。
磯崎新
《作品》
1986年
コンテ、パステル、紙
45.8×75.0cm
サインあり
◆ときの忘れものは今年も<ART FAIR TOKYO 2019>に出展し、「倉俣史朗展」を開催しています。
VIPプレビュー:2019年3月7日(木)
一般公開:2019年3月8日(金)~10日(日)
会場:有楽町駅前・東京国際フォーラム ホールE & ロビーギャラリー
ときの忘れものブースナンバー:G128
公式サイト:https://artfairtokyo.com/
出品作家:倉俣史朗+磯崎新・安藤忠雄
◆ときの忘れものは3月下旬の<アートバーゼル香港2019>に初出展し、「瑛九展」を開催します。
会期:2019年3月27日(水)-31日(日)
会場:Convention & Exhibition Centre, HK
ときの忘れものブースナンバー:3D27
公式サイト:https://www.artbasel.com/hong-kong/
海外で瑛九の個展が開催されるのは今回が初めてです。
●瑛九の資料・カタログ等については1月11日ブログ「瑛九を知るために」をご参照ください。
・現在、各地の美術館で瑛九作品が展示されています。
埼玉県立近代美術館:「特別展示:瑛九の部屋」で120号の大作「田園」を公開、他に40点以上の油彩、フォトデッサン、版画他を展示(4月14日まで)。
横浜美術館:「コレクション展『リズム、反響、ノイズ』」で「フォート・デッサン作品集 眠りの理由」(1936年)より6点を展示(3月24日まで)。
宮崎県立美術館:<瑛九 -宮崎にて>で120号の大作「田園 B」などを展示(4月7日まで)。
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

既にご案内のとおり、ときの忘れもののブース(G128)は「倉俣史朗展」です。
倉俣先生の友人であり協働者でもあった磯崎新先生、安藤忠雄先生の同時代の作品もご紹介します。

「内部風景III 増幅性空間―アラタ・イソザキ」
1979年
アルフォト
80.0x60.0cm
Ed.8
Signed
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品
*現代版画センターエディション

「ドールハウス」
リトグラフ+ドローイング(鉛筆)
イメージサイズ:53.0×33.0cm
シートサイズ:70.0×52.5cm
Ed. 1、乃至数部
Signed
倉俣史朗先生は1991年2月1日56歳の若さで急逝されました。
今回のアートフェアでは倉俣先生の手がけた浮遊感と透明感にあふれた代表作の飾り棚《Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)》はじめ、磯崎新先生が設計したつくばセンタービル・筑波第一ホテルに使われたライティングデスクと鏡など10数点を出品します(主な出品内容は3月4日のブログをご覧ください)。
また橋本啓子のエッセイ「倉俣史朗の宇宙」もブログで連載が始まりました(次回は4月12日)。
倉俣ファンはたくさんいらっしゃるでしょうが、今回出品する2点の版画作品《無極 I》《無極II》を知る人は少ないでしょう。

「無極I」
1979年 平版
イメージサイズ:74.0x103.4cm
シートサイズ: 79.6x109.3cm
Ed.5
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品

「無極 I I」
1979年 平版
イメージサイズ:74.7x103.5cm
シートサイズ: 79.1x109.6cm
Ed.5
*第11回東京国際版画ビエンナーレ出品作品
1979年の第11回東京国際版画ビエンナーレに出品され、その後長く埋もれていたもので、没後、原美術館や世界各地で開催された回顧展にも出品されたことはありません。
生前、ただ一度の東京国際版画ビエンナーレ出品でしたが、そのとき倉俣先生とともに出品し、金属にプリントした版画(アルフォト)で同ビエンナーレの最後の受賞者の一人となったのが磯崎新先生でした(同展は第11回で終了、磯崎先生は上掲の内部風景シリーズで佳作賞を受賞)。
あれからちょうど40年、このたび磯崎新先生は「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞されました。
おめでとうございます。
プリツカー賞を主宰するハイアット財団代表で賞の創設者、トム・プリツカーは「磯崎氏は欧米文化が他を圧していた時代、広い見聞に基づく独自の建築を打ち出し、日本人として初めて本格的に海外進出を果たした。真に国際的な建築家である」とその功績を称えています。
日本人としては丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂に続く8人目の受賞ですが、「えっ、まだもらってなかったの」と驚いた人も少なくないでしょう。

たいへんうれしく思っております。
さっそく地元の新聞社から中上邸・斉藤邸についての
問い合わせとともに、写真撮影がありました。
建築界のノーベル賞ということで、光が再度あてられる形となり
ありがたい次第です。
これで改めて「貴重な文化財」として認定されると思いますし、
活用についても、大きな後押しとなると思います。
県美でのカタログを渡し、磯崎氏との関係について説明も
させてもらいました。
機会がありましたら、磯崎先生によろしくお伝えください。
(福井県勝山市の荒井由泰さんより)>
メールを下さった荒井さんの住む福井県勝山市は人口3万人にも満たない山間の小さな町です。
そんな町に磯崎先生の設計した個人住宅の傑作が二つもあります。
上掲写真は施主の中上さん夫妻の残したコレクション展(2015年)のときのものです。
磯崎建築が誕生した経緯と展覧会については「台所なんていりませんから」をお読みください。
*「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―」
会期:平成27年1月3日(土)~2月8日(日)
主催:福井県立美術館
中上邸イソザキホール(磯崎新 設計、1983年竣工 福井県勝山市 撮影:古舘克明)



マイクを持つのがオーナーの中上光雄さんと陽子さん。
その右の黒いスーツ姿が磯崎新先生
左の柱を背にしているのが荒井由泰さん。

斉藤邸(磯崎新 設計 福井県勝山市 撮影:石原輝雄)
荒井由泰さんなど地元勝山の人たちが二つの磯崎建築の保存と活用に取り組んでいます。
■磯崎新
1931年大分市生まれ。54年東京大学卒業。61年東京大学数物系大学院建築学博士課程修了。63年磯崎新アトリエを設立。代表作に[大分県立中央図書館][岩田学園][福岡相互銀行本店][つくばセンタービル][MOCA―ロサンゼルス現代美術館][バルセロナ市オリンピック・スポーツホール][ティーム・ディズニー・ビルディング][山口県秋吉台国際芸術村][トリノ冬季五輪アイスホッケーメーン会場]他。近年は頻繁にアジアに出向き、多数のプロジェクトに参加している。日本建築学会賞、RIBA賞、朝日賞、ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞、他受賞。著書『空間へ』『建築の解体』『手法が』『栖十二』『建築家捜し』など多数。
早くから建築のみならず、思想、美術、デザイン、映画などの国際的な舞台で活躍、評論や設計競技の審査を通じて、世界のラディカルな建築家たちの発想を実現に導くうえでのはかり知れない支援を果たしてきた。日本を代表するとともに、世界の建築界で最も信頼されている建築家である。
自らの建築観(コンセプト)を紙の上に表現することに強い意欲を示し、77年から既に200点もの版画を制作している。
上掲の「内部風景」シリーズについては磯崎先生自身がその内容、コンセプトについて書かれていますのでお読みください。
アートフェア東京に倉俣史朗+磯崎新+安藤忠雄で申し込んだときには、想像もしていませんでしたが、偶然とはいえ磯崎先生の受賞のお祝いにささやかな花を添えられることを嬉しく思います。
ますますのご活躍をお祈りします。
●今日のお勧め作品は、磯崎新です。

《作品》
1986年
コンテ、パステル、紙
45.8×75.0cm
サインあり
◆ときの忘れものは今年も<ART FAIR TOKYO 2019>に出展し、「倉俣史朗展」を開催しています。

一般公開:2019年3月8日(金)~10日(日)
会場:有楽町駅前・東京国際フォーラム ホールE & ロビーギャラリー
ときの忘れものブースナンバー:G128
公式サイト:https://artfairtokyo.com/
出品作家:倉俣史朗+磯崎新・安藤忠雄
◆ときの忘れものは3月下旬の<アートバーゼル香港2019>に初出展し、「瑛九展」を開催します。

会場:Convention & Exhibition Centre, HK
ときの忘れものブースナンバー:3D27
公式サイト:https://www.artbasel.com/hong-kong/
海外で瑛九の個展が開催されるのは今回が初めてです。
●瑛九の資料・カタログ等については1月11日ブログ「瑛九を知るために」をご参照ください。
・現在、各地の美術館で瑛九作品が展示されています。
埼玉県立近代美術館:「特別展示:瑛九の部屋」で120号の大作「田園」を公開、他に40点以上の油彩、フォトデッサン、版画他を展示(4月14日まで)。
横浜美術館:「コレクション展『リズム、反響、ノイズ』」で「フォート・デッサン作品集 眠りの理由」(1936年)より6点を展示(3月24日まで)。
宮崎県立美術館:<瑛九 -宮崎にて>で120号の大作「田園 B」などを展示(4月7日まで)。
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

コメント