社長も亭主も人ごみが苦手である。
繁華街に行くと、前から押し寄せる、うろうろしていると後ろからどつかれる。混雑する駅の階段なんか恐怖です。

青山から駒込に画廊が移転してから、月に一度くらい、山手線で隣の駅「巣鴨」で降りて、おばあちゃんの原宿といわれる地蔵通商店街に行きます。
CIMG9769巣鴨駅近辺のアーケードの天井に太陽光パネルが設置されていて、発電しているらしい。

CIMG9771青山時代はホンモノの原宿近辺にいたわけですが、今ではすっかりおばあちゃんとおじいちゃんになって巣鴨の商店街を楽しんでいます。

CIMG9772とげぬき地蔵へ参拝した後は名店「ときわ食堂」で食事をし、漬物やら蜂蜜を買い、名物の塩大福の店では行列に並ぶ。

にぎやかな場所が苦手だったのに、いつの間にか巣鴨に行くのが楽しみになっている。
なぜだか最初は気づきませんでした。
200軒はあるといわれる大商店街なのですが、ただの一軒もスピーカーがない。つまりマイクでがなりたてる店がありません。
どんなに混んでいても静かなのです。
隣を歩く社長と普通に会話ができる、静寂の中の賑わいとでもいうのでしょうか。

呼び込みの声も聞こえますがマイクではないので、うるさくない。おそらく商店街で申し合わせをしているのでしょう。
人の声のとどく範囲で商売をする、とても大事なことではないでしょうか。

●本日のお勧め作品は、瑛九の銅版画です。
このブログではこれでもかというくらい瑛九の作品を取り上げ称揚していますが、彼が遺した多くの銅版画、リトグラフについては沈黙を守ってきました。
その理由は今から20年近く前の「瑛九について」で述べたとおりですが、要するに瑛九没後に企てられた銅版後刷り(リトグラフには後刷りはありません)の余波です。
未だにヤフオクには数千円で多くの後刷りが出品されています。いくら亭主が瑛九の素晴らしさを説いたところで多勢に無勢、情けない状況が続いています。2万枚近い後刷りが市場に吸収され尽くし、本来の作家自刷り作品がそれに相応しい待遇を得られるのはいつの日でしょうか。
「そんなの待っていたらワタヌキさん死んじゃいますよ」と顧客に言われたのかどうか。
珍しく倉庫の片隅から瑛九自刷りの銅版画を見つけてまいりました。
「空想」イメージ瑛九 Q Ei
《空想》
1953年
銅版(作家自刷り)
13.3×7.7cm
サインあり
※都夫人による私家版目録No.60
※林GカタログNo.174(自刷り部数はEAのみ1部と記載)


コンプレックスイメージ瑛九 Q Ei
《コンプレックス》
1956年
銅版(作家自刷り)
23.2x18.2cm
Ed.5
サインあり

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『第28回 瑛九展』図録のご案内
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「第28回 瑛九展」
会期=2019年3月27日(水)~31日(日)
(ART BASEL HONG KONG 2019)
発行:ときの忘れもの 2019年
サイズ:25.7×17.2㎝
ページ数:36P
執筆:大谷省吾(東京国立近代美術館美術課長)
図版:約44点掲載
編集:尾立麗子(ときの忘れもの)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
翻訳:Polly Barton、勝見美生(ときの忘れもの)
海外における瑛九の初個展『第28回 瑛九展』。この個展での出品作品17点のほか、ときの忘れもので開催してきた瑛九の企画展のアーカイブ27点を収録。全文日英2か国語。
価格:800円(税込み)、送料250円


◆ときの忘れものでは「第311回企画◆葉栗剛展 」を開催します。
会期:2019年5月24日[金]―6月8日[土]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
葉栗展
ときの忘れものは毎年アジアやアメリカのアートフェアに出展し、木彫作家・葉栗剛の作品をメインに出品しています。今回は、2014年以来二回目となる個展を開催し、国内未公開作品11点をご覧いただきます。
初日5月24日[金]17時よりオープニングを開催します。

●『DEAR JONAS MEKAS 僕たちのすきなジョナス・メカス
会期:2019年5月11日(土)~6月13日(木)
会場:OUR FAVOURITE SHOP 内 OFS gallery
〒108-0072 東京都港区白金5-12-21 TEL.03-6677-0575
OPEN 12:00-19:00(ただし展示最終日は17:00まで)
CLOSE: 月・火(祝日を除く)

●『光嶋裕介展~光のランドスケープ
会期:2019年4月20日(土)~5月19日(日)
会場:アンフォルメル中川村美術館
[開館時間]火・木・土・日曜日 祝日 9時~16時

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。
*日・月・祝日は休廊。