野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第61回

「絶不調」

今月のエッセイで何を書こうかと悩んだのですが、どうしても何も浮かばないもので、今の状況を少し書こうと思います。
ちなみにときの忘れものさんも夏季休暇があるので、これを書いているのは7月末です。
7月頭のART OSAKA以降は特に何処へも行かず、9月以降の展示の為に新作の制作をしようと毎日仕事部屋で構想しているのですが、これが何故か今までで一番かという程の絶不調で、今何を作りたいのか全くわからず、今までのシリーズでこれなら何かしらの進化形を作っても良いかなというものも無く、新たなイメージも何も浮かばず、集中力も散漫、気ばかり焦り、どんどん時間が過ぎていくという日々でした。
なので、エッセイに何も書ける事が無いというのもご理解頂ければと思います。
とはいえ、実は9月中旬に実家の箔屋野口で、久しぶりに父との箔画二人展を開催する予定なのと、
10月にはときの忘れものさんからART TAIPEIに出展させて頂く予定なので、なんとかこの不調の穴の中から這いずり出なければと思います。
当たり前の事ですが、作り続けるというのは難しいものですね。
まだ箔画作家として作り始めて18年程ですが、ここ最近は一年中もがき苦しんでおります。
こんな文章で申し訳ありませんでした。
画像はART OSAKAに出していた新作の小作品「Hope」33.3×24.2cmです。
閉じ込められた暗闇の隙間から見える希望の光、こんな作品作ったら本当に暗闇に閉じ込められました 笑
結婚して守るべきものも増え、不調だなんて言っている場合じゃないので、希望の光を見つけてがんばります。
20190815野口琢郎「Hope」のぐち たくろう

野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
ホームページhttp://noguchi-takuro.com/

◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。

●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
noguchi-43_quiethope野口琢郎 Takuro NOGUCHI
"Quiet hope"
2017年
箔画/木パネル、漆、金・銀箔、石炭、樹脂、アクリル絵具
110.0×200.0cm
Signed
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野口琢郎展カタログのご案内
野口琢郎展_表紙600野口琢郎展カタログ
2018年
ときの忘れもの発行
24ページ
テキスト:島敦彦(金沢21世紀美術館館長)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
本体価格800円(税込) 
※送料別途250円
(メールにてお申し込みください)

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
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