野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第65回
「京都の紅葉」
もう12月、京都も日に日に寒くなり、美しい紅葉も終わりに近づいています。
実は来年我が子が産まれます。
夏に妻が緊急入院したり、一時期とても不安な日々もありましたが、その後無事安定期に入り、
今は二人穏やかに過ごしつつ、新生児用の肌着など必要なものを揃える為に毎週買いものに行ったりしています。
なので、今年は混雑する名所は避けて、紅葉は少なめだけど人の少ない所に行きました。
まず大覚寺の大沢池、ここは現存する日本最古の人工の庭池で観月で有名です。
日没間際だったのでやや暗めでしたが、その時間にしか観られない色彩があり、池の周りをのんびりと散歩して良い気分でした。
大沢池1
大沢池2
大沢池3
次に地元の北野天満宮のもみじ苑、ここは紅葉で有名ではありますが、平日夜のライトアップはそこまで混雑はしていません。
町中なのに山奥に来たような、想像より広く高低差もある空間が不思議に感じます。
北野天満宮1
北野天満宮2
あと梅宮大社と広隆寺へ、梅宮大社は花菖蒲や紫陽花が有名で紅葉は少ないのですが、
紫陽花の枯れかけの葉がまるで銀箔と硫化銀のようで美しかったです。
広隆寺はあの有名な弥勒菩薩が好きで、何度も訪れています。
今にも動かはりそうで、、とても人間が彫ったとは思えないんですよね。
あと、色々な仏像の金箔が時を経て、部分的に剥がれたりしているのが美しくて好きです。
その影響もあるのか、僕は金箔をあまりビカビカと光らすのは好きではなくて、
いつも少し擦ったり傷をつけたりしています。
梅宮大社
紫陽花の葉
今年の台北出張でビールをたらふく飲んで以降体重が落ちなくて、実は人生で最重量更新中なのですが、
紅葉散歩をきっかけに歩くのも良いなと感じ、体調管理も兼ねてこれからはできるだけ歩こうと思います。
そんなことで、のんびりしたエッセイで申し訳ありませんでしたが、
今年一年も読んで頂きありがとうございました。
45歳にしてついに父親になるので、来年はより気合いを入れて作品制作をがんばろうと思います。
作家は子供ができると作風が変化するという話も聞くので、自分は変化するのか、それも少し楽しみにしたいと思います。
では皆様どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
妻
(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
ホームページhttp://noguchi-takuro.com/
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。
野口琢郎 Takuro NOGUCHI
"azure"
2017年
箔画/木パネル、漆、金・銀、石炭、樹脂、アクリル絵具
162.1×130.3cm
Signed
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●野口琢郎展カタログのご案内
野口琢郎展カタログ
2018年
ときの忘れもの発行
24ページ
テキスト:島敦彦(金沢21世紀美術館館長)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:880円(税込)
※送料別途250円(メールにてお申し込みください)
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2008年01月14日|伝説のバー・ラジオ~若林奮
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「京都の紅葉」
もう12月、京都も日に日に寒くなり、美しい紅葉も終わりに近づいています。
実は来年我が子が産まれます。
夏に妻が緊急入院したり、一時期とても不安な日々もありましたが、その後無事安定期に入り、
今は二人穏やかに過ごしつつ、新生児用の肌着など必要なものを揃える為に毎週買いものに行ったりしています。
なので、今年は混雑する名所は避けて、紅葉は少なめだけど人の少ない所に行きました。
まず大覚寺の大沢池、ここは現存する日本最古の人工の庭池で観月で有名です。
日没間際だったのでやや暗めでしたが、その時間にしか観られない色彩があり、池の周りをのんびりと散歩して良い気分でした。



次に地元の北野天満宮のもみじ苑、ここは紅葉で有名ではありますが、平日夜のライトアップはそこまで混雑はしていません。
町中なのに山奥に来たような、想像より広く高低差もある空間が不思議に感じます。


あと梅宮大社と広隆寺へ、梅宮大社は花菖蒲や紫陽花が有名で紅葉は少ないのですが、
紫陽花の枯れかけの葉がまるで銀箔と硫化銀のようで美しかったです。
広隆寺はあの有名な弥勒菩薩が好きで、何度も訪れています。
今にも動かはりそうで、、とても人間が彫ったとは思えないんですよね。
あと、色々な仏像の金箔が時を経て、部分的に剥がれたりしているのが美しくて好きです。
その影響もあるのか、僕は金箔をあまりビカビカと光らすのは好きではなくて、
いつも少し擦ったり傷をつけたりしています。


今年の台北出張でビールをたらふく飲んで以降体重が落ちなくて、実は人生で最重量更新中なのですが、
紅葉散歩をきっかけに歩くのも良いなと感じ、体調管理も兼ねてこれからはできるだけ歩こうと思います。
そんなことで、のんびりしたエッセイで申し訳ありませんでしたが、
今年一年も読んで頂きありがとうございました。
45歳にしてついに父親になるので、来年はより気合いを入れて作品制作をがんばろうと思います。
作家は子供ができると作風が変化するという話も聞くので、自分は変化するのか、それも少し楽しみにしたいと思います。
では皆様どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

(のぐち たくろう)
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。
ホームページhttp://noguchi-takuro.com/
◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
●今日のお勧め作品は、野口琢郎です。

"azure"
2017年
箔画/木パネル、漆、金・銀、石炭、樹脂、アクリル絵具
162.1×130.3cm
Signed
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2018年
ときの忘れもの発行
24ページ
テキスト:島敦彦(金沢21世紀美術館館長)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
価格:880円(税込)
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2008年01月14日|伝説のバー・ラジオ~若林奮
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