スタッフSの海外ネットサーフィン No.81
「Niki de Saint Phalle - Structures for Life」
MoMA


 読者の皆様こんにちは。緊急事態宣言が全国に拡大されて早幾日、皆様いかがお過ごしでしょうか.
まさか1月前には事態がここまで長期化かつ深刻化するとは微塵も思わず、しかし現在思うことはといえば「いい加減ハンドソープくらい入荷を見計らわずに買いたい」なスタッフSこと新澤です。

 今回ご紹介するのはNYのMoMAで一昨日から開催…しているハズだった「Niki de Saint Phalle - Structures for Life」です。当初の予定では9月7日までの開催でしたが、果たして再開は何時になることやら…

20200426_MoMA_01

 今回の展覧会は、ニューヨークでは初となるニキ・ド・サンファル(1930~2002)の個展です。
 活動初期のサンファルは既存の芸術慣習の常識に反抗しつつ、アセンブラージュやパフォーマンスを取り込んだ制作を行っていました。やがて60年代後半からは大型彫刻にも着手し、建築、彫刻庭園、本、版画、映像、舞台セット、服、ジュエリー、香水にも手を広げていきました。
 女性の権利、地球温暖化、HIV/AIDSなど、当時の社会問題の運動によくかかわっていたサンファルは、啓蒙活動にも取り組んでおり、医師のシルビオ・バランドゥンと組んでAIDSに対する偏見を取り除こうと制作した絵本「AIDS:手をつないでも移らないよ」(1986年)は6ヶ国語に翻訳されています。

 今展覧会では社会的、政治的なメッセージをも持つ、様々な分野の作品が100点以上用意されています。メインとなるのは大型の野外彫刻と建築物の資料で、1970年代後半から生涯かけてサンファルが関わり続けたローマのタロットガーデンを写真やドローイング、モデルを通して知ることができます。

20200426_MoMA_02イタリア・ローマにあるタロットガーデン「Empress」の外観
 知っても観に行けないのが悲しいところですが、1日でも早くこの事態が終息し、日常を再開できる時を待ちわびるばかりです。

(しんざわ ゆう)

展覧会公式ページ(英語)

ニキドサンファル
ニキ・ド・サンファル「18 Festival
1984年 シルクスクリーン
99.5×70.0cm 版上サインあり

niki_01_daddy
ニキ・ド・サンファル Niki de SAINT PHALLE"DADDY"
1973年 シルクスクリーン
81.7×59.6cm Ed.150  サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

●本日のお勧め作品は渡辺貴子です。
watanabe_37_far_1渡辺貴子 Takako WATANABE
《遠いところⅠ》
2013年 ひもづくり
H43.0×W35.0×D20.0㎝ サインあり
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*画廊亭主敬白
臨時休廊30日目。
昨日のブログで開催中止になった世田谷美術館の「驚異の三人 !! 高松次郎・若林奮・李禹煥 ―版という場所で」展に関連して、若林奮先生の「バー・ラジオ」のためのドローイングをご紹介しました。
不思議な偶然ですが、昨日届いたのが茨城大学教育学部美術科同窓会が刊行した『六号館 第16号 小泉晋弥先生御退職記念特集号』でした。
小泉晋弥退職記念「六号館」16号小泉晋弥先生は、私たち美術業界の者にとってはあの先駆的ないわき市立美術館、そして郡山市立美術館の立ち上げに携わった俊秀の学芸員でありながら、1996年に茨城大学に転じてしまった逸材です。亭主が最も尊敬する研究者であり、若林奮研究の第一人者です。
学芸員時代の最後の仕事が「煙と霧 若林奮展」で、山形美術館、足利市立美術館、郡山市立美術館と巡回したのだが、その最中に私は教育学部の教員となり、自館での展示は人任せになってしまった。>(同誌25ページ)と当時を回想されていますが、ずっと後になって亭主がバー・ラジオにお誘いし、若林先生のカウンターに座り「鮭の振動尺」の講義を受けたのも楽しい思い出です。
ときの忘れものでは『版画掌誌第3号 草間彌生特集』に「虚空に種まく人―草間彌生の労働・科学・芸術」をご執筆いただきました(上掲『六号館』にも再録されています)。また『刀根眞澄作品集』では長時間インタビューをもとに卓抜な作家論を執筆していただきました。
ギャラリートークで講師をお願いしたのは2009年でした。
小泉先生の今後のますますのご活躍をお祈りいたします。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2014年06月14日|針生一郎「現代日本版画家群像」 第12回(最終回)高松次郎と井田照一
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◆ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、臨時休廊とし、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。

◆リアルなギャラリー活動がストップした中、ブログでの「一日限定! 破格の掘り出し物」第二弾を4月13日から5月初旬までの奇数日に開催しています。どうぞお見逃しなく。

◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
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