スタッフSの海外ネットサーフィン No.110

「52 Places to Go 2023」盛岡!
The New York Times


 読者の皆様こんにちは。今月はついに東京でも雪が降り(1日だけでしたが)、最低気温が0℃を下回る日も増えている中、いかがお過ごしでしょうか。来月のアートフェア東京2023と、続く葉栗剛新作展に向けててんやわんやな日々が続いております、スタッフSこと新澤です。

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 今回ご紹介するのは海外の展覧会ではなく、アメリカの地方紙ながら世界的な知名度を誇るThe New York Timesが毎年発表している「52 Places to Go」。文字通り、その年に訪れるべき場所を世界各地から52ヶ所ピックアップして紹介する企画です。ロンドン、イスタンブール、マドリッド等、名立たる大都市が挙げられるこの企画、2023年の第1位はロンドンでしたが、第2位はなんと盛岡市でした。

 ときの忘れものではMORIOKA第一画廊という偉大過ぎる先達があったことや、当地を地元とする作家(松本竣介舟越保武戸村茂樹宇田義久など)を取り扱っていることから馴染み深い土地ですが、このような企画で推薦されることは正直意外です。

 今回盛岡をNYTに推薦したのは、作家・写真家のクレイグ・モドさん(Craig Mod)。
 記事の本文を観覧するには有料登録が必要なため、大まかに内容を説明すると以下の様になります:

岩手県盛岡市は、しばしば見過ごされ、無視されがちだが、東京から数時間と近く、市街地は、非常に歩きやすい。
 大正時代に建てられた西洋と東洋の建築美が融合した建物、近代的なホテル、いくつかの古い旅館、曲がりくねった川が街中に溢れれていて、古代の城跡が公園になっているのも魅力のひとつ。
 また、素晴らしい喫茶店もある。NAGASAWA COFFEEは、オーナーが自ら輸入・修復したビンテージ焙煎機を使用するほど、豆にこだわっている。東屋ではわんこそばが食べ放題、ブックナードでは日本の古典的な美術書、そして40年以上の歴史を持つジャズ喫茶もあって世界有数の温泉もある


 片道数時間が近いか否かは意見が分かれる所ですが、昨今の情勢下では海外に向かうよりは遥かに気楽なのもまた事実。記事の中で紹介されたNAGASAWA COFFEEなど、注文が殺到したため一時は通販を停止するなど、街の活性化に効果を発揮しているようです。ローカルテレビ局の1階にカフェを併設した画廊なんてあれば絶対に紹介されただろうに、既に第一画廊が閉廊していることが残念でなりません。

 岩手県と言えば本州の中でも冬の寒さが厳しいことで知られていますが、白鳥の飛来地である高松の池や、岩洞湖の氷上ワカサギ釣り、盛岡城跡公園のライトアップなど、この時期ならではの観光スポットも多数あります。週末の小旅行に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

 以下の写真は、2020年11月にスタッフMが閉廊間際のMORIOKA第一画廊を訪れた際に撮影した、松本竣介も歩いた盛岡市内の風景です。

岩手銀行(旧盛岡銀行 )赤レンガ館 (4)岩手銀行赤レンガ館(旧盛岡銀行)

IMG_6087もりおか啄木・賢治青春館(旧第九十銀行本店本館)

IMG_6096松本竣介の父が関係した盛岡信用金庫本店(旧盛岡貯蓄銀行)

IMG_5579松本竣介の油彩・素描を常設展示している岩手県立美術館
公式ページの「所蔵品」欄には松本竣介と舟越保武が個別に掲載されています。

(しんざわ ゆう)

The New York Times 公式ページ (英語)
52 Places to Go in 2023 (英語/要有料登録)
盛岡市公式サイト特設ページ (日本語)

*画廊亭主敬白
暗いニュースばかりの昨今、驚いたのは<今年訪れるべき52都市>に第1位のロンドンに次いでわが愛する盛岡が第2位に選ばれたことでした。
このブログの読者は亭主が盛岡の街と人を愛すること、尋常でないのをご存じでしょう。
ブログで「盛岡」と検索すると230件近く出てきます。
なぜかを語りだすとキリがないので、自選(笑)のいくつかをご紹介しましょう。
・2020年12月02日ブログ/MORIOKA第一画廊 半世紀の活動に幕
・2019年11月21日ブログ/WebマガジンColla:J が盛岡大特集
・2019年06月25日ブログ/『MORIOKA第一画廊 記録 1964ー2014』刊行と「一日だけの須賀敦子展」
・2016年09月20日ブログ/上田浩司さんを偲んで、ウォーホルのあるラーメン屋さん
・2015年07月14日ブログ/ゴーギャンのあるお蕎麦屋さん
・2012年09月08日ブログ/夏が終わった
・2012年05月15日ブログ/植田実「生きているTATEMONO 松本竣介を読む1 盛岡市紺屋町界隈」
・2011年12月27日ブログ/磯崎新『栖十二』より第八信ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン[ストンボロウ邸]
・2005年03月03日ブログ/盛岡で「磯崎新 版画展」
・1974年07月13日ブログ/全国縦断「版画への招待展」盛岡展、オークション

●本日のお勧め作品は松本竣介舟越保武です。ふたりは盛岡中学の同級で親友でした。
松本竣介 女 素描松本竣介

1937年1月
紙にペン
36.3×26.2cm
サインあり

funakoshi-y_02_wakaionna-b舟越保武
「若い女 B」
1984年
リトグラフ(雁皮紙刷り、刷り:森版画工房)
48.5×37.0cm
Ed.170 サインあり
*現代版画センターとMORIOKA第一画廊の共同エディション

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●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊