
植田正治 Shoji UEDA
「無題」
1970年代~80年代前半
チバクローム、木製パネル
イメージサイズ:52.7×73.0cm
パネルサイズ: 60.0×80.0cm
本日は植田正治の誕生日、生誕110年の記念すべき日です(1913年3月27日 - 2000年7月4日)。
ご紹介する写真は、故郷鳥取の方が大切にされていた作品ですが、おそらく展覧会に出品するためにパネル張りされています(70年代~80年代はそれが一般的でした)。
オリジナルプリントが今のように額装されて鑑賞(コレクション)されるようになったのは意外に最近です。
植田正治が生前プリントしたいわゆるヴィンテージ写真が市場に出ることはめったにありません。
その理由の一つは、植田正治が生家に保有していたすべてのプリントが植田正治写真美術館に寄贈されたからです。同館は鳥取県伯耆町の思いっきり不便なところ(自然豊かな大山山麓)に建つ(高松伸の設計)ユニークな建築で、館内からは水面に映る“逆さ大山”が楽しめます。
金子隆一 「植田正治の世界――新たな評価の軸をもとめて」
金子隆一 「もう一つの遊び――植田正治のポラロイド写真」
飯沢耕太郎「植田正治―世界に開かれたローカリティ」
■植田正治
1913年、鳥取県生まれ。15歳頃から写真に夢中になる。1932年上京、オリエンタル写真学校に学ぶ。第8期生として卒業後、郷里に帰り19歳で営業写真館を開業。この頃より、写真雑誌や展覧会に次々と入選、特に群像演出写真が注目される。1937年石津良介の呼びかけで「中国写真家集団」の創立に参加。1949年山陰の空・地平線・砂浜などを背景に、被写体をオブジェのように配置した演出写真は、植田調(Ueda-cho)と呼ばれ世界中で高い評価を得る。1950年写真家集団エタン派を結成。
1954年第2回二科賞受賞。1958年ニューヨーク近代美術館出展。1975年第25回日本写真協会賞年度賞受賞。1978年文化庁創設10周年記念功労者表彰を受ける。1989年第39回日本写真協会功労賞受賞。1995年鳥取県岸本町に植田正治写真美術館開館。1996年フランス共和国の芸術文化勲章を授与される。2000年歿(享年88)。
2005~2008年ヨーロッパで大規模な回顧展が巡回、近年さらに評価が高まっている。
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