みなさま、こんにちわ。スタッフMです。
2023年2月25日(土)~2月26日(日)に福井県勝山と金沢へ出張してまいりましたので、ご報告のレポートです。
今回のメインイベントは、毎年2月末に勝山で開催されている「勝山左義長まつり」です。また、磯崎新先生の設計の個人住宅「中上邸イソザキホール」と「S邸」の内部を拝見させていただきましたので、画像多めでご報告いたします。勝山へは上野駅から金沢経由で約5時間ほどで着きます。
<勝山への行き方>
2023年2月25日(土)
8:42 上野駅発~新幹線かがやき505号
11:05 金沢駅着
11:24 金沢駅発~サンダーバード20号
12:07 福井駅着
12:25 福井駅発~えちぜん鉄道勝山永平寺線
13:19 勝山駅着
勝山駅前の「左義長まつり」の幟。
荒井由泰さんに車を出していただき「中上邸イソザキホール」へ向かいます。
荒井さま、お忙しい中、本当にありがとうございました。
「中上邸イソザキホール」の正面。
「中上邸イソザキホール」は1983年に竣工しましたが、当時磯崎アトリエでこの建物を担当された稲川直樹先生が勝山にご一緒くださいました。
裏側。

正面の庭には雪が残っていました。
壁には瑛九「黄色いかげ」油彩(左)。中央の壁にオノサト・トシノブ。床には倉俣史朗《ランプ オバQ》。その上には谷川桐子さんの油彩。右側の壁には元永定正作品。
瑛九「黄色いかげ」油彩。点描の輝きにときめきました。

「中上邸イソザキホール」の模型。
電気をつけた内側正面。
完全武装のときの忘れもの社長。ヘンリー・ミラーの版画の前で。
1階の洗面所に続く扉。2階に続く階段の手前にはオノサト・トシノブ版画。
洗面所の左側にあるトイレの扉。水色とピンク色がおしゃれ!
洗面所の右側の奥にはお風呂場。黄緑色の壁紙が見える。
お風呂場の手前は黄色の壁。ドアの枠部分は緑色。ドアは水色。磯崎先生の色彩のセンスが抜群ですね。
荒井由泰さまから新聞を見せていただきました。
日刊「県民福井」2023年2月8日付記事
荒井由泰さんが中上邸管理人として紹介されています。
※クリックすると拡大します。
中上邸2階。階段の上から撮影。壁には「中上邸イソザキホール」をモチーフにした版画「ヴィッラ」。
2階。アーチの下。寝室。
2階の廊下。
夜の「中上邸イソザキホール」。
ご自邸を見学させてくださった中上家の皆さんに心より御礼を申し上げます。
中上邸を堪能した後は、メインの「左義長まつり」を見るために外へ。このお祭りは300年以上の歴史があるそう。地区ごとに櫓(やぐら)を立て、その上で長襦袢姿の大人や子供らが三味線・笛のリズムに合わせて浮かれます。今年は10地区=10台の櫓が各町内に点在して出されていました。1番はじめに見たのは荒井さんが理事長をつとめている、こども園の園児たちによる演技。可愛らしく一生懸命演技する姿に見ている大人たちの顔がほころびます。
一年に一度だけこの祭りにしか使われない櫓は、このためだけに作られた建物の中に収納されています。これを毎年引っ張り出して櫓を組むそうです。
この建物の中には過去の祭りの様子が展示されていました。過去には大雪の年もあったそうです。
櫓の手前の飾りも可愛らしい。
赤、青、緑、黄、白など、町内ごとに決められた3~4色の短冊を道路上に吊り下げてあります。
場所を変えて、ここは大人たちの櫓。さきほどの園児たちとはガラっと変わり、エネルギッシュな踊りと妖艶なまなざしに引き込まれます。市外に出ている人たちもこの祭りのために必ず戻ってくるそうです。
勝山の日本酒で有名な「一本義」の店頭。
賑やかな街を歩きながら、勝山市内にあるもう一つの磯崎新建築「S氏邸」へ向かいました。これまで「S氏邸」は個人住宅だったので内部を見ることができませんでしたが、所有者の方が変わり、現在はスカーフ&ライフスタイルショップ「nimbus(ニンバス)」が営業されています。オーナーの笠川まさ代さまに内部を見せていただくことができました。こちらの店舗をオープンする前に建物を「チューニング」したという業者の山田寛さんが案内してくださいました。
S氏邸<正面>
山田さんからいただいた冊子によると「既存什器カウンターの塗り替え、床の張り替え、新たな什器の仕上げ等に、既存躯体とスカーフ等の商品が共存するよう表面のチューニングを行っている。」そうです。
S氏邸<正面>
「外壁は劣化が激しかったため、水洗い&フッ素樹脂塗装により蘇らせた」とのこと。
S氏邸を撮る稲川先生
S氏邸 1階
ショップには磯崎新ポスター「新都庁舎案」
S氏邸の1階から撮影。オシャレなスカーフ、雑貨が並ぶ。入れたてのコーヒーをいただきました。
S氏邸の1階
S氏邸の吹き抜け天井。1階から撮影。
S氏邸1階奥の和室も見せてもらいました。
S氏邸内部。
S氏邸の2階から撮影。吹き抜けの天井。普段は非公開の2階は特別に許可をいただき見せていただきました。
S氏邸の2階から撮影。吹き抜けの天井。
S氏邸の2階のお手洗い。奥には今回の旅にお誘いした小野寺和代さん。
S氏邸の2階。ソファが置かれている。
S氏邸 2階
こちらの写真は稲川直樹先生撮影。2階から1階を撮影。
見事な「S氏邸」をあとにして向かった先は、寿司屋「秀寿司」。
寿司屋で宴会。左から荒井多恵子様、稲川直樹先生、小野寺和代様、荒井由泰様。美味しい料理がたくさん運ばれてきます。
「秀寿司」のバッテラ!おいしくていくらでも食べれます。
ほろ酔いで帰った先は、勝山ニューホテル。熟睡。朝起きると雪が積もっていました。
朝から荒井さんご夫妻に車を出していただき、お宅で荒井さんのコレクションを拝見。長谷川潔作品の刷りの違いを見比べる。左が小野寺さん。右が荒井さん。
駒井哲郎、長谷川潔、恩地孝四郎、ルドン、など貴重な版画群を惜しげもなく見せてくださる荒井さん。ほんとうにありがとうございました。マップケースに整理整頓された作品は嬉しそうです。荒井さんの作品への熱い愛情を感じる時間でした。
二日目は、帰京する前に金沢へ寄ろうということで、電車で移動です。勝山から福井への電車社内。
到着したのは、金沢21世紀美術館。中央にはレアンドロ・エルリッヒのプールの作品。
金沢21世紀美術館の「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」入り口。作品は一部を除き撮影不可。
金沢21世紀美術館の一室。天井からは元永定正の色水の作品。
稀少なイブ・クライン作品に加えて、べつの若手から大御所(草間彌生、ルーチョ・フォンタナ、白髪一雄、今井祝雄、布施琳太郎など)の作家の作品も散りばめられており興味深く観覧しました。
吊られているのは、イブ・クライン《青い雨》1957年/2018年 顔料、合成樹脂塗料、木棒。
床にはイブ・クライン《ピュア・ブルー・ピグメント》1957年/2018年 顔料。
このあと綿貫夫妻と金沢駅から新幹線に乗り込み、無事帰京しました。
勝山の左義長まつりに初参加できたこと、一日で磯崎新建築2軒を見ることができたことは勉強になりました。
小さな山あいの街に二つもの磯崎建築が生まれた経緯については画廊亭主の「台所なんて要りませんから」をお読みください。
皆さまもぜひ磯崎新先生の名建築「S氏邸」を訪れてみてはいかがでしょうか。
(スタッフM)
●本日のお勧め作品は磯崎新です。
磯崎新「MOCA #5」
1983年 エッチング
イメージサイズ:15.0×20.0cm
シートサイズ:29.0×38.0cm
Ed.100 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●倉俣史朗の限定本『倉俣史朗 カイエ Shiro Kuramata Cahier 1-2 』を刊行しました。
限定部数:365部(各冊番号入り)
監修:倉俣美恵子、植田実
執筆:倉俣史朗、植田実、堀江敏幸
アートディレクション&デザイン:岡本一宣デザイン事務所
体裁:25.7×25.7cm、64頁、和英併記、スケッチブック・ノートブックは日本語のみ
価格:7,700円(税込) 送料1,000円
詳細は3月24日ブログをご参照ください。
お申込みはこちらから
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤が設計した個人住宅だった空間で企画展の開催、版画のエディション、美術書の編集等を行なっています(WEBマガジン コラージ2017年12月号18~24頁の特集参照)。
JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
2023年2月25日(土)~2月26日(日)に福井県勝山と金沢へ出張してまいりましたので、ご報告のレポートです。
今回のメインイベントは、毎年2月末に勝山で開催されている「勝山左義長まつり」です。また、磯崎新先生の設計の個人住宅「中上邸イソザキホール」と「S邸」の内部を拝見させていただきましたので、画像多めでご報告いたします。勝山へは上野駅から金沢経由で約5時間ほどで着きます。
<勝山への行き方>
2023年2月25日(土)
8:42 上野駅発~新幹線かがやき505号
11:05 金沢駅着
11:24 金沢駅発~サンダーバード20号
12:07 福井駅着
12:25 福井駅発~えちぜん鉄道勝山永平寺線
13:19 勝山駅着

荒井由泰さんに車を出していただき「中上邸イソザキホール」へ向かいます。
荒井さま、お忙しい中、本当にありがとうございました。
















日刊「県民福井」2023年2月8日付記事
荒井由泰さんが中上邸管理人として紹介されています。
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ご自邸を見学させてくださった中上家の皆さんに心より御礼を申し上げます。









山田さんからいただいた冊子によると「既存什器カウンターの塗り替え、床の張り替え、新たな什器の仕上げ等に、既存躯体とスカーフ等の商品が共存するよう表面のチューニングを行っている。」そうです。

「外壁は劣化が激しかったため、水洗い&フッ素樹脂塗装により蘇らせた」とのこと。
























稀少なイブ・クライン作品に加えて、べつの若手から大御所(草間彌生、ルーチョ・フォンタナ、白髪一雄、今井祝雄、布施琳太郎など)の作家の作品も散りばめられており興味深く観覧しました。

床にはイブ・クライン《ピュア・ブルー・ピグメント》1957年/2018年 顔料。
このあと綿貫夫妻と金沢駅から新幹線に乗り込み、無事帰京しました。
勝山の左義長まつりに初参加できたこと、一日で磯崎新建築2軒を見ることができたことは勉強になりました。
小さな山あいの街に二つもの磯崎建築が生まれた経緯については画廊亭主の「台所なんて要りませんから」をお読みください。
皆さまもぜひ磯崎新先生の名建築「S氏邸」を訪れてみてはいかがでしょうか。
(スタッフM)
●本日のお勧め作品は磯崎新です。

1983年 エッチング
イメージサイズ:15.0×20.0cm
シートサイズ:29.0×38.0cm
Ed.100 サインあり
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●倉俣史朗の限定本『倉俣史朗 カイエ Shiro Kuramata Cahier 1-2 』を刊行しました。
限定部数:365部(各冊番号入り)
監修:倉俣美恵子、植田実
執筆:倉俣史朗、植田実、堀江敏幸
アートディレクション&デザイン:岡本一宣デザイン事務所
体裁:25.7×25.7cm、64頁、和英併記、スケッチブック・ノートブックは日本語のみ
価格:7,700円(税込) 送料1,000円
詳細は3月24日ブログをご参照ください。
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JR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊
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