中村孝幸「二晩通いました」倉俣史朗のBar CoMbLe
静岡市にあるバー・コンブレに行ってきました。
倉俣さんのバーが実在していることは「ときの忘れもの」スタッフMさんのレポートで知りました。建築士会の全国大会が静岡で開催されたのは幸運です。
オープン前に場所を確認して覗き見して最初の写真を撮り、オープンまで静岡の名店幸多路で美味しいおでんをいただき、開店時間に合わせて訪問しました。

そのときはたくさんのお客様がいましたが、長くいると人が引けてきたのでオーナーの中山さんのお話を伺い写真を撮ることができました。


スタッフMさんの写真にあったボトル棚や洋酒は片付けられ、バーとしてはいかにも使いにくそうな美しい店に変化しています。

ハニカムポリカーボネイトのアール天井は少し傷んでいますが当然ですね。修理の検討を倉俣事務所の以前のスタッフの方としているようなので、その時はクラウドファンディングでどうぞと勝手な提案をしました。


壁のOSBのジョイントは施工が素晴らしく見つけることが出来ずどうやって作ったのだろう。
施行された工務店の社長さんは静岡で倉俣さんに何カ所かお仕事を紹介したらしいとマスターの中山さんのお話、そんなことがあったのかしら。倉俣さんが好きだったのでしょうね、マスターとも縁のあった社長さんは最後の仕事と倉俣さんの思い通りにしてくださいと話し、採算度外視だったと聞いているそうですが、『倉俣史朗読本』を見ると業者の皆さんの協力があったんですね。


大事な図面はほぼ原寸図、検討したスケッチ跡も見られます。空間の把握は別に出来ているのでしょうね。「空間の神様は原寸に宿る」とむかし誰か言ってましたね。FRPの美しいカウンターはどうやって作ったのでしょうか?誰か教えてください。

不思議な3本足のチェア(どこでも見たことの無い特注品)

アルミの一枚板の扉はスムースに軽く動いて驚きました。

昔六本木のアクシスで買った一輪挿しの花瓶、場所が変わると美しい

復刻されたワイングラス「SAMBA-M」と左がオリジナル、儚く光るのがオリジナルで何とも素敵です。

一輪挿しの花瓶とニッチ、こちらも私の事務所で見るのと別人みたい。美しい作品は場所を選ぶんだな。

アクリルの収納も美しく鎮座なさっていました。

照明器具はドイツ製の器具を改造して使うのが倉俣さんの指定。メーカー在庫もなく何個かストックされている器具を見せてくれました。

二日目の夜、ときの忘れもの発行の『倉俣史朗 カイエ』にサインをいただき(遠慮されていましたが無理やり)コースターまでせしめてお店を後にしました。「この店を盛岡に持って帰りたい」と私も思いました。
(なかむら たかゆき)
●中村孝幸
1958年、岩手県下閉伊郡岩泉町生まれ、日本建築家協会会員。
現在、岩手県建築士会副会長、盛岡支部長。
工業高校卒業後、地元の山添設計事務所で修行、現在和見設計舎という設計事務所を主宰。
金田一温泉の「ざしきわらしの宿・緑風荘」、三陸海岸にある廣洋館などの設計をしました。前職で盛岡駅前広場、盛岡大通商店街アーケード、盛岡市都南図書館などの設計を担当しました。
1983年ころ、上田浩司さんの主宰されたMORIOKA第一画廊で磯崎新の版画に出会いコレクションを始めました。以後磯崎ファンとなり主として建築家の版画、盛岡に縁のある作家の作品を収集しています。六本木のアクシスで倉俣史朗さんの一輪挿しを購入したこともあります。
上田さんと福井の勝山を訪問して、難波田龍起先生と中上ご夫妻とお会いし、磯崎さん設計の中上邸を見学できたこと。中上ご夫妻、荒井由泰さんのコレクションとアートフル勝山の会が素晴らしかったことを思い出します。
●「倉俣史朗と静岡」 プレ企画 連続トークイベント
バー・コンブレを会場に、トークイベントが開催されるそうです。

・「家具産地イメージアップ事業と倉俣史朗」
2024年1月14日(日)
14:30-16:00(14:00開場)
ゲスト:町田光(デーシーエスデザイン研究所、《静岡ファニコンの椅子》製作)
【申 込】12月14日(木)~セブンチケットにて各日10:00~販売
[セブンコード 103-227](なくなり次第販売終了)
・「倉俣史朗のショップ・インテリア」
2024年2月4日(日)
14:30-16:00(14:00開場)
ゲスト:橋本啓子(近畿大学建築学部准教授)
【申 込】1月4日(木)~セブンチケットにて各日10:00~販売
[セブンコード 103-229](なくなり次第販売終了)
【会 場】COMBLE(静岡県静岡市葵区呉服町2-7 静専ビル2F)
【参加料】各回1,000円 ※チケット制 ※ワンドリンク付き(通常メニューとは異なります)
【定 員】各回 20歳以上25名
●本日のお勧め作品は倉俣史朗です。
"Flower Vase #1303"
アクリル、ガラス管
W26.9×D8.0×H26.0cm
撮影:桜井ただひさ
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
*画廊亭主敬白
ときの忘れものの倉俣史朗展も残り3日となりました。連日多くの方がいらしてくださり、貧乏画廊の亭主としてはめったにないことを喜んでおります。
狭くて小さな画廊なので、さっと見たら数分ですむ・・・ ところがお客様の滞空時間がとても長い。みなさん図書室の椅子に座り、映像を食い入るようにご覧になっている。
倉俣先生の奥様のご厚意で世田谷美術館でも上映していない貴重な(ここまで書いたら担当の松下に「これ以上お客様が増えたらパニックになります」と制止されました。)以下略。
◆「倉俣史朗展」
会期=2023年12月8日(金)~23日(土)11:00-19:00 日曜・月曜・祝日休み
会場:ときの忘れもの

ときの忘れものは2017年に青山から駒込に移転しましたが、偶然にも倉俣史朗はこの街で生まれ、近くの昭和小学校に通われていました。来年生誕90年を迎える倉俣史朗のゆかりの地で「倉俣史朗展」を開催します。
出品作品と価格については11月25日ブログに掲載しました。
現在エディション進行中のシルクスクリーン作品集『倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier』1集2集3集、1979年東京国際版画ビエンナーレ出品の貴重なオリジナル版画《無極Ⅱ》、1983年磯崎新設計の筑波第一ホテルの客室用鏡、1989年パリの個展のために制作した"Cabinet de Curiosite"はじめ、椅子《How High the Moon》、ソファ《Sofa With Arms Black Edition》、香水瓶やフラワーベース、オブジェ《薔薇の封印》などを展示します。
●倉俣史朗の限定本『倉俣史朗 カイエ Shiro Kuramata Cahier 1-2 』を刊行しました。
限定部数:365部(各冊番号入り)
監修:倉俣美恵子、植田実
執筆:倉俣史朗、植田実、堀江敏幸
アートディレクション&デザイン:岡本一宣デザイン事務所
体裁:25.7×25.7cm、64頁、和英併記、スケッチブック・ノートブックは日本語のみ
価格:7,700円(税込) 送料1,000円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

静岡市にあるバー・コンブレに行ってきました。
倉俣さんのバーが実在していることは「ときの忘れもの」スタッフMさんのレポートで知りました。建築士会の全国大会が静岡で開催されたのは幸運です。
オープン前に場所を確認して覗き見して最初の写真を撮り、オープンまで静岡の名店幸多路で美味しいおでんをいただき、開店時間に合わせて訪問しました。

そのときはたくさんのお客様がいましたが、長くいると人が引けてきたのでオーナーの中山さんのお話を伺い写真を撮ることができました。


スタッフMさんの写真にあったボトル棚や洋酒は片付けられ、バーとしてはいかにも使いにくそうな美しい店に変化しています。

ハニカムポリカーボネイトのアール天井は少し傷んでいますが当然ですね。修理の検討を倉俣事務所の以前のスタッフの方としているようなので、その時はクラウドファンディングでどうぞと勝手な提案をしました。


壁のOSBのジョイントは施工が素晴らしく見つけることが出来ずどうやって作ったのだろう。
施行された工務店の社長さんは静岡で倉俣さんに何カ所かお仕事を紹介したらしいとマスターの中山さんのお話、そんなことがあったのかしら。倉俣さんが好きだったのでしょうね、マスターとも縁のあった社長さんは最後の仕事と倉俣さんの思い通りにしてくださいと話し、採算度外視だったと聞いているそうですが、『倉俣史朗読本』を見ると業者の皆さんの協力があったんですね。


大事な図面はほぼ原寸図、検討したスケッチ跡も見られます。空間の把握は別に出来ているのでしょうね。「空間の神様は原寸に宿る」とむかし誰か言ってましたね。FRPの美しいカウンターはどうやって作ったのでしょうか?誰か教えてください。

不思議な3本足のチェア(どこでも見たことの無い特注品)

アルミの一枚板の扉はスムースに軽く動いて驚きました。

昔六本木のアクシスで買った一輪挿しの花瓶、場所が変わると美しい

復刻されたワイングラス「SAMBA-M」と左がオリジナル、儚く光るのがオリジナルで何とも素敵です。

一輪挿しの花瓶とニッチ、こちらも私の事務所で見るのと別人みたい。美しい作品は場所を選ぶんだな。

アクリルの収納も美しく鎮座なさっていました。

照明器具はドイツ製の器具を改造して使うのが倉俣さんの指定。メーカー在庫もなく何個かストックされている器具を見せてくれました。

二日目の夜、ときの忘れもの発行の『倉俣史朗 カイエ』にサインをいただき(遠慮されていましたが無理やり)コースターまでせしめてお店を後にしました。「この店を盛岡に持って帰りたい」と私も思いました。
(なかむら たかゆき)
●中村孝幸
1958年、岩手県下閉伊郡岩泉町生まれ、日本建築家協会会員。
現在、岩手県建築士会副会長、盛岡支部長。
工業高校卒業後、地元の山添設計事務所で修行、現在和見設計舎という設計事務所を主宰。
金田一温泉の「ざしきわらしの宿・緑風荘」、三陸海岸にある廣洋館などの設計をしました。前職で盛岡駅前広場、盛岡大通商店街アーケード、盛岡市都南図書館などの設計を担当しました。
1983年ころ、上田浩司さんの主宰されたMORIOKA第一画廊で磯崎新の版画に出会いコレクションを始めました。以後磯崎ファンとなり主として建築家の版画、盛岡に縁のある作家の作品を収集しています。六本木のアクシスで倉俣史朗さんの一輪挿しを購入したこともあります。
上田さんと福井の勝山を訪問して、難波田龍起先生と中上ご夫妻とお会いし、磯崎さん設計の中上邸を見学できたこと。中上ご夫妻、荒井由泰さんのコレクションとアートフル勝山の会が素晴らしかったことを思い出します。
●「倉俣史朗と静岡」 プレ企画 連続トークイベント
バー・コンブレを会場に、トークイベントが開催されるそうです。

・「家具産地イメージアップ事業と倉俣史朗」
2024年1月14日(日)
14:30-16:00(14:00開場)
ゲスト:町田光(デーシーエスデザイン研究所、《静岡ファニコンの椅子》製作)
【申 込】12月14日(木)~セブンチケットにて各日10:00~販売
[セブンコード 103-227](なくなり次第販売終了)
・「倉俣史朗のショップ・インテリア」
2024年2月4日(日)
14:30-16:00(14:00開場)
ゲスト:橋本啓子(近畿大学建築学部准教授)
【申 込】1月4日(木)~セブンチケットにて各日10:00~販売
[セブンコード 103-229](なくなり次第販売終了)
【会 場】COMBLE(静岡県静岡市葵区呉服町2-7 静専ビル2F)
【参加料】各回1,000円 ※チケット制 ※ワンドリンク付き(通常メニューとは異なります)
【定 員】各回 20歳以上25名
●本日のお勧め作品は倉俣史朗です。

アクリル、ガラス管
W26.9×D8.0×H26.0cm
撮影:桜井ただひさ
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
*画廊亭主敬白
ときの忘れものの倉俣史朗展も残り3日となりました。連日多くの方がいらしてくださり、貧乏画廊の亭主としてはめったにないことを喜んでおります。
狭くて小さな画廊なので、さっと見たら数分ですむ・・・ ところがお客様の滞空時間がとても長い。みなさん図書室の椅子に座り、映像を食い入るようにご覧になっている。
倉俣先生の奥様のご厚意で世田谷美術館でも上映していない貴重な(ここまで書いたら担当の松下に「これ以上お客様が増えたらパニックになります」と制止されました。)以下略。
◆「倉俣史朗展」
会期=2023年12月8日(金)~23日(土)11:00-19:00 日曜・月曜・祝日休み
会場:ときの忘れもの

ときの忘れものは2017年に青山から駒込に移転しましたが、偶然にも倉俣史朗はこの街で生まれ、近くの昭和小学校に通われていました。来年生誕90年を迎える倉俣史朗のゆかりの地で「倉俣史朗展」を開催します。
出品作品と価格については11月25日ブログに掲載しました。
現在エディション進行中のシルクスクリーン作品集『倉俣史朗 Shiro Kuramata Cahier』1集2集3集、1979年東京国際版画ビエンナーレ出品の貴重なオリジナル版画《無極Ⅱ》、1983年磯崎新設計の筑波第一ホテルの客室用鏡、1989年パリの個展のために制作した"Cabinet de Curiosite"はじめ、椅子《How High the Moon》、ソファ《Sofa With Arms Black Edition》、香水瓶やフラワーベース、オブジェ《薔薇の封印》などを展示します。
●倉俣史朗の限定本『倉俣史朗 カイエ Shiro Kuramata Cahier 1-2 』を刊行しました。
限定部数:365部(各冊番号入り)
監修:倉俣美恵子、植田実
執筆:倉俣史朗、植田実、堀江敏幸
アートディレクション&デザイン:岡本一宣デザイン事務所
体裁:25.7×25.7cm、64頁、和英併記、スケッチブック・ノートブックは日本語のみ
価格:7,700円(税込) 送料1,000円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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