受講の最初に、栃折さんからこんな風な説明を受けた-
回想録を自費出版する人達がいるけれど、最低でも50部100部といった数を作ることになる。しかし、それだけの数を作っても、配る相手はそういない。ならば、本当に配りたい相手、きちんと読んでくれる親しい人達だけに配るよう、ごく少部数の本を自分で作り上げる方がよっぽど良い。
(frgmのエッセイ「ルリユール 書物への偏愛 第41回 私家版」より)
2016年11月「ルリユール 書物への偏愛―テクストを変換するもの―展」より
仕事一筋の社長の趣味が造本。
どんなに忙しくても毎週一回、池袋にあるルリュール工房に通っています。
ヨーロッパで伝統的な製本工芸の精神と技術を学んできた栃折久美子さんが1980年に創設した製本の工房です。
上掲の文章は社長が教わっている先生(栃折さんのお弟子さん)によるものですが、はじめは基礎的な「ルリユール入門」と上級の「パッセ・カルトン」のみのプログラムでしたが、やがて「書籍の修理と保存」、「デコール」、「なんでもルリユール」、「パソコンで本作り」などのクラスや、専門家養成のための「エコル・プログラム」が加わり、日本で唯一の総合的な本づくりの工房として現在に至っています。
「ルリユール reliure」とは、フランス語で「本を綴じ合わせる技術」の意。仮綴じ本をいったんばらして、麻糸で丈夫にかがり直してから、革やマーブル紙といった美しい素材の表紙を貼り、さらには金箔やモザイクなどによってさまざまな装飾を施す。このようにして一冊の本を作り上げていく複雑で繊細な過程のすべてを「ルリユール」と呼んでいます。
ルリュールについては、羽田野麻吏さんたちfrgmの連載エッセイ「ルリユール 書物への偏愛」をぜひお読みください。
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/cat_50035972.html
2016年11月に開催した「ルリユール 書物への偏愛―テクストを変換するもの―展」では羽田野麻吏さんたちが手掛けた美しい本をたくさん展示しました。
2016年11月 青山時代のときの忘れものにて「ルリユール 書物への偏愛―テクストを変換するもの―展」
これら美しい本は手間がかかっているので、本の定価の数十倍から100倍もします。このときは一冊か二冊売れただけでしたが・・・
上掲の本は羽田野麻吏さんたちプロによるものですが、弟子の社長(つまり栃折さんの孫弟子)も仲間に入れていただいている同じ教室仲間(アマチュア)の「ルリュール工房作品展2024」が今年も開催されます。
会期も短く恐縮ですが、池袋にお出かけの折があればどうぞのぞいてやってください。
「2024 ルリュール工房作品展」
会期:2024年9月21日(土)~23日(月・祝日)12時~17時
会場:西武百貨店池袋本店・別館9階ルリュール工房・22番教室
*上段・中央が綿貫令子の作品です。
『塩見允枝子+フルクサス SHIOMI Mieko+FLUXUS』限定版カタログをいったんばらして造本したのですが、一年かけて二冊つくり、一冊は塩見先生に恐る恐る献呈いたしました。


慌ててアップしたものだから少々画像が斜めになってしまい、申し訳ありません。
ときの忘れものの展覧会から8年も経ってしまいました。
本好きの亭主としては社長をオダテテ、久しぶりに美しい本の展覧会をしたくなりました。
乞うご期待!
●本日のお勧め作品は平まどかと瀧口修造です。
平まどか『瀧口修造/三夢三話』
・2016年制作
・総革装
・プラ・ラポルテ製本
・夫婦函
・箔押し:中村美奈子
・表紙の素材・手法:仔牛革に仔牛革のデコール
・表紙ウラと本文側の見返し:手染め紙
・229x178x11mm
・書籍データ:瀧口修造『三夢三話』 1980年 書肆山田 刊
■平まどか Madoka TAIRA
製本家。2000年ベルギー国立ラカンブル高等視覚芸術学校製本・ドリュール科卒業。 2000-2001年 同上校修復科紙資料部門で研修。 現在、池袋コミュニティカレッジ内「ルリユール工房」講師、及び自宅工房での製本教室主宰。
個展「Madoka Taira Exposition –Reliure d’art-」森岡書店
1999年 ベルギーフランス語圏共同体政府コレクション収蔵
2001年 グループ展「Neuf Ecoles des Arts du livre exposent leurs reliures」 ヨーロッパ4カ国巡回
2006年 Double Bush Binding 豪・日・仏巡回展
2009年 Designer Bookbinders(英国) 国際コンペティション展示作品入選
瀧口修造
「Ⅴ-07」
1976年11月
水彩、墨、紙
イメージサイズ:34.4x19.7cm
シートサイズ:34.7x19.7cm
画面右下墨:瀧口修造 Nov 1976 と表記あり
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
回想録を自費出版する人達がいるけれど、最低でも50部100部といった数を作ることになる。しかし、それだけの数を作っても、配る相手はそういない。ならば、本当に配りたい相手、きちんと読んでくれる親しい人達だけに配るよう、ごく少部数の本を自分で作り上げる方がよっぽど良い。
(frgmのエッセイ「ルリユール 書物への偏愛 第41回 私家版」より)

仕事一筋の社長の趣味が造本。
どんなに忙しくても毎週一回、池袋にあるルリュール工房に通っています。
ヨーロッパで伝統的な製本工芸の精神と技術を学んできた栃折久美子さんが1980年に創設した製本の工房です。
上掲の文章は社長が教わっている先生(栃折さんのお弟子さん)によるものですが、はじめは基礎的な「ルリユール入門」と上級の「パッセ・カルトン」のみのプログラムでしたが、やがて「書籍の修理と保存」、「デコール」、「なんでもルリユール」、「パソコンで本作り」などのクラスや、専門家養成のための「エコル・プログラム」が加わり、日本で唯一の総合的な本づくりの工房として現在に至っています。
「ルリユール reliure」とは、フランス語で「本を綴じ合わせる技術」の意。仮綴じ本をいったんばらして、麻糸で丈夫にかがり直してから、革やマーブル紙といった美しい素材の表紙を貼り、さらには金箔やモザイクなどによってさまざまな装飾を施す。このようにして一冊の本を作り上げていく複雑で繊細な過程のすべてを「ルリユール」と呼んでいます。
ルリュールについては、羽田野麻吏さんたちfrgmの連載エッセイ「ルリユール 書物への偏愛」をぜひお読みください。
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/cat_50035972.html
2016年11月に開催した「ルリユール 書物への偏愛―テクストを変換するもの―展」では羽田野麻吏さんたちが手掛けた美しい本をたくさん展示しました。


上掲の本は羽田野麻吏さんたちプロによるものですが、弟子の社長(つまり栃折さんの孫弟子)も仲間に入れていただいている同じ教室仲間(アマチュア)の「ルリュール工房作品展2024」が今年も開催されます。
会期も短く恐縮ですが、池袋にお出かけの折があればどうぞのぞいてやってください。
「2024 ルリュール工房作品展」
会期:2024年9月21日(土)~23日(月・祝日)12時~17時
会場:西武百貨店池袋本店・別館9階ルリュール工房・22番教室
*上段・中央が綿貫令子の作品です。
『塩見允枝子+フルクサス SHIOMI Mieko+FLUXUS』限定版カタログをいったんばらして造本したのですが、一年かけて二冊つくり、一冊は塩見先生に恐る恐る献呈いたしました。


慌ててアップしたものだから少々画像が斜めになってしまい、申し訳ありません。
ときの忘れものの展覧会から8年も経ってしまいました。
本好きの亭主としては社長をオダテテ、久しぶりに美しい本の展覧会をしたくなりました。
乞うご期待!
●本日のお勧め作品は平まどかと瀧口修造です。

・2016年制作
・総革装
・プラ・ラポルテ製本
・夫婦函
・箔押し:中村美奈子
・表紙の素材・手法:仔牛革に仔牛革のデコール
・表紙ウラと本文側の見返し:手染め紙
・229x178x11mm
・書籍データ:瀧口修造『三夢三話』 1980年 書肆山田 刊
■平まどか Madoka TAIRA
製本家。2000年ベルギー国立ラカンブル高等視覚芸術学校製本・ドリュール科卒業。 2000-2001年 同上校修復科紙資料部門で研修。 現在、池袋コミュニティカレッジ内「ルリユール工房」講師、及び自宅工房での製本教室主宰。
個展「Madoka Taira Exposition –Reliure d’art-」森岡書店
1999年 ベルギーフランス語圏共同体政府コレクション収蔵
2001年 グループ展「Neuf Ecoles des Arts du livre exposent leurs reliures」 ヨーロッパ4カ国巡回
2006年 Double Bush Binding 豪・日・仏巡回展
2009年 Designer Bookbinders(英国) 国際コンペティション展示作品入選

「Ⅴ-07」
1976年11月
水彩、墨、紙
イメージサイズ:34.4x19.7cm
シートサイズ:34.7x19.7cm
画面右下墨:瀧口修造 Nov 1976 と表記あり
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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