ソニア・ドローネーは亭主の大好きな作家ですが、その旦那のロベール・ドローネー(Robert Delaunay、1885年4月12日-1941年10月25日)は昨日4月12日がちょうど生誕140年にあたります。
亭主が毎日新聞社に入社したのは1969年ですが、昼休みには直ぐ近くの東京国立近代美術館によく通いました。
開館して間もない頃で、ロベール・ドローネーの細長い「リズム 螺旋」、靉光の「眼のある風景」、野田英夫の「帰路」の三点はいつ行っても展示されていて常設展の定番でした。
抽象絵画の先駆者の一人として知られるロベール・ドローネーですが、「エッフェル塔」の連作でも有名です。エッフェル塔を最も早い時期に描いた画家の一人であり、近代社会のシンボルとして、30以上の作品を制作しています。
本日ご紹介する挿画本「エッフェル塔へのオマージュ(LES TOURS EIFFEL DE ROBERT DELAUNAY)」は、亭主が足しげくパリに通っていた時代(フランス語はもちろん、英語すら話せないのにフランス人のボスのもとで働いていたなんて我ながら信じられない)に買ったもので、長いあいあいだ倉庫の隅に眠っていたものです。
1974年にJacques Damase Galleryから1150部が発行されたもので、その内1から150までの番号が付された150部には、妻で同じく作家だったソニア・ドローネー(Sonia Delaunay)の署名がなされた、ロベール・ドローネーの銅版画が挿入されています。
●ロベール・ドローネー挿画本
「エッフェル塔へのオマージュ」
"LES TOURS EIFFEL DE ROBERT DELAUNAY"
1974年
Jacques Damase Gallery発行
箱サイズ:37.0×22.0×5.2cm
※銅版画 1枚挿入
イメージサイズ:22.0×15.0cm
シートサイズ:34.2×19.8cm
Ed.150
ソニア・ドローネーのサインあり




Salut monde dont je suis la langue eloquente que sa bouche o Paris tire et tirera toujours aux allemands
(やあ 世界 私はその雄弁な舌だ その口は おお パリよ 舌を出し 今後も出し続けるのだ ドイツ人どもに対して)
Acheve d’imprimer le 22 fevrier 1974 a Bruxelles par l’equipe de Robert de Velder
(ロベール・ド・ヴェルデ チームによってブリュッセルにて1974年2月22日印刷完了)
Ce livre publie a mille cent cinquante exemplaire, a savoir 150 exemplaires numerotes de 1 a 150 sur papier d’Arches 250 grs et 1.000 exemplaire sur papier offset constitue
(この本は1150部出版され、その内1から150までの番号が付された150部に関してはアルシュ250gの紙に、1000部はオフセット紙に印刷された。)
L’edition originale souhaitee par Robert Delaunay depuis 1922 n°34
(1922年よりロベール・ドローネーが望んだオリジナルエディションNo.34)
<奥付>
Au recto, composition de Guillaume Apollinaire.
(表紙 ギヨーム・アポリネールの作品)
Le poeme des ‘‘Fenetres,, de Guillaume Apollinaire a ete depuis edite par la librairie Gallimard (tous droits reserves)
(ギヨーム・アポリネールの詩《窓》はガリマール書店(全著作権所有)によって編集された)
‘‘La tour,, de Blaise Cendrars, fait depuis partie des ‘‘Dix neuf poeme elastiques,, recueillis dans les ‘‘Poesies completes,, introduction de Jacques-Henry Levesque, aux Editions Denoel en 1944.
(ブレーズ・サンドラールの《塔》はジャック=アンリ・レヴェックが序章を手掛けた「全詩集」(1944年、ドノエル出版社)に集録されている《エラスティックな19の詩》の一部である。)
Les 150 exemplaires de luxe cotiendront un retirage d’une gravure sur cuivre de Robert Delaunay contresignee par Sonia Delaunay.
(150部の豪華版にはソニア・ドローネーの副署がなされたロベール・ドローネーの復刻銅版画が挿入されている。)
By Jacques Damase Gallery – Paris – Bruxelles – 1974
(ジャック・ダマス・ギャラリー パリ ブリュッセル 1974)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■ロベール・ドローネー Robert Delaunay(1885年4月12日-1941年10月25日)
ワシリー・カンディンスキー(ロシア出身)、ピエト・モンドリアン(オランダ出身)とともに抽象絵画の先駆者として知られ、フランス人の画家としてはもっとも早い時期に完全な抽象絵画を描いた作家の一人。1904年にサロン・ド・アンデパンダンから画壇デビューし、1909年頃からキュビスムの運動に加わり、後に代表作として知られる〈エッフェル塔〉シリーズ等を制作する。1910年にウクライナ出身の女流画家ソニア・テルクと結婚。エッフェル塔以外にも飛行機のような近代的モチーフを好んで描き、英仏海峡を初めて飛行機で横断したブレリオへの献辞が書き込まれた《ブレリオに捧ぐ》(1914年)等はその一例。1912年頃にはキュビスムを脱したドローネーは、前衛芸術の擁護者であったギヨーム・アポリネールが名付けた「オルフィスム」と呼ばれる絵画様式の代表的な作家となり、ピカソらの「キュビスム」と区別されるようになった。ドローネーの理論はおもに光と色に関連したもので、後にパウル・クレーなど多くの画家に影響を与えている。第一次世界大戦中の数年間を夫婦でスペイン、ポルトガルで過ごしたドローネーは、1921年パリに戻り、アンドレ・ブルトン、トリスタン・ツァラなどシュルレアリスムやダダイスムとも交流を持った。1920年代の作風は〈エッフェル塔〉シリーズの再開に伴い具象に近付いたが、1930年頃から再び抽象に転じ、さまざまな色彩の同心円を組み合わせた〈リズム〉シリーズ等を制作した。1941年、モンペリエで病没、享年56。
■ソニア・ドローネー Sonia Delaunay (1885年11月14日-1979年12月5日)
フランス・パリを主な活動の場とした女性作家。夫であるロベール・ドローネーと同じ1885年に、ロシア帝政末期のウクライナに生まれる。旧名ソニア・テルク(Sonia Terk)。ドイツのカールスルーエ、パリのアカデミー・ド・ラ・パレットで学び、1910年にロベール・ドローネーと結婚。夫婦でお互いに強い影響を与え合いながら制作される抽象的な作品の数々は前衛芸術の擁護者であり、詩人でもあるギヨーム・アポリネールによって「オルフィスム」と名づけられた。夫のロベールが1941年に亡くなった後もソニアの創作意欲は生涯を通じて衰えることはなく、絵画のみならず本の装幀、舞台衣裳、テキスタイルなど、その活動は従来の美術とデザインの枠組みを越え多岐に渡った。彼女は 1964年に存命中にルーヴルで回顧展が開催された初の女性作家であり、1975年にはフランスでも最も権威のあるレジオンドヌール勲章の役員に任命される等、その活動はアートの枠組みに収まらなかった。1979年没、享年94。
ソニア・ドローネー Sonia Delaunay
《作品》
シルクスクリーン
イメージサイズ:40.3×32.0cm
シートサイズ:63.7×48.7cm
Ed.300
サインあり
ソニア・ドローネー Sonia Delaunay
《作品》
リトグラフ
65.0×53.0cm
Ed.75
サインあり
ソニア・ドローネー Sonia Delaunay
アルバム『ソニア・ドローネー』より
6点組の1点(シュワルツ画廊版)
エッチング
プレートサイズ:40.0×36.0cm
Ed.100
サインあり
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『エッフェル塔 100年のメッセージ【建築・ファッション・絵画】』図録
1989年
313ページ 30.0x22.0cm
エッフェル塔100周年記念実行委員会
うめだ阪急百貨店・群馬県立近代美術館・松菱・東京ステーションギャラリー・岩手県民会館で巡回開催
会期:1989年9月~12月
監修:中山公男
制作:ピエール・ボードリ
デザイン:北澤敏彦+ディスハウス
日仏併記
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
出品作家:松本竣介、野田英夫、舟越保武、小野隆生、靉嘔、池田満寿夫、宮脇愛子+マン・レイ、北川民次、ジャン・コクトーほか
●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。
著者・松本莞
『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

亭主が毎日新聞社に入社したのは1969年ですが、昼休みには直ぐ近くの東京国立近代美術館によく通いました。
開館して間もない頃で、ロベール・ドローネーの細長い「リズム 螺旋」、靉光の「眼のある風景」、野田英夫の「帰路」の三点はいつ行っても展示されていて常設展の定番でした。
抽象絵画の先駆者の一人として知られるロベール・ドローネーですが、「エッフェル塔」の連作でも有名です。エッフェル塔を最も早い時期に描いた画家の一人であり、近代社会のシンボルとして、30以上の作品を制作しています。
本日ご紹介する挿画本「エッフェル塔へのオマージュ(LES TOURS EIFFEL DE ROBERT DELAUNAY)」は、亭主が足しげくパリに通っていた時代(フランス語はもちろん、英語すら話せないのにフランス人のボスのもとで働いていたなんて我ながら信じられない)に買ったもので、長いあいあいだ倉庫の隅に眠っていたものです。
1974年にJacques Damase Galleryから1150部が発行されたもので、その内1から150までの番号が付された150部には、妻で同じく作家だったソニア・ドローネー(Sonia Delaunay)の署名がなされた、ロベール・ドローネーの銅版画が挿入されています。

「エッフェル塔へのオマージュ」
"LES TOURS EIFFEL DE ROBERT DELAUNAY"
1974年
Jacques Damase Gallery発行
箱サイズ:37.0×22.0×5.2cm
※銅版画 1枚挿入
イメージサイズ:22.0×15.0cm
シートサイズ:34.2×19.8cm
Ed.150
ソニア・ドローネーのサインあり





(やあ 世界 私はその雄弁な舌だ その口は おお パリよ 舌を出し 今後も出し続けるのだ ドイツ人どもに対して)

(ロベール・ド・ヴェルデ チームによってブリュッセルにて1974年2月22日印刷完了)
Ce livre publie a mille cent cinquante exemplaire, a savoir 150 exemplaires numerotes de 1 a 150 sur papier d’Arches 250 grs et 1.000 exemplaire sur papier offset constitue
(この本は1150部出版され、その内1から150までの番号が付された150部に関してはアルシュ250gの紙に、1000部はオフセット紙に印刷された。)
L’edition originale souhaitee par Robert Delaunay depuis 1922 n°34
(1922年よりロベール・ドローネーが望んだオリジナルエディションNo.34)
<奥付>

(表紙 ギヨーム・アポリネールの作品)
Le poeme des ‘‘Fenetres,, de Guillaume Apollinaire a ete depuis edite par la librairie Gallimard (tous droits reserves)
(ギヨーム・アポリネールの詩《窓》はガリマール書店(全著作権所有)によって編集された)
‘‘La tour,, de Blaise Cendrars, fait depuis partie des ‘‘Dix neuf poeme elastiques,, recueillis dans les ‘‘Poesies completes,, introduction de Jacques-Henry Levesque, aux Editions Denoel en 1944.
(ブレーズ・サンドラールの《塔》はジャック=アンリ・レヴェックが序章を手掛けた「全詩集」(1944年、ドノエル出版社)に集録されている《エラスティックな19の詩》の一部である。)
Les 150 exemplaires de luxe cotiendront un retirage d’une gravure sur cuivre de Robert Delaunay contresignee par Sonia Delaunay.
(150部の豪華版にはソニア・ドローネーの副署がなされたロベール・ドローネーの復刻銅版画が挿入されている。)
By Jacques Damase Gallery – Paris – Bruxelles – 1974
(ジャック・ダマス・ギャラリー パリ ブリュッセル 1974)
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■ロベール・ドローネー Robert Delaunay(1885年4月12日-1941年10月25日)
ワシリー・カンディンスキー(ロシア出身)、ピエト・モンドリアン(オランダ出身)とともに抽象絵画の先駆者として知られ、フランス人の画家としてはもっとも早い時期に完全な抽象絵画を描いた作家の一人。1904年にサロン・ド・アンデパンダンから画壇デビューし、1909年頃からキュビスムの運動に加わり、後に代表作として知られる〈エッフェル塔〉シリーズ等を制作する。1910年にウクライナ出身の女流画家ソニア・テルクと結婚。エッフェル塔以外にも飛行機のような近代的モチーフを好んで描き、英仏海峡を初めて飛行機で横断したブレリオへの献辞が書き込まれた《ブレリオに捧ぐ》(1914年)等はその一例。1912年頃にはキュビスムを脱したドローネーは、前衛芸術の擁護者であったギヨーム・アポリネールが名付けた「オルフィスム」と呼ばれる絵画様式の代表的な作家となり、ピカソらの「キュビスム」と区別されるようになった。ドローネーの理論はおもに光と色に関連したもので、後にパウル・クレーなど多くの画家に影響を与えている。第一次世界大戦中の数年間を夫婦でスペイン、ポルトガルで過ごしたドローネーは、1921年パリに戻り、アンドレ・ブルトン、トリスタン・ツァラなどシュルレアリスムやダダイスムとも交流を持った。1920年代の作風は〈エッフェル塔〉シリーズの再開に伴い具象に近付いたが、1930年頃から再び抽象に転じ、さまざまな色彩の同心円を組み合わせた〈リズム〉シリーズ等を制作した。1941年、モンペリエで病没、享年56。
■ソニア・ドローネー Sonia Delaunay (1885年11月14日-1979年12月5日)
フランス・パリを主な活動の場とした女性作家。夫であるロベール・ドローネーと同じ1885年に、ロシア帝政末期のウクライナに生まれる。旧名ソニア・テルク(Sonia Terk)。ドイツのカールスルーエ、パリのアカデミー・ド・ラ・パレットで学び、1910年にロベール・ドローネーと結婚。夫婦でお互いに強い影響を与え合いながら制作される抽象的な作品の数々は前衛芸術の擁護者であり、詩人でもあるギヨーム・アポリネールによって「オルフィスム」と名づけられた。夫のロベールが1941年に亡くなった後もソニアの創作意欲は生涯を通じて衰えることはなく、絵画のみならず本の装幀、舞台衣裳、テキスタイルなど、その活動は従来の美術とデザインの枠組みを越え多岐に渡った。彼女は 1964年に存命中にルーヴルで回顧展が開催された初の女性作家であり、1975年にはフランスでも最も権威のあるレジオンドヌール勲章の役員に任命される等、その活動はアートの枠組みに収まらなかった。1979年没、享年94。

《作品》
シルクスクリーン
イメージサイズ:40.3×32.0cm
シートサイズ:63.7×48.7cm
Ed.300
サインあり

《作品》
リトグラフ
65.0×53.0cm
Ed.75
サインあり

アルバム『ソニア・ドローネー』より
6点組の1点(シュワルツ画廊版)
エッチング
プレートサイズ:40.0×36.0cm
Ed.100
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。

1989年
313ページ 30.0x22.0cm
エッフェル塔100周年記念実行委員会
うめだ阪急百貨店・群馬県立近代美術館・松菱・東京ステーションギャラリー・岩手県民会館で巡回開催
会期:1989年9月~12月
監修:中山公男
制作:ピエール・ボードリ
デザイン:北澤敏彦+ディスハウス
日仏併記
◆「ポートレイト/松本竣介と現代作家たち」展
2025年4月16日(水)~4月26日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊

●松本莞さんが『父、松本竣介』(みすず書房刊)を刊行されました。ときの忘れものでは莞さんのサインカード付本書を頒布するとともに、年間を通して竣介関連の展示、ギャラリートークを開催してゆく予定です。
『父、松本竣介』の詳細は1月18日ブログをお読みください。
ときの忘れものが今まで開催してきた「松本竣介展」のカタログ5冊も併せてご購読ください。
画家の堀江栞さんが、かたばみ書房の連載エッセイ「不手際のエスキース」第3回で「下塗りの夢」と題して卓抜な竣介論を執筆されています。

『父、松本竣介』
発行:みすず書房
判型:A5変判(200×148mm)・上製
頁数:368頁+カラー口絵16頁
定価:4,400円(税込)+梱包送料650円
●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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