「坐す」(おわす)は多義 彼ら「お地蔵さま」が祠も堂もなしで野天に坐すのを好む理由はわからぬとの説 あの「雨ニモマケズ··········」は手帳にエンピツの文字で坐すとのこと 坐すものは坐すべきところに坐す 自分はどこに?
2020年4月10日
七曲坂下 継ぎはぎの光背 折れた錫杖 真っぷたつの身体 ミロク出現までは と人々を救うために四辻に立つ いまこそ地蔵
2021年11月25日
砂町銀座そばの「オレンジ地蔵」 オレンジ?おにぎり?とか錫杖無しで螺髪があるからお釈迦様か阿弥陀様でしょとかつっこむのを忘れさせられた愛嬌
2022年1月23日
池上本門寺 「此経難持坂」(96段の急階段)を登って辿り着く山門(仁王門)裏の隅っこ ひっそり佇む小僧一人 なんだかほっとする
2022年2月4日
雪谷の長慶寺そば 夕暮れ前に人知れず微笑む 野仏 in TOKYO
2022年3月9日
池上の養源寺 山門をくぐった目の前に佇む彼は身の丈30cmほど 見入って棒立ちの自分はヤキがまわってる(とあとで自覚)
2022年3月16日
目黒 行人坂の古刹大圓寺 山門の裏の柱前に鎮座 あざといナアとか若い石工の手に騙されちゃナアとか思うけれど見入る
2022年5月31日
真夏日の暗渠と道路と緑道の際 存在しててすみませんねとしかしちゃっかり存在 烏山神社をしっかと睨んでる庚申(風化して判別不能なので推定) 石塊二個になんでだか足が止まる
2022年5月16日
浄真寺(九品仏) 総門をくぐった右に佇む十数の地蔵 その内たくさんのお顔が損傷~崩壊 巨樹が覆う湿潤で風化? 膨大な参詣者救済故の疲労? 仏尊界も格差社会で万骨が一将(御本尊)に功成らしめた結果?
2022年5月25日
上高井戸 京王線と甲州街道に挟まれた建物の間に200m位 幅たった3mほどの遊歩道(烏山川の暗渠?) イチョウの根元に石仏でも庚申でもなく農夫のジジババ 蹲って背を丸めて挨拶
2022年9月3日
浜松町駅そば 港町架道橋脇=三大貧民窟旧芝新網町南東角に坐す延命地蔵尊 来る度に補修セメント拡大(頻繁過ぎる電車の振動で時々倒れる?) 傾き方も違うし苔もひこばえも増えている 自問 延命したい?
2022年10月20日
秋津子育地蔵尊 中野区本町住宅街のコンクリブロックに囲われた深閑空間 台座に乗ったほんとにちっちゃな地蔵像が四基 一番左の地蔵像はもうじき溶融?を予感させる 戦災の火を浴びたそうだ
2023年4月11日
『明治一代女』のお梅さんを捜して徘徊した西麻布の長谷寺(ちょうこくじ) 妙に強く惹かれた「彼」 この「彼」もまた錫杖も珠も無しで合掌 が 雑草を友として俯き四ツ辻に立つ我がFBカバー写真のちっちゃな「彼」が好き
2023年9月25日
六本木にやっと充ちる秋風 近くの天祖神社は祭礼 バブルの象徴トゥーリアここにありき 犠牲者を悼んで佇む孤影 背後のクラブ&ホテル複合豪華ビルの名はTOWER OF VABEL TOKYO ・・・東京バベルの塔
2024年9月17日
谷中1丁目の寺院密集街只中 曇天 石材店駐車場のスミのスミ “新製品”納品時に下取りした「もの」? 商品サンプル? どっちであれ宿るべきものが宿っていて谷中の路傍に立つ野仏 そう感じさせられてしまう
2024年9月19日
谷中1丁目 瑞松院門前右 塀と道路の間においてあるだけ 初遭遇はコロナ禍前 どこかから持って来た石像をここに置いた感 3(4?)年ぶりの再会 移動も撤去もされずに拝まれている 名無しの誰かたちの無言の力
2024年10月2日
元麻布二丁目本光寺駐車場門扉脇 小さくひっそり 左手に玉 だが錫杖なしなので地蔵じゃない? だれ? 信仰心ゼロなのに何故か惹かれる佇まい 指を下にしたてのひらが畏れなくてもいいよと言っているから?
2025年3月21日
砂町銀座をほんの10数m外れた路地の突当り 新築住宅の隅 端正極まるお地蔵様 プラスチックのお賽銭箱はおそらくクッキーの受皿 大部分が10円玉の硬貨てんこ盛りの謎 あふれ出たのを戻した形跡もあり
・橋本凌一の連載フォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年8月6日です。どうぞお楽しみに。
※この連載は橋本さんのFacebook投稿により構成されています。「徘徊日=投稿日」ではないため、日付と文中の曜日が異なる場合がございますこと、あらかじめご了承ください。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info[at]tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は原則として休廊ですが、企画によっては開廊、営業しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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