2004年2月〜の展覧会

弊廊「ときの忘れもの」の2004年2月〜の企画展・常設展のご案内を申し上げます。 

●美術書大セール!  
2004年2月6日(金)・7日(土)の2日間のみ 12:00〜19:00
戦後日本を代表する大コレクターだった方の蔵書セールの4回目です。前回までは洋書、雑誌などがかなりの比重を占めていましたが、今回は単行本、カタログが中心です。ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、グロス、ホックニー、クレ−、マチス、レジェ、フルクサス、西脇順三郎、靉嘔、難波田龍起、瑛九、恩地孝四郎、北川民次、オノサト・トシノブ、長谷川潔、小野忠重、小泉清、など和洋の各種レゾネ、オリジナル版画入りの画集、図録、雑誌等、掘り出し物多数。さらに前回までは外していた文学書、詩集など「美術以外の本」も出品します。

第110回企画展[ 草間彌生展 ]
会場………ときの忘れもの 港区南青山3-3-3 青山Cube 1階 Tel:03-3470-2631 
会期………2004年2月13日(金)〜2月28日(土) 12:00〜19:00 日曜・月曜・ 祝日は休廊
概要………ここ数年世界の至るところで草間彌生の展覧会が開かれていますが、入口には老若男女が長蛇の列をつくっていると言われています。性別、年令を超えて人々が草間の作品に惹かれるのは何が理由なのでしょうか。幼少のころから目の前に広がる水玉と網模様の世界に対峙し、自己を凌駕するように広がる精神の病みとひたすら闘い続けている草間。ボクサーの血まみれのテーピングやグローブのようなものとして、それはぎりぎり生を勝ち取った証として、作品が次々と生み出されていく。生きるために闘い、生きるために作り続けなければならない一人の人間の深い孤独がそこにありながら、毒々しいまでに強烈な色彩の水玉や網模様で描かれた作品には、強く、雄々しい生命の猛りが感じられる。草間の病歴を知らないで観る者には、勝利した草間の叫びが生命への賛歌として受け止められるのかもしれません。満身創痍の体を水玉のドレスに隠して闘いの場に立ち続ける草間彌生の姿に、私たちは叱咤され勇気を与えられ続けるのです。
2004年も次々と展覧会、野外彫刻の仕事が待つ草間の新作、油彩と版画を発表いたします。
■草間彌生(くさま やよい)………1929年長野県生まれ。10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などの幻想的な絵画を制作。1957年渡米。ニューヨークを拠点に、巨大な平面作品、ソフトスカルプチャー、鏡や電飾を使った環境彫刻を発表。1960年代後半には多数のハプニング、映画制作、新聞の発行なども行う。活動の場をヨーロッパにも広げる。1973年帰国。小説、詩集も多数発表。80年代後半より、ヨーロッパ、アメリカの美術館で個展開催。1993年第45回ベネチア・ビエンナーレに参加。
1994年より野外彫刻を手がける。1996年ニューヨークのギャラリーで個展を開き、国際美術評論家連盟の賞を受ける。1998年より、ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアム、ニューヨーク近代美術館、ウォーカーアートセンター、東京都現代美術館を大回顧展が巡回。2000年、第50回芸術選奨文部大臣賞、外務大臣表彰を受賞。同年、フランス、コンソルシウムで始まった個展は、ヨーロッパ、アジアを巡回。2001年朝日賞受賞。2003年フランス芸術文化勲章オフィシェ受勲。2004年はドイツ、ポーランド・ワルシャワ、東京で個展を開催予定。
「水玉のオブセッション  DOTS-OBSESSION」
2003年 カンヴァスにアクリル
53×46cm(10号)
「DOTS OBSESSION」
2001年 カンヴァスにアクリル
90.7×72.8cm(30号)
「夜の花」
2003年 シルクスクリーン 
28.4×66.2cm  限定120部

●美術書大セール!最終回  
2004年3月19日(金)・20日(土、祝日)の2日間のみ開催(12:00〜19:00 )。
戦後日本を代表する大コレクターだった方の蔵書セールの遂に最終回です。
残り物には福がある、と言いますから、掘り出し物をぜひ見つけて下さい。書籍、雑誌の他に1940〜50年代の「美術団体連合展」「アンデパンダン展」「日本国際美術展」など貴重な図録資料類、また加納光於、北川民次、靉嘔、藤田嗣治、瑛九、難波田龍起、木村茂、ピカソ、カンディンスキー、レジェ、マチスなどのオリジナル版画が挿入された画集類も廉価にて出品します。
ご来場をお待ちしています。

第111回企画展[ 根岸文子展 ]
会期………2004年3月26日(金)〜4月10日(土) 12:00〜19:00
  日曜・月曜・ 祝日は休廊
初日3月26日(金)午後5時よりスペインから帰国する作家を囲んでオープニングを開きます。 


概要…………美術大学を卒業した1993年にスペインに渡り、スペイン美術大学の版画工房で学んだあと、現在はマドリッドに居を構えて制作を続ける根岸文子の新作展を開催いたします。前2回の個展は版画が中心でしたが、今回は初めて油彩とドローイングの新作を発表します。
 根岸が描く空間は、だ円や渦巻といったかたち、花そして触角をもった新たな植物が、重力という制約から逸脱して、そこにありたいという場所にあるがままに、確固たるもとのして存在しているといった印象を受けます。
個展に向けて作家からメッセージが届きました。
「今まで、〈浮雲遊子意〉の様な心境を、作品制作の中で語ってきたつもりです。
ところが、ここ1、2年、 謎や夢、非現実、思い出せない記憶の様なものに興味を持っています。
鏡の向こうのもう一つの世界というか、存在するのに、気がつかない向こう側の様なものを、イメージに作品に取り組んでいます。
今思うと、地中海文化に接する事が、極東文化圏の私には、もう一つの向こう側を探すきっかけ になったようなきがします。                          2004年2月20日根岸文子」

 日本とスペインというふたつの極をもちながら、自分でなければならないことは何かを問い、制作し続ける根岸文子の油彩、ドローイング約30点を出品いたします。

●根岸文子(ねぎし ふみこ)………1970年東京生まれ。1993年女子美術大学絵画科版画コース卒業。同年スペインに渡る。スペイン美術大学の版画工房で学ぶ。スペイン国内版画展/新人賞、モハカ絵画奨学コース(スペイン)等を受ける。セントロ・デ・ホーベン(マドリッド)、ギャラリー&エディション・ギンコ(マドリッド)等で個展を開く。1999年9月、2001年9月ときの忘れもので個展を開催。2002年エガン画廊(マドリッド)で個展、またマドリッド国際アートフェアに同画廊より出展、GENERASION2002グループ展に参加(カッハマドリッド)。現在、スペインのマドリッドに在住。

根岸文子
「PLANTA PeligROSA 2」
2001年 油彩
40×24.3cm
根岸文子
「危険な花・5 」
油彩 40×24.3cm
根岸文子
「OTRO LADO P 1」
2003年 ドローイング
25.1×17.5cm


オープニング風景


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