マン・レイと宮脇愛子展
会期=2010年9月28日[火]―10月16日[土] 12:00-19:00 ※会期中無休

   

現在、国立新美術館で大規模な回顧展が開催されているマン・レイ、彼ともっとも親交の深かった日本人が彫刻家宮脇愛子であることは、今回の回顧展で「宮脇愛子」のコーナーが設けられていることでも明らかです。1959年、パリのフェルー通りにあるマン・レイとジュリエットが暮らすアトリエの小さなドアを宮脇が開けたときから彼らの交流は始まりました。そのアトリエにはダダイスト・マン・レイの作品がいたるところにあり、そこに毎日のように通ううち、宮脇は自然とマン・レイの薫陶を受けることになります。
「マン・レイ自身は、ウィットに富んだ少年が、ただ大きくなったといった感じで、どこまでも偉大な芸術家風ではありませんでした。日常的な何でもない毎日の生活が、すべて創造であるような、そんな毎日を送っていた人でした。」(宮脇愛子著『はじめもなく終わりもない−ある彫刻家の軌跡』〈岩波書店刊〉より)
62年、マン・レイは、唐突に宮脇にポートレートの撮影を申し出ます。それはもしかすると彼の最後のポートレート撮影であったかもしれません。今回の展示では、その友情の証とも言えるマン・レイ撮影のポートレートのヴィンテージプリント2点をはじめ、宮脇のために制作したオブジェ作品を含むマン・レイコレクションと、当時の宮脇愛子の平面作品をご覧いただきます。他にも、磯崎新撮影によるマン・レイのアトリエでの貴重な写真や手紙、ジュリエット夫人からの書簡なども展示し、その交流の軌跡をたどります。
なお、この展覧会のために、宮脇愛子のオリジナル・シルクスクリーン入り小冊子を限定発行します。

◆オリジナルシルクスクリーン入り小冊子『オマージュ・マン・レイ』
マン・レイ、宮脇愛子、磯崎新
発行日:2010年9月28日
発行:ときの忘れもの
サイズ:18.0x14.5cm、蛇腹、表裏各15ページ
挿入作品:宮脇愛子シルクスクリーンを13点挿入(予定)
図版:マン・レイ作品、宮脇愛子作品、他

●10月1日(金)17時〜18時半に、宮脇愛子さんを囲んでレセプションを開催します。ぜひお出かけください。

●10月16日(土)17時〜18時に、巖谷國士さんを講師にお迎えしてギャラリートークを開催します

※要予約(参加費1,000円/1ドリンク付/参加ご希望の方は、、電話またはメールにてお申し込み下さい)
Tel.03-3470-2631/Mail.info@tokinowasuremono.com
※定員に達したため、ギャラリートークの予約受付は締切りました。

●10月16日(土)ギャラリートーク終了後の18時からクロージングパーティーを開催します
どなたでもご参加いただけますが、17時〜18時の間はギャラリートーク(予約制)のため予約者以外はご入場できませんので、18時以降にご来場下さいますよう、よろしくお願いいたします。


マン・レイ Man Ray
1890年アメリカ生まれ、本名エマニュエル・ラドニツキー。1915年頃からマン・レイと名乗る。建築を学ぶが、1908年頃からアルフレッド・スティーグリッツの291画廊などに通うようになり、絵画の道を選んで1912年フェレール・センターで絵を学ぶ。1915年初個展を開催するが不評に終わる。同年、マルセル・デュシャンと知り合う。この頃から自分の作品を記録するためカメラで撮影する。1920年デュシャンらと前衛芸術の美術館「ソシエテ・アノニム」を創設。翌年、デュシャンと雑誌『ニューヨーク・ダダ』を発行(1号で廃刊)。同年、パリに移住しダダイストたちと交流を始める。画家の作品や作家のポートレートを撮影し、写真家として知られる。偶然見つけた技法にトリスタン・ツァラがレイヨグラフと命名(マン・レイ自身が命名したという説もあり)。キキと知り合い同棲を始める。1922年頃からファッション写真や肖像写真などを撮る。1924年以降ブルトンらのシュルレアリスム運動に協力するが、ダダイストとの交流も継続。1926年初の映像作品「エマク・バキア」発表。1929年リー・ミラーが暗室助手となり、ソラリゼーションを発見する。1940年ドイツ軍のパリ侵攻に伴い、単身アメリカに戻る。ニューヨークからハリウッドに行き、ジュリエットと知り合う。1941年写真を撮らないと宣言、パリに残してきた油彩の複製を制作。1951年再びパリに移る。この頃からピエール・ガスマンがプリンターとして手伝う。1961年ヴェネツィア・ビエンナーレで金賞を受賞。1966年アメリカで初の大回顧展がロサンゼルス・カウンティ美術館で開かれる。1976年ヴェネツィア・ビエンナーレで回顧展開催。フランス政府より芸術功労章を授与される。同年永逝(享年86)。

宮脇愛子 Aiko MIYAWAKI
1929年東京生まれ。1952年日本女子大学文学部史学科卒業。阿部展也、斎藤義重に師事。1957-66年欧米各地に滞在し、制作活動を行なう。真鍮、石、ガラスを用いた立体作品のほか油彩や墨絵を制作。代表的な彫刻作品《うつろひ》は、モンジュイック・オリンピック広場(バルセロナ)、ラ・デファンス(パリ)、奈義町現代美術館など世界各地にコレクションされている。1998年神奈川県立近代美術館で回顧展、国内外で個展を多数開催。宮脇のシルクスクリーンや銅版画からは繊細で静かな華やかさが漂う。マン・レイが撮影したモナリザのポーズの若き日の宮脇の肖像写真は、夫君の磯崎新のデザインでシルクスクリーンのポスターにもなった。しなやかな金属ワイヤーによる〈うつろい〉がもたらす軽やかで爽やかな空間のゆらぎは、宮脇の独創で、 自然と人間の感性が共鳴する新たな現代美術の可能性を人々に訴えかけている。


展示風景

10月1日(金) レセプション

10月13日(水) 磯崎新さん、カイ・ファルクマンさん、細江英公さん来廊

10月15日(金) 俳優ウィレム・デフォーさん来廊

10月16日(土) ギャラリートーク



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