第354回 幻想の建築 ピラネージ展

会期=2023年8月4日(金)〜8月12日(土)
11:00-19:00 ※日・月・祝休


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18世紀イタリアの建築家・版画家ジャン=バティスタ・ピラネージ(1720-1778)の《牢獄》(1761年ピラネージの原作、1961年Bracons-Duplessisによる復刻)を展示します。
今では版画家として記憶されているジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージは、実現した建築は極く僅かでしたがローマの建築家でした。しかし、実際の建築よりもピラネージが描いた写実的で幻想的な版画(エッチング)はローマを訪れた旅行者によってヨーロッパ中に広まり、18世紀の人々の古代ローマやギリシャに対する見方を根底から覆してしまいました。牢獄幻想や廃墟となった古代都市を描くピラネージの果てしない想像力は実際の建築としては実現せず、紙の上に豊かな実りをもたらしました。特に「牢獄」シリーズの幻想的な世界は、後世の文学者などに大きな影響を与えた傑作です。

■ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ Giovanni Battista Piranesi
1720年ヴェネツィア共和国モリャーノに生まれる。建築家、考古学者、版画家。父と叔父から建築、特に透視図法と舞台装飾を学ぶ。1740年ローマに行きエッチング技法を学ぶ。1743年作品集《建築と透視図法第一部》を出版。1745年以降はローマに定住し、壮大な建築計画を銅版画に刻んだ。建築家として実現した建物は『サンタ・マリア・デル・プリオラ−ト聖堂』など数少ないが、1000点もの銅版画を残した。1778年没。版画代表作は《グロテスキ》《ローマの景観》《牢獄》《古代ローマ》《ローマの遺跡》等。


映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也


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