ギャラリーお出かけ日記

2007年
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ギャラリーお出かけ日記 7月20日〜〜ARTinDOJIMA/OSAKA2007

 アート・フェア初日、朝8時に宿泊先のロビーで雄高さんと集合。二人とも眠そうな顔。しかし作業の場が綺麗なホテルということもあり、宿泊先のビジネスホテルで休むより寛げられるので堂島ホテルに向かう。
 よそのギャラリーの展示を見てみようと、ギャラリー寺下さんとギャラリー坂巻さんの部屋を訪ねた。アートがホテルの部屋に馴染んでいて、すごくシンプル。雄高さんと肩を落として部屋に戻り、自分たちの展示を見た。そもそもときの忘れものは趣味が統一していないので寺下さんや坂巻さんのようにシンプルにいくわけがない。ということで、気を取り直して作品同士が喧嘩しないように、強い印象のものははずして飾り過ぎないように心がけた。なんとか、オープン時刻の12時までに展示終了。
さっそくお客様が入って来た。クローズまでほぼ途切れることなく入れ代わり立ち代わりという感じで、資料を持ち帰る方も多く、熱心だなという印象を受けた。他のブースを回ると、ホテルの部屋のバスルームの様子が異なり、それぞれ工夫した展示をしていた。みなさん作品の趣味の統一、現代アートという印象を受ける。うちだけみたい、クラッシック・・・。ほかでは版画があまりないな・・・。しかしお客様から見応えがあるという声も聞こえてきて嬉しかった。そりゃそうだ、21作家およそ70点ですもの。搬入と展示のときは作品の多さにブーブー言っていたけれども、作品をいっぱい持ってきて、そして見せられて良かったのかな・・・
 夕方には、社長の令子さんが到着、レセプションで挨拶した(下の写真)。
 初めてのアート・フェアの参加は、ときの忘れものを25のギャラリーと比べられるいい機会でもあり、ときの忘れものの個性を理解したような気がする。クラッシックだな〜版画大切にしているな〜と。ときの忘れものはこれからもクラッシックでいくのだろう。展示や搬入の勉強にもなったが、下見しておいた方が良かったとか、額装のことをちょっと考え直そうとか、コマンドフックは粘着力が強かったとか、わかったことが多かった。なによりも楽しかったので、次も是非。
(おだちれいこ)
令子挨拶



ギャラリーお出かけ日記 7月19日〜ARTinDOJIMA/OSAKA2007

 7月20日〜22日の3日間、大阪の堂島ホテルでアート・フェア「ARTinDOJIMA/OSAKA2007」が開催され、ときの忘れものも初めて参加した。
 今日は「ARTinDOJIMA」の搬入日。搬入と展示は雄高さんと私に任され、一足先に新幹線で大阪へ向かった。15時前に堂島ホテルに到着し、ときの忘れものブースの堂島グランド(51u)917号室に案内された。事前にもらっていた図面だけでは想像できなかったほどホテル全体が綺麗で、お風呂が洒落ていて、居心地の良さそうな部屋だった。
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 色んな扉を開いたりしてはしゃいでいると、運送屋さんから到着したと連絡が入った。「順調ですね〜」と言いながら搬入口に向かい、ギャラリー寺下さんとギャラリー坂巻さんと合流。トラックの車体が大き過ぎて搬入口前に駐車できないと言われ、仕方がないので搬入口から少し離れた道路で荷物を降ろすことに。ときの忘れものの荷物の多さに顔が引きつった。他のギャラリーの4倍の量だ。作品はおよそ70点、ベッドに立体の作品を展示するため特注で作った板やカラーボックス8つ・・・荷物が多いはず。さっきまでの余裕な表情も消え、寺下さんと坂巻さんとホテルマンを巻き添えにして汗だくでエレベーターを往復した。エネルギーを一気に消費したのかお腹がすいた。モチベーションを上げるために甘味を買いに行き、ソファでくつろぎ、映画を見始めるとみるみるうちにヤル気が失せた。ようやくダンボールに手をつけはじめ、一通り開梱、床に並べて展示を考えた。壁には釘を打ってはいけないためコマンドフックで壁に掛けなければならないのだが、その粘着力をイマイチ信じきれない。煮詰まっていたときに、寺下さんと坂巻さんが夕食を誘ってきてくれ、近くのご飯屋さんに入った。晩酌をしていっぱい喋ってお腹も満たされ、ご機嫌になった。堂島ホテルに戻り、荷物が散乱する部屋を見た瞬間気が滅入りそうになったが、「スパイダーマン2」を流し、雄高さんとあれこれ意見を出しあって機敏に動き始めた。全部飾ろうとしなくていいとアドバイスをもらっていたのだが、極力見せたいし、だけどうごちゃごちゃならないようにしたい・・・と、荷物置場にするつもりでいたお洒落なバスルームには写真を展示することにした。夢中になって、半ばムキになってやっていたら午前1時になっていた。(おだちれいこ)

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画廊亭主敬白/上記は先発隊で大阪に行ったスタッフの日記です。
私、例年は母校高崎高校マンドリン・オーケストラ(TMO)の定期演奏会が終わると「ああ、夏も終わりだ」とほっとするのですが、今年は開催日が早まったのと、ギャラリーの催事をめちゃたくさん入れてしまったので、イベントがまだまだ続きます。

演奏会疲れもあり、ARTinDOJIMA/OSAKA2007の準備は、若いスタッフに任せきりで、私は二日目に大阪に入りました。
おしゃれなシティホテルの26室を会場にアートフェアを開催するという試みは、予想以上の大成功を収めたようです。
私たちは初めてなので比較はできませんが、他の画廊さんたちの感想では、以前と比べても、入場者も多く売上げも多かったようです。

私はきわめつきの雨男(どしゃぶり男)で、年賀状はおろか、宝くじ、その他抽選やらクジというものに当たったためしはない。
そんな、籤運最悪男が、なぜか今回は一生の運を使い果たしたがごとく天気にも、クジにも恵まれ、思いもかけない売り上げも達成することができました。
先ず、会場ですが、事務局が借り切った8階、9階の26室はそれぞれタイプも内装も什器備品、家具も異なります。
それを抽選で割りふったのですが、なんと一番広い、9階の角部屋(堂島グランドとかいう部屋)を当ててしまった。
事務局が阿弥陀クジで決めたそうですが、広さは51平米もある。他のスタンダードダブルが23平米ですから、倍以上ですね。 その上、受付が9階だったものですから、エレベーターでどっと降りた客がそのまま、私たちの部屋になだれ込むことに。
まるで芋を洗うがごときの混雑ぶりでした。
その後、お客様は廊下の左右の部屋に分かれて入っていくのですが、9階13室を見るだけで疲れてしまい、8階に降りずにそのまま帰ってしまったお客様もいるようです。
ときの忘れものの部屋にはほぼ入場者の全員が訪れてくださったわけで、阿弥陀を引いてくださった事務局の方に感謝するばかりです。

私どもの出品作家は、現代美術といっても思いっきりクラッシックで(先発で乗り込んだ若いスタッフは他の画廊との落差にショックを受けたようです)、ある意味、全26画廊の中では異色のラインナップだったようですが、逆にそれが良かったのかも知れません。
草間彌生、マン・レイ、イリナ・イオネスコ、瑛九、小野隆生、などたくさんお買い上げいただきました。
たくさんの作品を前に途方に暮れたであろう若いスタッフ二人の奮闘には心から拍手!!

いま芳名簿をチェックしていますが、ご案内状をお送りした皆さんがたくさんいらっしゃってくださっているので、嬉しくなりました。
ご来場を感謝します。
それにしても大阪の女性はおしゃれで、綺麗な方ばっかりで驚きました。
懇親会で、アートフェアを最初に開いたのは大阪だ、大阪こそ新し物好きの先進地だという挨拶が事務局のメンバーさんからなされましたが、ほんとにそうですね。
大阪が好きになりました。来年もどうぞよろしく。
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ギャラリーお出かけ日記 5月8日―10日ソウル

 社長と二人で、韓国ソウルへ2泊3日の出張に行ってきた。目的は、KIAF(Korea International Art Fair)の視察。
 金浦空港に到着し、ホテルのチェックインを済ませ、KIAFの会場に移動。知っている韓国語は「アンニョンハセヨ」と「カムサンミダ」だけ。ハングル文字もさっぱりわからないが、日本語か英語のどちらかが通じるようだし、『地球の歩き方』が頼りになり迷わず会場に着いた。
 KIAFは江南地区にあるCOEX1階で開催されている。会場はかなり広かった。ひとつひとつのハコや通路もゆとりがあり、コーヒーショップやベンチも設けられている。ドイツやスペインなど各国の画廊が出店しており、日本の画廊も多かった。大きくて存在感のある派手な現代美術品がごろごろとしている。スパンコールやラインストーン、釘を使用した作品も多く見られた。18時になり、ケータリングが用意され、ステージではオーケストラが生演奏してくれるという豪華なオープニングレセプションが始まった。
 夕食は、日本から出展している画廊さんたちに呼ばれ一緒に焼肉を食べに行くことに。念願の韓国での焼肉。サンチュに巻いて食べるお肉は美味し〜。

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2日目(9日)
 午後にもう一度KIAFを訪ねてじっくり見て回り、その後郊外にある国立現代美術館に向かった。美術館は動物園や遊園地と同じ敷地内にあるらしく、遊園地の乗り物のようなバスに乗り換えて行く。外の風が気持ちよくてほっこり気分になった。美術館には、KIAFに出展されている作品とは一転して、モノクロで地味な作品が多い。ナム・ジュン・パイクなど有名な作品もあるのだが、この暗い空間のせいかなんだかパッとしない。美術館を出ると、雨が降ってきて最悪。
 夜は「NANTA(乱打)」という公演を観に行くことにしていたので、ソウル市内に戻り、ビビンバ屋さんに入った。本場の高麗人参を・・・と思い“高麗人参ビビンバ”を注文。それが意外に甘くてヘルシーで気に入った。
 「NANTA」はコックに扮する4人の役者が台所用品を楽器のように叩いてセッションし、“猛烈野菜カット”というパワフルなパフォーマンスを見せてくれた。セリフはほとんどないが、コミカルな演技に引き込まれていく。突然、私は役者さんに舞台へ連れてかれ、餃子を作るはめに・・・。訳わかんなかったが、いい思い出。

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3日目(10日)
 ようやくこの都市に慣れてきたのに、今日が最終日。帰る前にソウル市立美術館に寄った。野外では動物のカラフルなオブジェが展示されている「Art Safari」展をやっており、遠足中の園児に交じって見学。館内では、「新所蔵作品2006」展が催されており、KIAFにもあった作品も多く見られた。建物は古いらしいが中は改装されたらしく、明るくて、気持ちいい空間だった。
韓国最後のランチは、イタメシ屋さんに入った。たまたま隣の敷地で韓国楽器の演奏会の練習をやっていたので、少し優雅な食事となった。
 今回の海外出張はアート観賞盛り沢山だったので、行く前より確実にアートにハマっている自分に気づく。
          (おだちれいこ)

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ギャラリーお出かけ日記 4月18日

四谷アート・ステュディウムで「I Love My Robots」公演報告会が行なわれた。

2、3回寝転がれるほどの用紙の上でトリシャ・ブラウンさんがドローイングを描く映像を3本見せてもらった。木炭やペンを右手、左手、足の指に持ち替え、手のひらも足の裏も真っ黒になりながら無我夢中になっている姿。その小さい舞台で、寝転び、転がり、跳び、まさにダンスしている。描くことに意識を持っていっているのか、それともダンスすることになのか・・・。その平面化されたドローイングはダンスの跡であり、以前岡崎乾二郎氏が「楽譜」と呼んでいたことを改めて理解し、トリシャさんの魅力にもっともっと引き込まれた。

また、今年1月に、トリシャ・ブラウン×岡崎乾二郎・初コラボレーション作品「I Love My Robots」が、アメリカ合衆国ニュージャージー州モンクレア大学アレクサンダー・キャッサー劇場で世界初演(3回公演)、そしてカリフォルニア州UCバークレー・ゼラーバック・ホールで巡回公演が行なわれ、その公演の様子が公開された。

「I Love My Robots」(2007) トリシャ・ブラウン+、岡崎乾二郎
コレオグラフィー:トリシャ・ブラウン
舞台美術(ロボット制作+コレオグラフィー):岡崎乾二郎
衣装:エリザベス・キャノン、岡崎乾二郎(コンセプト 原画)
照明:ジェニファー・ティップトン
音楽:ローリー・アンダーソン
ロボット/システム・エンジニア:福井裕司、中村泰之
マネージメント:中井悠

トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーのダンサーとトリシャ・ブラウンさんが、2台のロボット「DekNobo」(体長280cm、Bluetoothによって操作)とダンスをする。ロボットと言っても、T字というとてもシンプルな形なのだが、動作がとっても愛くるしい。トリシャさんと「DekNobo」の信頼関係や相互に尊重し合っているのが伝わってくる。言葉では伝えきれない面白さなので、是非見て欲しいと思う。
ときの忘れもので刊行した『トリシャ・ブラウン――思考というモーション Trisha Brown――Motion of Thought』もぜひご購読ください。
    (おだちれいこ)


ギャラリーお出かけ日記 4月3日

銀座での打合せ帰り、行きたいと思っていた銀座のメゾンエルメス8階フォーラムで催されている「メゾン四畳半/藤森照信」に行った。
メゾンの中に、メゾン四畳半。そこには、3軒の四畳半のメゾン(家)が軒を連ねており、ただいま建設中。メゾンの中に入ることも可能で、来館者も工事に参加できるそうです。(私も漆喰塗りのお手伝いをしてきました。)
エルメスのスタッフ5〜6名が3つのチームを組み、藤森照信氏指導のもと、アイデアを出し合ったそうです。4つの要素(寝る場である、人を招く場である、火がある、文化的要素)をクリアしていることが条件、つまり一応の生活ができなければならない。四畳半の空間、狭っ苦しいと思っていた。しかし、階段や掘り炬燵で高さに変化を持たせているからだろうか、圧迫感はない。ここで昼寝したいな〜友達呼んで鍋したいな〜と思わせる。四畳半の面白さがここにある。会期後、メゾン四畳半はどうするかまだ決っていないとか。                                    (おだちれいこ)

メゾン制作展示期間2007年3月17日(土)〜4月30日(日)
完成形メゾン展示期間2007年5月1日(火)〜6月10日(日)

ギャラリーお出かけ日記 3月22日

今日は「口紅のとき 上田義彦×角田光代 +時代の口紅たち」展オープニングレセプションのため、17時に銀座のHOUSE OF SHISEIDOに着いた。1階には上田義彦さんの撮りおろしの作品と角田光代さんの短編小説が展示されている。
写真に写る、口紅を塗っている幼い姿を見ると、初めて買った化粧品のことを思い出す。友達とお揃いで買いに行った薄いピンクのマニキュア・・・誰に教わるでもなく化粧を覚えていく。その腕はいつしか上達している。高校卒業と同時に、資生堂から化粧品が入った金色のカンカンが贈られた。化粧をするにはまだ早いと注意していた先生たちによって配られる、女子全員お揃いの化粧品。このカンカンを受け取った日が、化粧解禁日となるのだ。

2階には、戦前から今日に至るまでの資生堂の製品・口紅と、“装う(化粧)”“彩る(口紅)”にまつわる文学が抜粋されて紹介されている。また、江戸時代に使用されていた紅板なども並べられ、化粧の文化が一度に読み取れる。

女性も男性も、ひとつくらいは化粧のエピソードがあるはず。自分の、そして母や彼女の化粧にまつわるエピソードを思い起こしながら見て欲しいと思います。
会期は6月10日までです。

ギャラリー日記 3月17日

正午過ぎ、ヨシダ・ヨシエ先生が来廊。昨晩は帰宅せず、新宿のホテルに泊まっていたという。ギャラリートークの時間まで6時間もある。持参していた小瓶のアルコールを飲み干し、時間つぶしにお店に飲みに行ったようだ。
16時頃になり、サプライズが用意されていることを細江英公先生から知らされた。
18時になり、サラサラ〜という音とともに、階段の上から白い衣裳を着た小林嵯峨さんが舞踏を見せてくれた。なんと言い表したら伝わるのか難しいのだが、足の裏と階段が密着し、階段をゆっくり擦る(?)ような踊りだった。
小林さんの踊りは会場に緊張感をもたらし、人々の唾を呑む音さえも聞こえてきそうなくらい、重く、どこまでも深いものだった。
終った後、小林さんから階段で踊ったのは初めてだったと聞いた。

予期せぬ豪華な前座に来場された方々は大喜び。その後始まった細江先生とヨシダ先生のトークも熱のこもったものだった。
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小林嵯峨ソロ公演 DOUBLE AURA 『半分夢』
2007年6月1日(金)、2日(土)19:30開演
6月3日(日)17:00開演
会場:シアターバビロンの流れのほとりにて
料金:前売・予約2,500円 当日3,000円
予約・問合せ:“NOSURI”Tel/Fax03-3906-4117
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