戸張弧雁 Kogan TOBARI
1882年東京生まれ。1901年20歳で渡米、苦学しつつアート・スチューデンツ・リーグ他で絵画を学ぶ。荻原守衛(碌山)と知り合うが、1906年病のため帰国。挿絵で活躍するが、10年碌山の死を看取り、太平洋画会研究所彫塑部に入る。碌山の後継を志し彫刻家となる。17年日本美術院彫刻部同人となる。19年山本鼎らと創作版画協会を創立。《千住大橋の雨》《タンスの前》《玉乗り》などの傑作を遺すが、27年永逝(享年46)。
30年ほど前に開いた小さな孤雁展で展示した彫刻《煌めく嫉妬》は忘れがたい名作でした。創作版画のパイオニアでもありましたが、病弱で若死にした孤雁の残した木版画は十数点に過ぎません。いずれも版画史を飾る傑作です。その全版木がある時期私の手許にありました(現在は愛知県美術館所蔵)。これほどの作家の存在が未だに忘れられているのは残念です。いつかきちんとした作品集を出したいですね。