06fa659b.jpg画廊の仕事は大きく二つにわかれる。
第一は、作品を仕込むこと、つまり仕入れがひとつ。
ときの忘れものの場合でいえば、作家やコレクターや同業者から作品を買い入れることももちろんだが、版元として作家・刷り師と共同でエディションをつくることにかなりの精力を注いでいる。これは仕入れというより「製造」にあたる。
掲載した写真はつい先日、磯崎新先生との打ち合わせの折のスナップ、右は銅版とリトグラフの刷り師白井版画工房の白井四子男さんである。ときの忘れものの最大のプロジェクト、磯崎新連刊画文集《百二十の見えない都市》の最後の詰めを行なっている。
第二に、仕入れた作品をどう売るか。
これがもっとも重要、かつたいへんな仕事となる。
黙っていて売れるものなんてない(少なくともときの忘れものではない)。
誰に、どうやって、いくらで売るか。
展覧会を企画するのも、お客さまにラブレターを書くのも、ホームページをつくるのも、みんなみんな「売る」ためである。
だけど、なかなかうまく行かない。たいへんである。
ときどき、愚痴を言いたくなる。言ってしまうことにする。
でも、どうやって画廊の仕事が進んでいくか、面白い話も少しはできるかも知れない。