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2006年3月大野・靉嘔

ここ一ヶ月、徒然なるどころではなく、多忙なる日々でした。
記憶が薄れないうちにご報告だけはしておきましょう。
3月1日から3月30日まで福井県立美術館で「虹のかなたに 靉嘔AY-O回顧1950-2006」が開催されています。
靉嘔先生の初めての大規模な回顧展で、初期のデモクラート時代から、渡米後のフルクサス時代、そして虹の展開へと、美術館の1階、2階を全部使って展示されています。
なぜ、故郷の茨城ではなく、福井の美術館かといいますと、デモクラートの創立者である瑛九と福井の結びつきがそもそもの始まりです。
1950年代、晩年の瑛九を支えたのが「福井瑛九の会」の頒布会でした。創造美育という美術教育運動の中から生まれたグループ(主に小学校の教師ら)が毎月積み立てた会費を瑛九に送金し、瑛九が油彩を送るという形で、画商の介在しない画家とコレクター(支援者)との交流がはかられ、瑛九没後も未亡人と福井のメンバーとの関係がいまも続いています。
そのメンバーたちが、瑛九の周辺の画家たちの作品をコレクションしたのは自然の流れでしょう、北川民次、オノサト・トシノブ、池田満寿夫、そして靉嘔・・・
彼らの作品が相当数、福井のコレクターたちに所蔵されているという背景があってこその今回の靉嘔回顧展でした。
県立美術館の展覧会とともに、大野市で3月10日~13日まで開催された「福井フルクサス4人展」も圧巻でした。
たしか400年の歴史をもつ名刹・誓念寺を会場に、靉嘔、エメット・ウイリアムス、アン・ノエル、ユーゲン・オーブリッヒのドローイングやコラージュ作品が多数展示され、靉嘔先生たちによりフルクサス時代のイベントが行われ、私たちも参加してきました。