現在展示中の「肖像」コレクションの中の舟越桂作品へのご質問がありました。
版画処女作となるこの銅版画3点について少しご説明します。
舟越桂先生が彫刻の初個展をしたのが1982年、銀座の貸し画廊、ギャラリーオカベででした。
木彫一体がたしか30万円くらいでしたか、ほとんど売れずお母さま(つまり舟越保武夫人)が1点お買いになったとか。
同時期、私はお父様(保武先生)の版画制作に夢中でした・・・・
1986年~87年にかけて舟越桂先生は文化庁の在外研修員に選ばれロンドンに留学します。
そのとき、初めて銅版画3点を制作されました。
それが今回出品している作品です。
レゾネNo.1「教会とカフェのために1」
レゾネNo.2「教会とカフェのために2」
レゾネNo.3「静かな鏡のために」
いずれも版サイズは14.8×9.6cm、Ed.50です。
ロンドンでは3点のみが作られ、その後、版画はしばらくやらず、次の制作は1990年になってから
でした。アメリカのクラウン・ポイント・プレスでの制作でした。いきなり1メートル近い大判の銅版を発表され、私も驚きましたが、あれよあれよと言う間に彫刻、ドローイング、版画と幅広いファンが増え、スターとなっていったのはご承知の通りです。
この処女作銅版3点は、まだブレークする前の初期のもので瑞々しい感性が漂う秀作です。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
コメント一覧