元永定正 Sadamasa MOTONAGA
「オレンジの中で」
1977 Screenprint
Image Size 47.0×61.0cm
Sheet Size 50.0×65.0cm
Ed.100 Signed
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具体の代表作家として今日では誰一人知らぬものはない元永定正先生ですが、ずっと順調だったわけではありません。
1963年に東京画廊で個展を開催、その翌年現代日本美術展で優秀賞を受賞した頃が最初のピークでした。71年に具体が解散してからのしばらくは元永先生の雌伏の時代だった。
この作品は初めての版画ではありませんが、本格的な制作としては最初期のもので、グラデーションが美しい傑作です。
今では笑い話ですが、この作品が発表されたとき「えっ、元永さんて生きてたの」とある方に言われたのには私も驚きました。関西はいざ知らず、関東では忘れられていたんですね。
83年に新潮社の日本芸術大賞を受賞したときの受賞理由に確か「版画家」としての評価が入っていました。
この作品をきっかけに版画制作に本格的に取り組み、それがひろく元永先生の作品を知らしめることとなり、元永先生の再評価へと繋がりました。
元永ワールドを象徴する初期の名作です。
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