

東京都庭園美術館で「建築の記憶-写真と建築の近現代-」展が開催されているので(3月31日まで)、久しぶりに目黒の同館へ向かった。
会場がアールデコの名建築(旧朝香宮邸、右の写真は1933年の竣工当時)だから、何を飾ってもサマになるが、今回は建築写真とあって期待通りの展覧会でした。
幕末から明治初期の江戸城、鹿児島城、熊本城などの写真、特に富重利平の熊本城の全景写真は迫力でした。
また、近現代のモダニズム建築では、竣工写真だけでなく、構想段階である建築の模型を撮影した写真なども展示し、建築家の構想から現実化へのプロセスも紹介しています。実現しなかった前川國男の「東京カテドラル」の指名コンペ応募案の模型写真(渡辺義雄)と、現実に建った丹下建三の「東京カテドラル」の写真(村井修)などの対比はとても面白かった。
現在ではコンペなどはCGが活躍していますが、少し前までは、建築模型を使って、いかにリアルな建築のある風景を作り出すかが写真家の腕の見せ所だったんですね。それがよくわかる展示でした。
私の好みでいえば、ハナヤ勘兵衛、石元泰博、村井修、杉本博司がよかったですね。
「建築の記憶」というタイトルなのに、宮本隆司を外したのはなぜかしら・・・
戦後の現代建築で取り上げられているのは、村野藤吾(世界平和記念聖堂)、丹下建三(広島平和記念資料館、他)、前川國男(東京文化会館、他)、安藤忠雄(光の教会、他)、伊東豊雄(せんだいメディアテーク)、青木淳(青森県立美術館)の6人。わが磯崎新は選ばれませんでした(なぜだ!?)。
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