東京都写真美術館の「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」展について先日このブログで、カタログがないこと、カタログがわりの雑誌のお粗末なこと、及び展覧会の基本情報がどこにも公開されていないことへ不満を述べたら、ときの忘れもののスタッフの三浦が休日に見に行き、出品作家とその点数を調べてきてくれました(書籍雑誌等の資料は除く)。
さすが、わが社の写真担当だ。
先日の私の記憶にはやはり多くの漏れがあり、特に安井仲治と中山岩太を混同してしまった。お詫びと訂正をします(だから、正確な情報を公開する必要があるんです)。
ついでに彼がMIXIに書いた感想まで掲載しちゃいましょう。

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出品作家と点数です。ただし、書籍は数えていません。三浦次郎

マン・レイ 25点
ブラッサイ 21点
ウジェーヌ・アジェ 52点
ジャック・アンドレ・ボワファール 6点
アンドレ・ケルテス 3点
モーリス・タバール 24点
ヴォルス 4点
ヘルベルト・バイヤー 4点
ウンボ 2点
インドリッヒ・シュティルスキー 5点
ピエール・ブーシェ 1点
ビル・ブラント 8点
クロード・カオン 1点
ハーバート・リスト 3点
フランティシェク・ヴォベツキー 2点
安井仲治 2点
大辻清司 3点
瑛九 9点
山本悍右 5点
植田正治 5点
浅野洋一 1点
後藤敬一郎 4点
平井輝七 4点
植木 昇 3点
ハンス・ベルメール 6点
ルネ・マグリット 1点
ギュラ・パップ 1点
セシル・ビートン 1点
ラウル・ユバック 1点
ジョージ・プラット・ラインズ 1点
アーウィン・ブルーメンフェルト 1点
ハインツ・ハイェク-ハルケ 2点
ピエール・モリニエ 7点
マックス・エルンスト 1点
岡上淑子 7点
エリ・ロタール 1点
カール・ブロスフェルト 10点

計 237点

恵比寿の東京都写真美術館。まず3階の「シュルレアリスムと写真」展。シュルレアリスムにおける写真の役割を検証しようとする展覧会で、内容、点数など見ごたえのあるものでした。ただ、もっとも点数が多かったのがアジェで、52点も出品されている。マン・レイやタバールなどが25点前後なのに比べて倍もあるというのが、少し腑に落ちないと言えなくはない。また、せっかくの内容なのにカタログもない(これは、うちの画廊のご亭主もブログで怒ってました)。その上、各作品のキャプションに技法が書いていない。特定できないものがあるので全て書かなかったのか、それとも余裕がなかったのか、いずれにしても、写真美術館なのだから、そのくらいきちんとして欲しかった。写真作品は、撮影年とともに、そのプリントされた時期が重要である。作家が撮影した時期にプリントされたのか、後年作家の監修の下でプリントされたのか、死後プリントされたのか。これは売る時の価格が10倍くらい違ってしまうほどの重要事項だ。それも全く記載がない。なんとも不可思議な展覧会だ。
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