中国に続いて、岩手、宮城でも大きな地震、ひとごとではありません。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

昨日、若い作家たちによる「4 Winds 2008 永井桃子・根岸文子・秋葉シスイ・三須研一」が終了しました。それぞれの作家たちの知人友人たちの皆さんにおおぜいご来場いただき、ありがとうございました。お買い上げいただいた顧客の皆様には特に感謝申し上げます。

若い人たちがどんどん出てくる一方、私の周辺では松永伍一先生、中山公男先生、柳沢信先生など、お世話になった方々が相次いで亡くなり、お葬式や偲ぶ会に出席することが多い。
私だっていつあの世に行くかわからない。そういう歳なのでしょう。
佐谷画廊の佐谷和彦さんが先月23日に亡くなった。80歳だった。
私が佐谷さんと初めて会ったのは1974年でした。
直ぐに年号を言えるのは、私が美術界に入り、恩人だった井上房一郎さんにアドバイスされて南画廊の志水楠男さんを訪ねたときに、志水さんの片腕として入社したての佐谷さんがいたからです。
それまで農林中金の銀行員だった佐谷さんが志水さんに請われ美術界に入ったのと、はるか年下の私が美術界に入ったのがちょうど同じ時期でした。
1976年私が企画した「菅井汲全国展」の東京会場は志水さんにお願いして南画廊の大きなショーウィンドーに新作版画を展示して貰い、大阪は梅田近代美術館が会場でした(当時の梅田画廊の伝説的な名番頭さんが現在のギャラリー新居のご主人です。菅井汲先生は志水さんとともに新居さんを心から信頼していました)。
その後、佐谷さんは独立され佐谷画廊を開廊します。
1979年3月志水さんが急逝し、東京での発表場所を失った菅井汲先生ですが、現代版画センター企画の「菅井汲新作版画全国展」東京展は1980年9月に佐谷画廊でやっていただきました。
そういえば、佐谷さんは何冊も本を出されていますが、その中に私も「W」として出てきます。
先日からその本を探しているのですが、例によって見つからない。
定かでない記憶をもとにいうと、佐谷さんは詩人の三好達治につながる人だった。その詩人の本を集めていたのだが、どうしても見つからない本があり、たまたま私が持っていて、それをお譲りした次第が書かれています。
南画廊の志水さん、東京画廊の山本さん、南天子画廊の青木さんらとともに、現代美術の画廊として大きな足跡を残された佐谷さんのご冥福をお祈りします。

◆ときの忘れものの次回企画は、6月23日[月]―7月5日[土]まで「北郷悟展ー空からー」です。本展のみは月曜も開廊しています。ぜひお出かけください。

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