26日から伊東の池田20世紀美術館で始まった「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」のカタログをご紹介します。
小野隆生展池田美図録表紙
『描かれた影の記憶 小野隆生展 イタリアでの活動30年』カタログ
発行:財団法人 池田20世紀美術館
発行日:2008年6月26日
サイズほか:A4サイズ、76頁(カラー42頁)、和文英文併記
執筆:瀬木慎一 小野隆生・寡黙との会話
   大野正勝 悠然としてそこに在る
   樋口昌樹 「モルタッチ家」の人々との再会に寄せて
対談:小野隆生 x 河合哲夫
年譜、文献目録
編集:尾立麗子
翻訳:チャールズ・ウォーゼン
デザイン:北澤敏彦
ご希望の方は、こちらから申し込みください。

ときの忘れものは編集事務所でもあるので、同館の委嘱を受け、編集は尾立麗子がこの半年間、かかりきりで担当しました。
実は、初日に来館された知人のブログに「カタログは完璧な完成度のもので、さすがWさんの編集へのこだわりと情熱を感じた。」とお褒めの言葉がありましたが、私は全く関与しておらず、その道のプロである三上豊さんや木下哲夫さんの協力を得ての尾立麗子の単独の仕事です。
新卒で入社し、編集のへの字も知らず、右も左もわからなかった尾立ですが、この3年間編集者として『日和崎尊夫句集』『トリシャ・ブラウン――思考というモーション』『版画掌誌第5号/ジョナス・メカス、日和崎尊夫』『小野隆生新作展2007 図録』『Fの会いけばな展図録』などを手がけてきました。ゼロから出発し、植田実さん、ぱくきょんみさんはじめ、デザイナーの北澤敏彦さんなどまわりの人たちに手取り足取り教えていただき、日に日に編集者らしくなってきました。
若いということの可能性は無限で、今回の『小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年』図録ではクライアントとの交渉、図録の構成、執筆者への原稿依頼、翻訳の手配、所蔵家たちとの交渉、収録図版の出張撮影、文献資料の収集・調査、詳細な年譜の作成、デザイナーとのやりとり、予算管理、最大の難関である小野隆生というクレイジーな作家との交渉からフィニッシュまで、私の関与なしに一人でこぎつけました。
その結果、このカタログを手にされた皆さんがどういう評価をくださるか、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。
もちろん、彼女が抱えている本はまだいくつもあり、最大の課題は『磯崎新連刊画文集<百二十の見えない都市>』の完成であります。パトロンの皆様、なにとぞ今しばらくのご猶予をお願いします。

◆ときの忘れものでは、6月23日[月]―7月5日[土]まで「北郷悟展ー空からー」を開催しています。本展のみは月曜も開廊しています。

◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。
小野隆生展表面小野隆生展裏面 池田20世紀美術館での「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」の展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。