石山展チラシ表石山展チラシ裏世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」が開催されていることは既にご案内していますが、この展覧会が異色なのは、作家本人(もちろん石山先生)が毎日のように、世田谷村のご自宅から世田谷美術館にご出勤されていることです。その様子はご自身が詳しく「世田谷美術館日記」に書いておられるのでお読みください。
たとえば「十時開館。今日は朝から人が多い。この頃は人の動きで大体来館者数が読めるようになった。」など美術館職員かと見まごうばかりの精勤ぶりです。
さらに異色なのは、「夜の美術館」を一般の人たちに開放したことです。日本の美術館はだいたい5時で終わってしまう。仕事をもっている普通の人が平日に美術館に行くことはほとんど不可能で、パリのオルセーのように美術館のレストランでディナーをなどということはなかなか難しい。
ところが今回、石山先生はあの強引なる手法でもって世田谷美術館をねじ伏せ(?)、閉館後もさまざまなイベントを「夜の美術館」で開催することを実現してしまった。
たとえば、
石山修武・真夏の夜の夢・連続十二講
各回十八時半より開催、受講料は無料・入館料は支払う事。五時三〇分迄に入館して開講を待つ事。
第一夜 七月十五日 「バラック浄土・伴野一六邸異聞」地球を漂流するモノと住宅
第二夜 七月十六日 「錆び付いたポルシェとノアの方舟」川合健二考
第三夜 七月十七日 「ドロップ・シティその後 アメリカの夢」B・フラーと読者、そして編集者達
第四夜 七月二十三日 「数学と建築に関する初歩的考察」佐渡宿根木集落に学ぶ
第五夜 七月二十四日 「現代若者の一つの傾向について」ドラキュラの家を介して、ニート、フリーター、ホモセクシュアルについて考えてみる
第六夜 七月二十五日 「サティアンが予告していた事」グローバル・スタンダードと建築スタイル
第七夜 七月二十六日 「転型期の建築」俊乗坊重源と大仏様 浄土寺浄土堂について
第八夜 七月二十九日 「水晶宮から、サー・ノーマンフォスターまで」イギリス型ハイテク建築とジェームス・ボンド
第九夜 七月三十一日 「フォルムについて」ル・コルビュジェのラ・トゥーレット修道院・地中海の光、そして、クセナキスへ
第十夜 八月一日 「ミース・ファン・デル・ローエの不思議」バルセロナ・パヴィリオンの地下
第十一夜 八月二日 「光について」ルイス・カーンのブリティッシュ・アート・ミュージアム
第十二夜 八月三日 「事件と建築 1995年~2001年9.11」建築の行方 オーム真理教事件とN.Y.W.T.C自爆テロ
これじゃ、まるで早稲田の授業を世田谷美術館で開くようなもんじゃあないかとお嘆きの向きには、
「サカタ式」坂田明トーク& ライブ 演奏とミジンコのDVD 上映と講演会 もあります。
7月27日[日] 開演:午後7 時
出演:坂田明(ミュージシャン)
会場:世田谷美術館展示室
定員:100 名(全席自由)
料金:2,000 円(当日支払、中学生以下は無料)
申込方法:世田谷美術館サイト「サカタ式」をご覧ください
こんなに素晴らしい「夜の美術館」を体験できるのに、宣伝が足りないのか、まだ席はあるようです。
しかし、まあこれだけのイベントを組まれたら、ご本人も疲れるでしょうが、担当の学芸員もさぞかしグロッキーだろうとご同情申し上げます。
石山展DM
さて一方、青山のときの忘れものでは、建築家・石山修武先生が昨年から今年にかけ集中して制作した銅版画「電脳化石神殿」連作32点を展示しています。
石山修武新作版画展
会期=2008年7月18日[金]―7月26日[土] 
12:00-19:00 *日・月・祝日休廊

石山展示1石山展示2石山修武銅版画集『電脳化石神殿』32点組
2007~2008年 銅版(刷り:白井版画工房)
限定15部(うち6/15~15/15の10部をセットにして刊行)
*1/15~5/15は、特別に単品で頒布します。

石山展示3石山展示4こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

石山オープニング1石山オープニング2オープニングにて

石山オープニング3石山オープニング4

石山オープニング二次会二次会にて

◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。