小野隆生の「断片」をめぐって
その6. 自動車―――オン・ザ・ロードの風に吹かれて
前回のピストルが少年時代の西部劇ならば、今回取り上げる自動車は、青年時代のロードムーヴィーといったところでしょうか。
今でこそ車でイタリアの田舎をドライブすることを楽しんでいる画家ですが、この作品が描かれた頃はまだ運転をしていませんでした。彼が住む小さな街ではその必要がなかったからです。したがって、自動車もピストルと同じように、現実ではなく、映画の中のイメージの産物といえるでしょう。
ビート世代の作家ジャック・ケルアックの小説『オン・ザ・ロード』の新訳が最近出版され話題になっていますが、画家もこの「オン・ザ・ロード」という言葉が好きだそうです。彼が思いを馳せるのは、60年代のアメリカ映画です。若者たちの終わりのない旅。その途中で起る予期せぬ出来事。もちろんストーリーは映画によって異なりますが、ロードムーヴィーからはそんなイメージを連想します。
もしかしたら画家は散歩をしながら、映画のようなスリリングな出来事を期待しているのかも知れません。
(2008年7月29日 いけがみちかこ)
*掲載図版は小野隆生「沙漠に消えた影」池田20世紀美術館カタログno.10
1998年 テンペラ・板 114.2×140.5cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。
池田20世紀美術館発行の展覧会カタログ(1,800円、送料無料)のご注文はコチラからどうぞ。

左の写真は、池田20世紀美術館の展示スナップです。
◆ときの忘れものでは、8月1日[金]―8月16日[土]まで「ジョック・スタージス写真展」を開催します。
◆ときの忘れもののエディション作家である石山修武先生が世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」を開催されています。石山修武・新作銅版画については、コチラをご覧ください。
その6. 自動車―――オン・ザ・ロードの風に吹かれて
前回のピストルが少年時代の西部劇ならば、今回取り上げる自動車は、青年時代のロードムーヴィーといったところでしょうか。
今でこそ車でイタリアの田舎をドライブすることを楽しんでいる画家ですが、この作品が描かれた頃はまだ運転をしていませんでした。彼が住む小さな街ではその必要がなかったからです。したがって、自動車もピストルと同じように、現実ではなく、映画の中のイメージの産物といえるでしょう。
ビート世代の作家ジャック・ケルアックの小説『オン・ザ・ロード』の新訳が最近出版され話題になっていますが、画家もこの「オン・ザ・ロード」という言葉が好きだそうです。彼が思いを馳せるのは、60年代のアメリカ映画です。若者たちの終わりのない旅。その途中で起る予期せぬ出来事。もちろんストーリーは映画によって異なりますが、ロードムーヴィーからはそんなイメージを連想します。
もしかしたら画家は散歩をしながら、映画のようなスリリングな出来事を期待しているのかも知れません。
(2008年7月29日 いけがみちかこ)
*掲載図版は小野隆生「沙漠に消えた影」池田20世紀美術館カタログno.10
1998年 テンペラ・板 114.2×140.5cm
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆6月26日~9月30日までの三ヶ月間、伊豆の伊東にある池田20世紀美術館で「小野隆生展 描かれた影の記憶 イタリアでの活動30年」が開催されています。展示の様子はスライドショーでご覧になれます(コチラをクリックしてください)。
池田20世紀美術館発行の展覧会カタログ(1,800円、送料無料)のご注文はコチラからどうぞ。
左の写真は、池田20世紀美術館の展示スナップです。
◆ときの忘れものでは、8月1日[金]―8月16日[土]まで「ジョック・スタージス写真展」を開催します。
◆ときの忘れもののエディション作家である石山修武先生が世田谷美術館で8月17日[日]まで「建築がみる夢 石山修武と12の物語」を開催されています。石山修武・新作銅版画については、コチラをご覧ください。
コメント