卯野木展DM
明日5日から、「卯野木憲二展 ヴィクトリア朝~モダン前夜の小椅子達」を開催します。
会期=2008年9月5日[金]―9月13日[土] 12:00-19:00 *日・月・祝日休廊
 
 19世紀、史上空前の繁栄を迎えた大英帝国で、様式家具の一大リヴァイバルブームが起こりました。英国ヴィクトリア朝の椅子にみせられたインテリアデザイナー・卯野木憲二さんが、当時の職人の手業が注ぎ込まれた椅子達の姿を、正確なタッチで色彩豊かな水彩画に描きおろしました。
それらの作品には、世紀末を生きた人々の美意識が余すところ無く表現されています。
シャーロック・ホームズの活躍したこの時代の家具については、卯野木憲二さんの美しい水彩画とともにウエブマガジン「コラージ1月号」に特集されていますのでご覧ください。
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卯野木憲二さんからのメッセージ
 ヴィクトリア朝期の前後(19世紀初頭から20世紀初頭)100年間は、大英帝国の爛熟期である。産業革命により台頭した裕福な市民層は、家具や銀器、敷物など様々な生活用品を買い揃え、世界で初めての「大量消費社会」が始まった時代といえるだろう。貴族社会のものだった様式家具は量産され、過去の様々なクラシック様式がリヴァイバルされていった。その一方でアールヌーヴォーやアールデコにつながるモダンデザインが芽生え、ウィリアム・モリスやヨゼフ・ホフマンによって新しいスタイルの家具が次々とデザインされた。まさに百花繚乱の時代であった。 クラッシックやモダンに関わらず、ヴィクトリア朝期に作られた家具からは、時代の持つ気品や人間味が濃厚に感じられる。量産を目指しながら、まだ手仕事から抜け切れない椅子の細部には、職人達の創意工夫や熱意の跡が見てとれる。 デザインを、知性と感情の挟間でどこに着地させるかを常に考えてきた一人のデザイナーとして、ヴィクトリア朝の心に触れるのも、デザインの方向性を模索する手段だと考え描きはじめた。その過程で、描いてみなければ分からないことが沢山あることに改めて気付かされた。写真では分からない、細部に宿る時代の空気を感じて頂ければ幸いである。
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 全部で51点が出品しますが、お手ごろな価格になっています。
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