今日は敬老の日。先日、ちょっと嬉しいことがあった。
卯野木憲二展の打ち上げをささやかにすました後、電車に乗って帰宅した。土曜の遅い時刻だったせいで、そんなに混んではいなかったのだが、座れるほどではなかった。せめて疲れている社長だけでもと思い車内を見渡すが空席はない。と、4人の親子連れのうちお母さんと幼稚園くらいの男の子が席をたって社長に席を譲ってくれた。社長は恐縮して遠慮するのだが、どうぞどうぞと言われて座る。離れていた私、居心地わるくて知らん振りをして新聞に読む(ふりをする)。するとその男の子がとことこと私の方にやって来るではないか。あどけない顔で私を見上げ、席に座るよううながす。きっとお母さんに、あのおじいちゃんに席を譲りましょうね、と言われたのだろう。なんだか孫を思い出しちゃった・・・。
私の母はかなり過激な教育を私にほどこした。「バス(電車)の中で一人でも立っている人がいたら、たとえ席が空いていても座ってはいけない」「泥棒になってもいいから、警官にはなるな」、いま思うとちょっとと思うが、しかし、教育というのはその子に芯にならなけらば意味はない。
席を譲ってくれた親子に感謝しながら、昔を思い出したことでした。

 話変わって、サーカスや遊園地をモチーフに独特の馬場ワールドを描いた馬場檮男を覚えているでしょうか。少し早すぎたのかも知れません。亡くなって14年、このレトロでとぼけた感覚は今なら多くの人の共感を得るのではないでしょうか。
馬場緑の電車馬場檮男「緑の電車」
 1984  lithograph
 Image Size 17.5×19.0cm
 Ed.365 Signed

馬場赤いタンク馬場檮男「赤いタンク」
 1984  lithograph
 Image Size 17.5×19.0cm
 Ed.365 Signed

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◆馬場檮男(ばば かしお) 1927年東京生まれ。早稲田中学卒業。春陽会、日本版画協会会員として活躍。リトグラフを使って、サーカスや遊園地をモチーフに、独特な不思議世界を描き続けた。物語性あふれる馬場ワールドには渋いファンも少なくなかった。1994年死去。