すっかりご無沙汰してしまいました。お察しの通り、このところのブログの毎日更新をやってくれているのはスタッフの三浦次郎で、彼がこんなに文章家だとは思いませんでした。こんなことならもっと早く彼にバトンを渡してのんびりすればよかった・・・・
私たちは美術品という商品を売っているわけですが、その商品の素晴らしさを伝えるのは「実物」と「(真実の)言葉」です。大枚はたいていただくには、商品の十分にして必要な情報をきちんとお伝えしなければなりません、ブログの発信はそういう意味でも頑張って続けていきたいと思っています。
この一週間、寝込んでおりました。毎年のことですが、ちょっと張り切って仕事をする→疲れがたまる→季節の変わり目に体温調節ができず(つまり歳です)風邪をひく→油断していて結局は寝込む、という悪循環を繰り返しております。
先日、詩人のぱくきょんみさんの「スープをいただきながら、詩の朗読をきく」という会があり、久しぶりに小伝馬町に行きました。この町の問屋街にかつて私のパトロンだった方の会社があり、30数年間、毎月のように御用聞きにうかがっていたものです。そのことを思い出しながら、ぱくさんの美味しいスープをいただいたのですが、あまりに楽しい会だったせいか、それまでの過密スケジュールの疲れがいっぺんに出てしまったらしい、気が緩んだんでしょうね。翌日ダウンしてしまいました。
それはさておき、私が寝込んでいる間に世の中はどんどん変化している。
わが群馬県の桐生の大川美術館の館長・大川栄二さんが亡くなられました。ワンマンで相手に有無を言わせぬ「大川節」にはときに閉口もしましたが、松本竣介、野田英夫など、国内屈指のコレクションをつくりあげた情熱には頭がさがります。同じ桐生にはオノサト・トシノブ美術館もご遺族がたててしばらく運営されていたのですが今は休館中。地の利もない桐生で果たして大川さん亡き後、あの美術館が立ち行くのか、このご時勢だからなおさら心配です。
久しぶりに出勤して皆の話を聞くと、美術業界、タイヘンらしい。「らしい」というのは、私は(私の画廊は)業界の付き合いがほとんどないので、情報が直接には入らないからです。私はつきあいが広いと思われていますが、全くの誤解で、30数年間、業界のいずれの組織にも属したことはありませんし、業者の交換会に出たこともありません。つまり情報交換の場に縁がない。広告も出さない、業界のゴルフにも、飲み会にも全く縁がない。呼ばれたことすらない。だから業界のことは「噂」でしか入ってきません。それでよく生きていけるねえ、と言われそうですが、まあ何とかおかげさまで・・・・
前置きはおいて、この年末いくつかの画廊が店仕舞いするようです。えっあんなに大きくやっていたのにと思う画廊も。オークション会社の中には上場するほどの景気のいいところもあったようですが、そこが自社の業績予測すら出せない苦境とのこと。ちょっと前のいわゆる現代アートのバブルは幻だったのではと感じられる、冬の時代の到来です(もっともときの忘れものはそういうバブルにも無縁だったので、四季ゼ~ンブ冬みたいなもんですが)。コレクターの買い控えはともかく、画商さんが売れると思って買い込んで来た作品を投売りするようなことになれば、さらに市場が縮小するという悪循環に陥ることになりかねません。
そんな人様のことを心配してる場合じゃないでしょ、と社長に叱られそうです。もちろんときの忘れものも同様で、年の瀬を越えられるか、すべては皆様のご愛顧にかかっています。
20世紀の大画商の伝記を読むまでもなく、幾多の先輩画商さんが直面したであろう、未曾有の不況を私たちはどうやって切り抜けていけるのでしょうか。結局は、お客様の支持にかかっています。今こそ私たちが売ってきた作品の質が問われているに違いありません。
昔、ある先輩画商さんに「安くてうまい店があれば人は電車に乗ってでも食べに行く。画商も同じだよ」と言われ、なるほどと思ったことでした。「安い」というのは相対的なものですが、「うまい」はごまかせません。
今日からは元気に出社し、「再発見! プリントの美」展の売り子になって稼がなければ。
どうぞ皆さん、今こそ買い時、ご来廊お待ちしています。

ご紹介するのはジャン=ミシェル・フォロンの銅版画「THEATER The Marionette」です。フォロンについては他にもコレクションがありますので、お問い合わせください。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものでは、12月12日[金]―12月27日[土]まで「再発見 プリントの美!」を開催しています。
◆オリジナルプリントを挿入した「ときの忘れものアーカイヴスVol.1 五味彬Yellows」特装版を創刊しました。限定175部、挿入されたプリントは技法、サイズ、イメージなど全てが異なります。
価格7,350円(税込)です。
私たちは美術品という商品を売っているわけですが、その商品の素晴らしさを伝えるのは「実物」と「(真実の)言葉」です。大枚はたいていただくには、商品の十分にして必要な情報をきちんとお伝えしなければなりません、ブログの発信はそういう意味でも頑張って続けていきたいと思っています。
この一週間、寝込んでおりました。毎年のことですが、ちょっと張り切って仕事をする→疲れがたまる→季節の変わり目に体温調節ができず(つまり歳です)風邪をひく→油断していて結局は寝込む、という悪循環を繰り返しております。
先日、詩人のぱくきょんみさんの「スープをいただきながら、詩の朗読をきく」という会があり、久しぶりに小伝馬町に行きました。この町の問屋街にかつて私のパトロンだった方の会社があり、30数年間、毎月のように御用聞きにうかがっていたものです。そのことを思い出しながら、ぱくさんの美味しいスープをいただいたのですが、あまりに楽しい会だったせいか、それまでの過密スケジュールの疲れがいっぺんに出てしまったらしい、気が緩んだんでしょうね。翌日ダウンしてしまいました。
それはさておき、私が寝込んでいる間に世の中はどんどん変化している。
わが群馬県の桐生の大川美術館の館長・大川栄二さんが亡くなられました。ワンマンで相手に有無を言わせぬ「大川節」にはときに閉口もしましたが、松本竣介、野田英夫など、国内屈指のコレクションをつくりあげた情熱には頭がさがります。同じ桐生にはオノサト・トシノブ美術館もご遺族がたててしばらく運営されていたのですが今は休館中。地の利もない桐生で果たして大川さん亡き後、あの美術館が立ち行くのか、このご時勢だからなおさら心配です。
久しぶりに出勤して皆の話を聞くと、美術業界、タイヘンらしい。「らしい」というのは、私は(私の画廊は)業界の付き合いがほとんどないので、情報が直接には入らないからです。私はつきあいが広いと思われていますが、全くの誤解で、30数年間、業界のいずれの組織にも属したことはありませんし、業者の交換会に出たこともありません。つまり情報交換の場に縁がない。広告も出さない、業界のゴルフにも、飲み会にも全く縁がない。呼ばれたことすらない。だから業界のことは「噂」でしか入ってきません。それでよく生きていけるねえ、と言われそうですが、まあ何とかおかげさまで・・・・
前置きはおいて、この年末いくつかの画廊が店仕舞いするようです。えっあんなに大きくやっていたのにと思う画廊も。オークション会社の中には上場するほどの景気のいいところもあったようですが、そこが自社の業績予測すら出せない苦境とのこと。ちょっと前のいわゆる現代アートのバブルは幻だったのではと感じられる、冬の時代の到来です(もっともときの忘れものはそういうバブルにも無縁だったので、四季ゼ~ンブ冬みたいなもんですが)。コレクターの買い控えはともかく、画商さんが売れると思って買い込んで来た作品を投売りするようなことになれば、さらに市場が縮小するという悪循環に陥ることになりかねません。
そんな人様のことを心配してる場合じゃないでしょ、と社長に叱られそうです。もちろんときの忘れものも同様で、年の瀬を越えられるか、すべては皆様のご愛顧にかかっています。
20世紀の大画商の伝記を読むまでもなく、幾多の先輩画商さんが直面したであろう、未曾有の不況を私たちはどうやって切り抜けていけるのでしょうか。結局は、お客様の支持にかかっています。今こそ私たちが売ってきた作品の質が問われているに違いありません。
昔、ある先輩画商さんに「安くてうまい店があれば人は電車に乗ってでも食べに行く。画商も同じだよ」と言われ、なるほどと思ったことでした。「安い」というのは相対的なものですが、「うまい」はごまかせません。
今日からは元気に出社し、「再発見! プリントの美」展の売り子になって稼がなければ。
どうぞ皆さん、今こそ買い時、ご来廊お待ちしています。

ご紹介するのはジャン=ミシェル・フォロンの銅版画「THEATER The Marionette」です。フォロンについては他にもコレクションがありますので、お問い合わせください。
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◆ときの忘れものでは、12月12日[金]―12月27日[土]まで「再発見 プリントの美!」を開催しています。
◆オリジナルプリントを挿入した「ときの忘れものアーカイヴスVol.1 五味彬Yellows」特装版を創刊しました。限定175部、挿入されたプリントは技法、サイズ、イメージなど全てが異なります。
価格7,350円(税込)です。
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