現在個展を開催中の根岸文子さんへのインタビューの第3回目です。今回は、スペインでの活動についてです。
Q:スペインでの制作活動はいかがですか?
根岸:学校では(版画を)作り過ぎていました。(笑)
Q:そのときの原版はどうされましたか?
根岸:捨てたのもあります。
Q:全部刷りましたか?
根岸:最初に制作した作品は刷りきれないのもありましたけど、その後の作品は全部刷りました。限定30部の作品などもあります。
Q:タブローを描き始めたのはいつですか。
根岸:スペインは夏休みが長くてつまらないので、三浦先生に、夏休みどこかおもしろいところはありましたか?と聞いたところ、三浦先生がスペインの北の方で絵画コースをやるから、それに申し込んだらどうかと言われ、夏の一ヶ月間参加しました。そこにはアーティストの集合施設がありました。そのときはキャンバスに慣れていないので、壁に描いていました。その集合施設に一人ずつアトリエが用意されて、そこの壁に大きい絵を描いては写真を撮って、また描き足して・・・というのを繰り返していました。何回も描き足して、毎日違う絵にしてその変化を写真に撮りました。その壁はそのまま置いてきました。学生時代だったので、あまり守るということに興味がありませんでした。その壁を白く塗って、次の人が使うんだと思います。
そうしているうちに、版画で新人賞を取ったので、小さい版画の仕事が入ったり、版画で私を知っている人が少し増えて、版画を買ってくれたりしたので、エディションしたりしていました。その中で、三浦先生は画廊も持っていたんです。その画廊に版画を委託で納入していたんですが、展覧会でもやってみない?と言われました。向こうでは、版画の画廊じゃないと版画の展覧会はやらないのですが、展覧会をきっかけにタブローをはじめました。そのときに、アルゼンチンの女性と奈良美智さんと私の3人展をやりました。「ギャラリー&エディション ギンコ」といって、結構良い画廊だったんですけど潰れちゃいました。
日本にいたときは、タブローが良いとか嫌とかではなく、タブローを描くという意識がありませんでした。版画をやっていたので思いもしませんでした。
私は、デッサンを描く方がすごく好きで、油絵の方は結構苦手なタイプでした。物を見るのに、デッサンだとよく理解ができるのに、突然油絵になるとそれが変わってしまう。絵の具と色の問題だと思うのですが。版画というのはデッサンに繋がることが多いので、それで版画を選びました。銅版画に向いていたのもそれが理由だと思います。ドローイングが良く描けました。
Q:タブローに描いたモチーフは、版画のモチーフといっしょだったんですか?
根岸:だいたい似たようなモチーフでしたね。抽象でした。
(つづく)
"TSUKI NO YORU"
2009年
アクリル・板
46.0×38.0cm
サインあり
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Q:スペインでの制作活動はいかがですか?
根岸:学校では(版画を)作り過ぎていました。(笑)
Q:そのときの原版はどうされましたか?
根岸:捨てたのもあります。
Q:全部刷りましたか?
根岸:最初に制作した作品は刷りきれないのもありましたけど、その後の作品は全部刷りました。限定30部の作品などもあります。
Q:タブローを描き始めたのはいつですか。
根岸:スペインは夏休みが長くてつまらないので、三浦先生に、夏休みどこかおもしろいところはありましたか?と聞いたところ、三浦先生がスペインの北の方で絵画コースをやるから、それに申し込んだらどうかと言われ、夏の一ヶ月間参加しました。そこにはアーティストの集合施設がありました。そのときはキャンバスに慣れていないので、壁に描いていました。その集合施設に一人ずつアトリエが用意されて、そこの壁に大きい絵を描いては写真を撮って、また描き足して・・・というのを繰り返していました。何回も描き足して、毎日違う絵にしてその変化を写真に撮りました。その壁はそのまま置いてきました。学生時代だったので、あまり守るということに興味がありませんでした。その壁を白く塗って、次の人が使うんだと思います。
日本にいたときは、タブローが良いとか嫌とかではなく、タブローを描くという意識がありませんでした。版画をやっていたので思いもしませんでした。
私は、デッサンを描く方がすごく好きで、油絵の方は結構苦手なタイプでした。物を見るのに、デッサンだとよく理解ができるのに、突然油絵になるとそれが変わってしまう。絵の具と色の問題だと思うのですが。版画というのはデッサンに繋がることが多いので、それで版画を選びました。銅版画に向いていたのもそれが理由だと思います。ドローイングが良く描けました。
Q:タブローに描いたモチーフは、版画のモチーフといっしょだったんですか?
根岸:だいたい似たようなモチーフでしたね。抽象でした。
(つづく)
"TSUKI NO YORU"2009年
アクリル・板
46.0×38.0cm
サインあり
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