北京二日目の午後、CIGEの会場からバスで草場地を見に行く無料のツアーがあり、参加させていただきました。参加者は思ったより少なく、10数人で、大型バスでしたのでガラガラです。
草場地1草場地2
両方ともギャラリーです

草場地は、大山子のあとで新たなギャラリー街としていま知られつつあるところです。見に行って何に驚いたかというと、ギャラリーの広さです。元は工場や倉庫だったので、天井は高いし広いし。あるギャラリーにぞろぞろと入ったものの、まるで体育館のようなそこでは、作家らしき人物がテレビのインタビューを受けているだけで、作品らしきものは何もありません。皆、なんだ何もないのかと、またぞろぞろと出てきて、隣の建物(同じギャラリー)を見ていると、さっきのところに作品があったんだよということで、またしても、ぞろぞろと行ってみると、相変わらず何もない。あそこのあれだよと言われて建物の上のほうにある窓に目をやると、そこに「WORLD WISE」という文字が。それだけです。別にそれが床に映っているというほどきれいな影にはなっていません。で、画廊の人がスイッチを入れるとモーターが動いて、字が変わるという仕掛け。もちろん、「WORLD WIDE」をもじった言葉ですが、「で???」という感じでまた皆ぞろぞろ。しかし、あれだけ広いとスタッフの使うスペースも広々としたもので、それだけは羨ましく見てきました。また、中国では若い作家をよくテレビで紹介するそうで、それも日本でぜひ真似て欲しいことです。
草場地3
体育館のようなギャラリー

草場地4草場地5
赤いレンガのギャラリー街

バスでまた別のブロックへ移動、そこは赤いレンガの建物が並んでいて、外から見る分にはレッド・キューブです。ギャラリー用に新たにレンガを積みなおして作られたようで、不思議な場所です。同じ色の壁が続き、まるで迷路に迷い込んだような感覚になりました。
壁一杯に掛けられたいくつものタブローから絵が壁にはみ出していて、作品と壁が一体のようになった展示や、天井から斜めに伸びたワイヤーの先にコーラのビンがあり、彫刻台の上に浮いている作品など、刺激的な展示をそちらこちらで見ることができました。
DSCF9693ただ、交通の便は決して良くないので、観客は少なく、閑散とした印象ではありました。そういった無機的な建物が続くので、人の呼吸が感じられないなと思っていると、突然、今まさに工事中で多くの人たちが建築をしている場所に出くわし、その脇を見るとちょっとした市場のように店が並び、古くからの町並みが現われて目が覚めたようになります。そういったニ面性が今の北京なのかもしれません。
次は、大山子798地区のことなど。

中国でもプロジェクトが進行中の建築家・磯崎新先生の作品をご紹介します。
FOLLY-SOAN3磯崎新"FOLLY-SOAN 3"
1984年 木版
46.5×19.5cm
Ed.50 サインあり

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