先月末、ソウルに「グスタフ・クリムト展」を見に行ってきました。2泊3日で一人約4万円と、GWをはずせばもう少し安く行けたのかもしれませんが、4月に入ってから行くことを決めたのでちょっと高めでも仕方ありませんでした。
クリムト展を開催していたのは、ハンガラム美術館というところで、ガイドブックに載ってない上にホームページは韓国語だけで、ソウルのどこにあるのか分からなかったのですが、行って来た方のブログなどでようやく分かりました。市の中心部からは少しはずれたところで、「芸術の殿堂」と名づけられたコンサートホールやオペラハウス、そしてハンガラム美術館とハンガラム・デザイン美術館とが一体化した大きな施設です。
何をわざわざと思われるかもしれませんが、クリムトの作品を多く所蔵するウィーンのベルヴェデーレ宮殿が、国外への貸し出しはこれで最後というおふれを出したので、それではと勇んで出かけたのです。思ったほど代表作はありませんでしたが、30点の油彩を含む、初期から晩年の作品までを見ることができて、それなりに満足しました。
圧巻はベートーベンフリーズで、ウィーン分離派会館で見たときは、壁の上のほうに設置してあって下から見上げるしかなく、距離があったため印象が薄かったのですが、今回は目の前に設置してあり、細部まで見ることができました。そのため、現地では気づかなかった絵の具の盛り上げや小さな鏡が埋め込んであったりする美しい装飾など、多くのことが分かって、全く印象が変わりました。それにしても、この絵のモチーフである第九がガンガンかかっていたのには驚きました。日本でこれをやったらきっと非難ごうごうでしょう。また、ギャラリーツアーのような団体がその展示室を埋め尽くし、他の観客は彼らが去るのを待たなければならなかったり、そのせいで壁面すれすれを通らざるを得なくなったりと、美術鑑賞に対する感覚もずいぶん異なるものだと思いました。しかし、この展覧会を日本で開催したら、もっと込んでいただろうと思います。そういう意味では、ゆっくり鑑賞できました。
クリムトの風景画は、色合いがゴッホと近いものがあってたいへん好きなのですが、今回間近で見て、こんなに薄塗りだったのかということを知りました。かなりキャンバスの地が見えています。他の作品でも、描き込んだ部分とそうでない部分の差がかなりあるのにもかかわらず、それが気にならないというのがまた面白く感じます。
そのほか、エロティックなデッサンが多数展示されていて、大胆なポーズや描かれている女性たちの表情など、当時とても発表できなかったであろうと思いますが、それはもう魅力的でした。
同じ美術館の上階で、「ユーサフ・カーシュ展」をやっていて、カーシュの作品100点を見ることが出来ました。代表作のチャーチルやヘプバーンを撮ったもののほか、初期の作品も展示されていました。それにしても途中から韓国人写真家たちの展示になっていたのには面食らいました。カタログを見ると、半分以上、その韓国人写真家の紹介に当てられています。これもお国柄なのでしょうか。
こちらは、マン・レイの撮った若き日のジャン・コクトーのポートレートです。
マン・レイ「ジャン・コクトー」
ゼラチンシルバープリント
28.5×21.5cm
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圧巻はベートーベンフリーズで、ウィーン分離派会館で見たときは、壁の上のほうに設置してあって下から見上げるしかなく、距離があったため印象が薄かったのですが、今回は目の前に設置してあり、細部まで見ることができました。そのため、現地では気づかなかった絵の具の盛り上げや小さな鏡が埋め込んであったりする美しい装飾など、多くのことが分かって、全く印象が変わりました。それにしても、この絵のモチーフである第九がガンガンかかっていたのには驚きました。日本でこれをやったらきっと非難ごうごうでしょう。また、ギャラリーツアーのような団体がその展示室を埋め尽くし、他の観客は彼らが去るのを待たなければならなかったり、そのせいで壁面すれすれを通らざるを得なくなったりと、美術鑑賞に対する感覚もずいぶん異なるものだと思いました。しかし、この展覧会を日本で開催したら、もっと込んでいただろうと思います。そういう意味では、ゆっくり鑑賞できました。
クリムトの風景画は、色合いがゴッホと近いものがあってたいへん好きなのですが、今回間近で見て、こんなに薄塗りだったのかということを知りました。かなりキャンバスの地が見えています。他の作品でも、描き込んだ部分とそうでない部分の差がかなりあるのにもかかわらず、それが気にならないというのがまた面白く感じます。
そのほか、エロティックなデッサンが多数展示されていて、大胆なポーズや描かれている女性たちの表情など、当時とても発表できなかったであろうと思いますが、それはもう魅力的でした。
こちらは、マン・レイの撮った若き日のジャン・コクトーのポートレートです。
マン・レイ「ジャン・コクトー」ゼラチンシルバープリント
28.5×21.5cm
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