来週9日(火)より「銀塩写真の魅力 Gelatin Silver YES!」と題して、モノクローム写真17点による展覧会を開催いたします。
世は、まさにディジタル時代。アナログ機器もアナログ人間も表舞台からの退場を余儀なくされようとしています。確かにディジタル機器は18世紀の産業革命に匹敵すると言って良いほどの革新を私たちの生活にもたらしました。しかし、人間はディジタルだけでは生きては行けません。CDが出始まった頃に、よくCDの音はクリアだが、アナログの持つ0と1の間の音が切り捨てられているので冷たく聴こえると言われました。いままたアナログ盤に復活の動きがあるのも、アナログへの揺り返しが来る予兆かもしれません。願わくは、切り替わるというのではなく、選択肢が増えたとしてほしいものです。
銀塩写真の魅力前置きが長くなりましたが、今回の展示ではモノクローム・プリントを通して銀塩写真の魅力を再発見していただければと思っております。この企画は、写真コレクターG氏のご協力により実現いたしました。G氏のコレクションを中心にときの忘れもののコレクションを併せ、エドワード・ウェストンの最も知られた「Nude」、ウィン・バロックの「Child in the forest」をはじめ、ルイス・キャロルレスリー・クリムスアレン・ダットンジェリー・ユルズマンなどの個性の強い作品、そして、植田正治アンセル・アダムスハーブ・リッツらのマスター級の作品などかなり広範な作品をご覧いただきます。
加えて、アンセル・アダムスの提唱したゾーンシステムを実践していらっしゃる中島秀雄先生には、作品を出品していただいたほか、このブログでゾーンシステムについて書いていただくことになっております。
 さらにこのたび、2009年日本写真協会賞の学芸賞を受賞された飯沢耕太郎氏によるギャラリートーク「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」を、20日(土)17時から開催いたします。下記の要領でメール、電話で参加を受付しております。いつも開催日2~3日前からお申し込みが殺到し、お断りさせていただくことが続いておりますので、余裕を持ってお申し込みいただくことをお薦めいたします。なお、定員に達し次第締め切らせていただきます。
なお、こちらのブログで、出品作品を順次ご紹介してまいります。今日はその第一回目として、中島秀雄「Boone Store, Bodie」のご紹介です。金鉱の発掘で湧いたものの今はゴーストタウンとなり、町を発見した人の名前からBodieと呼ばれるアメリカの廃墟に残る店を、窓ガラス越しに撮影した作品です。最初に訪れた時に撮った写真はうまく行かず、数年越しでようやく成功したのがこの作品で、今にも奥から人が出てきそうなたたずまいを見せています。
中島秀雄「Boone Store」中島秀雄"Boone Store, Bodie"
2005 printed in 2006
Gelatin Silver Print
26.2x33.6cm signed

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

◆ときの忘れものの次回企画は、6月9日(火)より「銀塩写真の魅力 Gelatin Silver YES!」展です。会期中、6月20日[土]17時より、「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」と題して、写真評論家の飯沢耕太郎氏によるギャラリートークを開催いたします。
参加費1,000円(1ドリンク付)
※要予約/氏名・電話番号を明記の上、メール( info@tokinowasuremono.com )、電話(03-3470-2631)、又はファックス(03-3401-1604)でご予約ください。