ただいま開催中の「銀塩写真の魅力 Gelatin Silver YES!」から、出品作品を紹介してまいります。

今道子「作品11」今 道子作品 #11
1999 Gelatin Silver Print
30.2x20.8cm signed

1990年、NHK趣味百科という番組で「近未来写真術」というシリーズが放送されました。12名の写真家を毎週一人ずつ紹介するという内容で、その第1回目が今道子さんでした。今さんの作品を初めて見たときの驚きは今でも覚えています。テカテカした魚でできた帽子、タコの吸盤で覆われたメロンなど、それは強烈な印象でした。「歯ざわり、手ざわり、耳ざわり、目ざわりに肌ざわりと人体の感覚すべてを使って私は表現したいと思いますし、感じていただきたい。」と今さんはおっしゃっていますが、まさに写真からは視覚だけではない何か別の感覚が刺激されます。当時は、「カラーの温度、暖かさが嫌い」だったそうですけれど、1994年頃からはカラーでも制作し始め、2001年以降はカラーが主体になったようです。最近の作品を拝見する機会が無く残念です。
ちなみに、「近未来写真術」で紹介された写真家は、今道子、宮本隆司、服部冬樹、武田花、森村泰昌、小林のりお、篠山紀信、高木由利子、星野道夫、柴田敏雄、真部和夫、荒木経惟の12名です。筆者(三浦)は、ほとんどの作家をこの番組で初めて知りました。DVDを出して欲しいものです。
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◆ときの忘れものでは6月9日[火]―6月27日[土]「銀塩写真の魅力~Gelatin Silver YES! 」展を開催しています。ゾーン・システムを考案したアンセル・アダムス、それを現在日本で実践する中島秀雄、複数のネガを用いてひとつの画像を作り上げるジェリー・ユルズマンなど暗室作業にこだわった作家のほか、ウィン・バロックの代表作「森の中の子供」、エドワード・ウェストンの「ヌード(1936)」をはじめ、ルイス・キャロルレスリー・R・クリムスハーブ・リッツ植田正治今道子クリス・ジョンソン安齊重男アレン・ダットンフレッド・シールジル・ペランの15作家の写真を展示しています。
出品作品を収録したリーフレット(A5判、20頁)を製作中です(予価300円、送料120円、切手可)。