ただいま開催中の「銀塩写真の魅力 Gelatin Silver YES!」から、出品作品を紹介してまいります。
"Child in the forest"
1951 printed later
Gelatin Silver Print
19.2x24.2cm signed
今回は、ウィン・バロックの「Child in the forest」です。娘のバーバラを森の中で撮ったこの作品は、1955年エドワード・スタイケンがプロデュースした展覧会「ファミリー・オブ・マン」の1枚に選ばれました。この展覧会は、MOMAを皮切りに世界中を巡回し、冒頭に展示されたこの写真は大きな反響を呼びました。
ウィン・バロックの写真家としてのデビューは遅く、その人生はまさに「スクラップ&ビルド」でした。最初テノール歌手としてブロードウェイで活躍しますが、声楽を学ぼうと留学したパリで、好評を得ながらも限界を感じて歌手を止めてしまいます。そこでカメラを手にして写真を撮り始めますが、次にした仕事は不動産の管理です。それもうまく行ったところで人に任せて法律学校に入学します。しかし、バロックはいずれの学校にもなじむことができなかったようで、数ヶ月で法律学校をやめて写真の学校に移りますが、ここも卒業せずに中退しました。その後、陸軍に従軍したり絵葉書の制作などしながら、ソラリゼーションなどの実験的な技法を研究しますが、1948年にエドワード・ウエストンに出会うと、今までのものをあっさり放棄して、ストレートフォトで自然と人間との対比と融合を撮るようになります。1960年頃には、カラーによる抽象作品を制作し始めるといったように次々と新たな領域に踏み込んで行きました。フォトグラム作品も制作しています。
バロックの悲劇は、この作品があまりに有名になってしまい、他の作品が顧みられなくなったことでしょう。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものでは6月9日[火]―6月27日[土]「銀塩写真の魅力~Gelatin Silver YES! 」展を開催しています。ゾーン・システムを考案したアンセル・アダムス、それを現在日本で実践する中島秀雄、複数のネガを用いてひとつの画像を作り上げるジェリー・ユルズマンなど暗室作業にこだわった作家のほか、ウィン・バロックの代表作「森の中の子供」、エドワード・ウェストンの「ヌード(1936)」をはじめ、ルイス・キャロル、レスリー・R・クリムス、ハーブ・リッツ、植田正治、今道子、クリス・ジョンソン、安齊重男、アレン・ダットン、フレッド・シール、ジル・ペランの15作家の写真を展示しています。
6月20日(土)17時より、写真評論家の飯沢耕太郎氏を迎えてギャラリートーク「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」を開催します(受付は終了しました)。
出品作品を収録したリーフレット(A5判、20頁)を製作中です(予価300円、送料120円、切手可)。
"Child in the forest"1951 printed later
Gelatin Silver Print
19.2x24.2cm signed
今回は、ウィン・バロックの「Child in the forest」です。娘のバーバラを森の中で撮ったこの作品は、1955年エドワード・スタイケンがプロデュースした展覧会「ファミリー・オブ・マン」の1枚に選ばれました。この展覧会は、MOMAを皮切りに世界中を巡回し、冒頭に展示されたこの写真は大きな反響を呼びました。
ウィン・バロックの写真家としてのデビューは遅く、その人生はまさに「スクラップ&ビルド」でした。最初テノール歌手としてブロードウェイで活躍しますが、声楽を学ぼうと留学したパリで、好評を得ながらも限界を感じて歌手を止めてしまいます。そこでカメラを手にして写真を撮り始めますが、次にした仕事は不動産の管理です。それもうまく行ったところで人に任せて法律学校に入学します。しかし、バロックはいずれの学校にもなじむことができなかったようで、数ヶ月で法律学校をやめて写真の学校に移りますが、ここも卒業せずに中退しました。その後、陸軍に従軍したり絵葉書の制作などしながら、ソラリゼーションなどの実験的な技法を研究しますが、1948年にエドワード・ウエストンに出会うと、今までのものをあっさり放棄して、ストレートフォトで自然と人間との対比と融合を撮るようになります。1960年頃には、カラーによる抽象作品を制作し始めるといったように次々と新たな領域に踏み込んで行きました。フォトグラム作品も制作しています。
バロックの悲劇は、この作品があまりに有名になってしまい、他の作品が顧みられなくなったことでしょう。
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◆ときの忘れものでは6月9日[火]―6月27日[土]「銀塩写真の魅力~Gelatin Silver YES! 」展を開催しています。ゾーン・システムを考案したアンセル・アダムス、それを現在日本で実践する中島秀雄、複数のネガを用いてひとつの画像を作り上げるジェリー・ユルズマンなど暗室作業にこだわった作家のほか、ウィン・バロックの代表作「森の中の子供」、エドワード・ウェストンの「ヌード(1936)」をはじめ、ルイス・キャロル、レスリー・R・クリムス、ハーブ・リッツ、植田正治、今道子、クリス・ジョンソン、安齊重男、アレン・ダットン、フレッド・シール、ジル・ペランの15作家の写真を展示しています。
6月20日(土)17時より、写真評論家の飯沢耕太郎氏を迎えてギャラリートーク「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」を開催します(受付は終了しました)。
出品作品を収録したリーフレット(A5判、20頁)を製作中です(予価300円、送料120円、切手可)。
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