ただいま開催中の「銀塩写真の魅力 Gelatin Silver YES!」から、出品作品を紹介してまいります。
"Untitled"
1974 Gelatin Silver Print
12.8x24.1cm signed
アレン・ダットンは、はじめ画家でしたが、シュルレアリスムを表現するために写真を撮り始め、その後、フェニックス大学で22年に亘って教鞭を取るなど、後進の指導にも熱心でした。ダットンの写真は、フォトコラージュと呼ばれています。まず自分の撮影した写真を全紙大に引き伸ばし、それを元にいくつかのイメージから切り貼りしてコラージュを制作します。時には、何か描き込むこともあるようです。それを改めて8X10で撮影するという手法で作品を制作しており、この作品もそのようにしてできたものです。1970年代の後半からはドキュメントスタイルでアリゾナの自然や街を記録するようになり、その後、19世紀や20世紀始めの人たちが遺した写真とできるだけ同じ場所、同じアングルで写真を撮って対比するという試みを始めます。
細江英公先生が初めて海外でワークショップを行ったのは、ダットンの招きによるもので、ダットンは、その返礼に来日してワークショップ及び展覧会を行いました。
■アレン・A・ダットン(Allen A. DUTTON)
1922年アリゾナ州フェニックス生まれ。第二次世界大戦に3年間従軍したあと、アリゾナ州立大学を卒業して高校の美術教師となる。画家と彫刻家として修練をしていく中で、彼は、自分の表現の手段として写真が適していることに気付き、写真家に転向。1960年、写真の教授としてフェニックス大学に迎えられ、22年間勤める。また、写真家として、エドワード・ウェストン、アンセル・アダムス、リー・フリードランダーらの仕事を研究した。1960年代前半、ダットンは、写真家であり教育者のマイナー・ホワイトから、シンボリズムの使い方の理論、および自然と精神性との関係を学び、自分の撮影するべき場所をアリゾナの風景であると決める。数年間、砂漠のサボテンのある風景の中でヌードによるシュルレアリスティックなコラージュ作品を制作し、ヨーロッパや日本での展覧会で高い評価を受けるが、その後はアリゾナの風景をドキュメント的に捉えた写真を撮るようになる。2000年には、ワシントンのコーコラン美術ギャラリーで回顧展が開催された。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものでは6月9日[火]―6月27日[土]「銀塩写真の魅力~Gelatin Silver YES! 」展を開催しています。ゾーン・システムを考案したアンセル・アダムス、それを現在日本で実践する中島秀雄、複数のネガを用いてひとつの画像を作り上げるジェリー・ユルズマンなど暗室作業にこだわった作家のほか、ウィン・バロックの代表作「森の中の子供」、エドワード・ウェストンの「ヌード(1936)」をはじめ、ルイス・キャロル、レスリー・R・クリムス、ハーブ・リッツ、植田正治、今道子、クリス・ジョンソン、安齊重男、アレン・ダットン、フレッド・シール、ジル・ペランの15作家の写真を展示しています。
6月20日(土)17時より、写真評論家の飯沢耕太郎氏を迎えてギャラリートーク「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」を開催します(受付は終了しました)。
出品作品を収録したリーフレット(A5判、20頁)を製作中です(予価300円、送料120円、切手可)。
"Untitled"1974 Gelatin Silver Print
12.8x24.1cm signed
アレン・ダットンは、はじめ画家でしたが、シュルレアリスムを表現するために写真を撮り始め、その後、フェニックス大学で22年に亘って教鞭を取るなど、後進の指導にも熱心でした。ダットンの写真は、フォトコラージュと呼ばれています。まず自分の撮影した写真を全紙大に引き伸ばし、それを元にいくつかのイメージから切り貼りしてコラージュを制作します。時には、何か描き込むこともあるようです。それを改めて8X10で撮影するという手法で作品を制作しており、この作品もそのようにしてできたものです。1970年代の後半からはドキュメントスタイルでアリゾナの自然や街を記録するようになり、その後、19世紀や20世紀始めの人たちが遺した写真とできるだけ同じ場所、同じアングルで写真を撮って対比するという試みを始めます。
細江英公先生が初めて海外でワークショップを行ったのは、ダットンの招きによるもので、ダットンは、その返礼に来日してワークショップ及び展覧会を行いました。
■アレン・A・ダットン(Allen A. DUTTON)
1922年アリゾナ州フェニックス生まれ。第二次世界大戦に3年間従軍したあと、アリゾナ州立大学を卒業して高校の美術教師となる。画家と彫刻家として修練をしていく中で、彼は、自分の表現の手段として写真が適していることに気付き、写真家に転向。1960年、写真の教授としてフェニックス大学に迎えられ、22年間勤める。また、写真家として、エドワード・ウェストン、アンセル・アダムス、リー・フリードランダーらの仕事を研究した。1960年代前半、ダットンは、写真家であり教育者のマイナー・ホワイトから、シンボリズムの使い方の理論、および自然と精神性との関係を学び、自分の撮影するべき場所をアリゾナの風景であると決める。数年間、砂漠のサボテンのある風景の中でヌードによるシュルレアリスティックなコラージュ作品を制作し、ヨーロッパや日本での展覧会で高い評価を受けるが、その後はアリゾナの風景をドキュメント的に捉えた写真を撮るようになる。2000年には、ワシントンのコーコラン美術ギャラリーで回顧展が開催された。
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◆ときの忘れものでは6月9日[火]―6月27日[土]「銀塩写真の魅力~Gelatin Silver YES! 」展を開催しています。ゾーン・システムを考案したアンセル・アダムス、それを現在日本で実践する中島秀雄、複数のネガを用いてひとつの画像を作り上げるジェリー・ユルズマンなど暗室作業にこだわった作家のほか、ウィン・バロックの代表作「森の中の子供」、エドワード・ウェストンの「ヌード(1936)」をはじめ、ルイス・キャロル、レスリー・R・クリムス、ハーブ・リッツ、植田正治、今道子、クリス・ジョンソン、安齊重男、アレン・ダットン、フレッド・シール、ジル・ペランの15作家の写真を展示しています。
6月20日(土)17時より、写真評論家の飯沢耕太郎氏を迎えてギャラリートーク「オリジナルプリントをコレクションする愉しみ」を開催します(受付は終了しました)。
出品作品を収録したリーフレット(A5判、20頁)を製作中です(予価300円、送料120円、切手可)。
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