ただいま開催中の「4 Winds 2009展」に出品していただいている作家のコメントと作品をご紹介いたします。

永井桃子さんは、ときの忘れものでも2001年から4回個展を開催させていただいていますし、昨年の「4 Winds 2008展」にも出品していただいていますので、よくご存知の方も多いことでしょう。ときの忘れものでは、ずっと「光途（ひかりみち）」という植物を描いたシリーズの作品を発表していらっしゃいます。陽の光を浴びた花々や茂った葉の瑞々しい生命力の溢れる姿は、見るものの心を癒し、元気付けてくれます。

木々の間に見えてきたのは、初夏の日差しがあふれる庭だった。
謙虚さなど考えたことも無いような花の群れが、庭中に襞を幾重にも重ねて咲き誇っていた。
よく手入れされた庭園は美しい、が、自然よりも造の部分が強く、人を感じずにはいられない。造花が占めているかのように、それは完璧な形と色彩の洪水をもたらしていた。
季節はすぐに過ぎ、庭にはもうあの賑やかさは無い。
私の庭についての記憶はいつも短く曖昧だが、絵画にはもう一度、
確かな庭を創る場所が残されているような気がする。
永井桃子

「光途-抱懐1」
2009年　油彩・キャンバス
24.3x33.4cm（F4号）
サインあり

「光途-抱懐2」
2009年　油彩・キャンバス
24.3x33.4cm（F4号）
サインあり

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◆ときの忘れものでは7月3日[金]―7月25日[土]「4 Winds 2009展　永井桃子・秋葉シスイ・矢口佳那・猪瀬直哉」を開催しています。
ときの忘れものが選んだ若手4名のグループ展で、心象を色鮮やかな植物に託する永井桃子、繊細な色彩の変化の中にそれを表現する秋葉シスイ、独特なマチエールの風景が語りかける矢口佳那、壮大な風景の中に強いメッセージを描く猪瀬直哉、それぞれの個性あふれる新作をご堪能ください。
出品作品を収録したリーフレット『ときの忘れものアーカイブスvol.3／4 Winds 2009展』（A5判、22頁）を販売しています（価格300円、送料120円、切手可）。メールにてお申し込みください。