いま銀座の資生堂ギャラリーで「ヘルシンキ・スクール写真展 風景とその内側」という展覧会が開催されています。
ヘルシンキ・スクール(ヘルシンキ派)とは、もともとヘルシンキ芸術デザイン大学専門教育学部が1990年代に考え出した教育モデルで、学外で実際に展覧会を行うためにどのように作品を計画、制作、編集、発表するかというプロセスを学んだ学生、卒業生たちを今ではそう呼ぶようになりました。
いま展示されているのは、ヘルシンキ・スクールを代表する2名の中堅作家、ティーナ・イトコネン、サンドラ・カンタネンと、現在最も期待されている2名の若手作家、スサンナ・マユリ、アンニ・レッパラの4名の女性アーティストの作品です。彼らに共通するのは、人と自然の関わりを捉えていると言うことで、これはヘルシンキ・スクールに共通するものと言えるかもしれません。
ヘルシンキスクールティーナ・イトコネン(写真右端)は、グリーンランドの氷河や、北極圏に住む先住民族を長い時間をかけて撮影を続けています。サンドラ・カンタネン(写真右から二人目)は、中国に留学したこともあり、西洋と東洋の両方から影響を受けた作品を制作しています。多重露光を使って、ひとつは固定して露光し、もうひとつのネガは動かしながら露光することで、まるで筆で描いたようなイメージを現出させます。スザンナ・マユリ(写真中央)は、物語の一場面を思わせる幻想的な作品を、水を多用して制作しています。アンニ・レッパラ(写真左から二人目)の作品は、一部を隠して全体を見えなくすることで、ミステリアスな雰囲気をかもし出して見るものを惹きつけます。写真左端の方が、ゲスト・キュレーターでヘルシンキ芸術デザイン大学 主席講師ティモシー・パーソンズ氏です。
それぞれたいへん個性的で、魅力的な作品です。どうぞお出かけください。

ヘルシンキ・スクール写真展 風景とその内側
会 期 : 2009年6月27日(土)~8月9日(日)
会 場 : 資生堂ギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
平日 11:00~19:00 日曜・祝日 11:00~18:00 毎週月曜休
入場無料

いま開催中の「4 Winds2009展」より矢口佳那さんの作品をご紹介します。自らの原風景をキャンバスに描いている矢口さんですが、そのマチエールに面白さがある作品です。
灰色の日矢口佳那「灰色の日」
2009年 油彩・キャンバス
50.0x72.7cm(M20号)
サインあり

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