9月1日からときの忘れものでは「ジョナス・メカス新作写真展」を開催しますが、今を去ること26年前、私たちがメカスさんを初めて日本に招待したとき、その仲立ちをしてくれたのが眞田一貫さんでした。
その眞田さんが主催者のひとりとして参加する展覧会が9月4日から始まります。
チューリッヒ生まれの美術雑誌『パルケット PARKETT』からエディションされた作品の展覧会です。

パルケット・エディションズ 200 ART WORKS - 25 YEARS
美術誌パルケットと現代アーティストたちのコラボレーション 25年の歩み」
会場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA
会期:2009年9月4日(金)~2009年9月26日(土)
会場時間:10:00 - 18:00(金・土は20:00まで) *入場は閉館時間の30分前まで 
     会期中無休(最終日は17:00まで)

『パルケット』は、1980年代にチューリッヒで創刊された美術誌で、その方針は、
・内容はアカデミックなものではなく、アーティスト主体であること
・アーティストには寄稿者の選択、レイアウトの打ち合わせ、表紙のアイデア作りに関与して各号の制作に参加してもらうこと
・アーティストは定期購読者に頒布する雑誌とは独立したエディション作品の制作をすること
といった、アーティストがより多く関わって作られるのが特徴で、オリジナルのエディション作品をアーティストに制作してもらい、それを売ることで出版費用を捻出してきました。

そのエディション作品のコンセプトは、
・家で楽しむアート
・扱いやすく
・購入しやすく
・運びやすい
というもっともなものです。

そして、この展覧会は、パルケットが、この25年間にエディションしてきた200に及ぶ作品全点を一堂に展示するというたいへん魅力的な企画です。この展覧会をプロモーションするプレビューが行われたのが2006年ですから、足掛け4年でこの企画が実現したことになります。

今日ご紹介する本は、この展覧会のカタログであり、『パルケット・エディションズ』の全点を網羅したカタログ・レゾネであります。ご覧のように分厚い本で、そのコンテンツは、主催者のサイトの説明では以下の通りです。
「ニューヨーク近代美術館 版画・挿画本部門主席学芸員デボラ・ワイ氏と美術評論家・美術史家スーザン・トールマン氏のエッセイ(英語と日本語の対訳)、全200エディション作品カラー掲載とエッセイ抜粋文(英語と日本語の対訳)、創刊号から85号までのパルケット表紙カラー掲載、アーティストのスケッチと手紙、アーティスト総リスト、執筆者一覧、背表紙、綴じ込み付録、美術館での展覧会など。516ページ(カラー220ページ)」

掲載作家は、ゲルハルト・リヒター、マシュー・バーニー、ヴァネッサ・ビークロフト、クリスチャン・ボルタンスキー、フランチェスコ・クレメンテ、ソフィー・カル、ギルバート&ジョージ、ナン・ゴールディン、ダミアン・ハースト、イリヤ・カバコフ、メレット・オッペンハイム、アンディ・ウォーホルときりがありません。日本人作家では、草間彌生、杉本博司、森万里子が載っています。
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『パルケット・エディションズ 200 ARTWORKS - 25 YEARS』
執筆:スーザン・トールマン、デボラ・ワイ
編集:マーク・ヴェルツェル
翻訳:木下哲夫
発行:パルケット出版社 2009年7月
ときの忘れもので扱っています
定価:4,500円(送料は別途450円)

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◆ときの忘れものは、9月1日(火)~19日(土)まで、「ジョナス・メカス新作写真展」を開催します。つい先日、ニューヨークから新作45点が到着しました。
詳しくはホームページをご覧下さい。

●9月5日(土)17時からのギャラリートーク(詩人・吉増剛造)は既に定員に達しましたが、同日18時半から、吉増剛造さん、セバスチャン・メカスさん(メカスさんの息子さん)らを囲んでのパーティにはどなたでも参加できます。
●9月18日(金)19時からの上映会はまだ若干席があります。
※要予約(参加費1,000円/1ドリンク付/参加ご希望の方は、メールまたは電話でお申し込み下さい) 電話:03-3470-2631 メール:info@tokinowasuremono.com