ドメニコ・ベッリ展DM
ときの忘れものは、9月29日(火)~10月17日(土)まで、「生誕100年・未来派ドミニコ・ベッリ展」を開催します。
2009年は、詩人フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティが起草した「未来主義創立宣言」が発表されてちょうど100年、イタリア未来派の画家、ドメニコ・べッリ(1909~1983)の生誕100年という記念すべき年にあたります。
未来派は、20世紀前半にイタリアで展開し、国際的にも大きな影響を及ぼした前衛運動であり、美術や文学にとどまらず、音楽、演劇、映画、写真、建築、グラフィック・デザイン他、広範な分野を変革しようとした運動でした。1909年2月にマリネッティがフィガロ紙に発表した「未来派宣言」とともに誕生した未来派は、「未来派画家宣言」、「未来派絵画技術宣言」等、過激な内容の宣言文を次々と発表し、機械・速度・ダイナミズムの美を理想に掲げ、過去の文化遺産や伝統をことごとく否定しました。未来派は、前世紀から今世紀初頭にかけて目ざましい発展を遂げた科学工業技術や交通・伝達手段、大都市の出現などによって生じた生活環境の著しい変化と人間の新しい心理状態、感性に見合う新しい芸術の創造を目指した前衛芸術運動です。
本展は、今まで日本ではほとんど紹介されることのなかったドメニコ・ベッリの油彩作品8点を展示します。

ドメニコ・ベッリ(Domenico Belli)
1909年ローマ生まれ。1929年ジャコモ・バッラのアトリエに入り、未来派の活動に参加。ローマの「ブロッコ・ディ・フトゥルシムルタニスティ(未来同時主義者集団)」でアウグスト・ファヴァッリ、ブルーノ・ターノらと活動する。ヴェネツィア・ビエンナーレ(1930,32,34,36)、未来派航空絵画展(1933~38)、ローマ・クアドリエンナーレ(1935,39)、ウンベルト・ボッチョーニへの未来派的オマージュ展(1933,ミラノPesaro Gallery)他に出品。1934年~42年A.G.ブラガリアがディレクターを務めたテアトロ・デッレ・アルティ(芸術座)において、広報・舞台美術を担当した。戦後もプラート・15人の未来派芸術家展(1970)など未来派展に出品を続け、1983年ローマ近郊のラヴィーノで没。

◆本国イタリアでは様々な未来派再評価の動きが活発ですが、日本でも各種の催しが開催されています。
その一つ、法政大学大学院デザイン工学研究科開設記念 エンジニアリング&デザインウィ-ク2009年「フトゥリズモ - 未来派のデザイン」をご紹介します。
詳しくは同大学のホームページをご覧いただきたいのですが、
明日9月26日(土)9:30 ~ 17:30、市ヶ谷田町校舎5階マルチメディアホ-ルで、イタリア国立東方学研究所(ISEAS)・建築学専攻主催のワークショップ「未来都市ヴィジョンの100年-イタリア未来派から日本・東アジアの現在まで」が開催されます。
入場無料
陣内秀信(法政大学教授)、Silvio Vita(イタリア国立東方学研究所所長)、Milva
Giacomelli(フィレンツェ大学教授)、Ezio Godoli(フィレンツェ大学教授)、鵜沢隆(筑波大学教授)、中谷礼仁(早稲田大学准教授)、横手義礼(東京大学助教)、高村雅彦(法政大学教授)、岡田哲史(千葉大学准教授)、八束はじめ(芝浦工業大学教授)北川佳子(早稲田大学講師)、奥田耕一郎(早稲田大学助教)、Raffaele Pernice(法政大学外国人特別研究員)