イタリア報告第三回目です。
ローマの二日目は、カラヴァッジョ巡りです。カラヴァッジョは、本名ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ、育った村の名前であるカラヴァッジョ(カラヴァッジオ)が通り名になっています。1571年ミラノ生まれ。ローマで画家として認められますが、生来気が荒く、決闘の相手を殺してしまい、その後、流浪の画家となります。写実的で、劇的な場面を明暗を用いてより効果を高め、当時革新的な絵画と高い評価をされました。
カラヴァッジョ巡りにはボルゲーゼ美術館をはずすわけにはいかなかったのですが、完全予約制なのを知ったのがその日の朝。ホテルの受付の女性に訊いて貰ったのですが、取れたのは17時の予約。17時50分には汽車でローマを発つので諦めました。下調べはきちんとしないといけませんね。
という訳で、まず訪れたのがバルベリーニ宮の国立古典絵画館。ここには、「ナルシス」「ホロフェルネスの首を切るユーディット」「聖フランチェスコ」があります。他にもフィリッポ・リッピの「聖母子像」「受胎告知」、ラファエロの「フォルナリーナ」、グイド・レーニの「ベアトリーニ・チェンチ」などの名画があります。

次は、ヴェネチア広場ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂裏にある、カピトリーナ絵画館で、カラヴァッジョの「洗礼者ヨハネ」「女占い師」などを見ました。ここのテラスでランチを食べたのですが、眺めが良く、ひじょうに気持ちの良い場所でお薦めです。
お昼に食べたアーティチョークとハムのピザと、テラスの眺めです。



教会は、午前中開けた後、午後は16時ごろまで閉めているところが多いので、いらっしゃる方はお気をつけ下さい。そのようなことで、ずっと開いているパンテオンでラファエロのお墓参りをした後、近くのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会でフィリッポ・リッピの「受胎告知」を見てつないだのですがまだ16時まで30分ほどあったので、サンタ・ゴスティーノ教会の階段に座って開くのを待ちました。すると、観光客ではなさそうな、かといって信者という風でもない人たちも集まってきました。16時になり門が開くと、入り口に集まって列が出来たのでそれにならんだのですが、どうも様子が変だと列の先を見ると神父さんに何かもらっています。視線を教会内に移すと観光客は中を見て回っています。どうも何か施しを受ける人の列だったようで、あわてて列から離れました。向こうもこちらを変だと思っていたことでしょう。

ここには、カラヴァッジョの「巡礼の聖母」という良く特徴の出た作品の他、ラファエロの描いた「預言者イザヤ」というフレスコ画が柱にあります。
近くのサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会には、ひとつの礼拝堂の三方を囲んでカラヴァッジョの作品が配されています。それぞれ「聖マタイ伝」からの一場面で「聖マタイの召し出し」「聖マタイと天使」「聖マタイの殉教」という三部作になっており、どの作品も明暗を使って劇的な効果をあげています。



この後、少し離れたサンタ・マリア・デル・ポポロ教会へ行って「聖パオロの改宗」「聖ピエトロの逆さ磔」の2点を見ました。このように教会だけでも多くのカラヴァッジョ作品を見ることが出来ます。ローマにおいでの際は、ぜひカラヴァッジョ巡りをして見てください。しぜんとローマの街も知ることが出来ます。
ホテルに戻って預けていた荷物を取って、テルミニ駅へ急ぎました。17時50分初のユーロスターでフィレンツェに向かいます。
今回の旅行に出る前、予習と思って、ローマが舞台の映画「天使と悪魔」を見ましたが、帰りの飛行機でこの映画を見ることが出来るようになっていたので見直しました。やはり、実際にその場所に行った後ですと、映画の見え方が違ってきます。あの映画、実は名所巡りにもなっていたのでした。
ドメニコ・ベッリの作品のご紹介、今日は「LA NEDINA」です。抽象画のようですが、中央に通る道の両側の建物を色面で表現し、流れる景色をストップモーションで止めたように見えます。
ドメニコ・ベッリ(Domenico Belli)
「LA NEDINA」
1969
テンペラ
79.0x60.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、9月29日(火)~10月17日(土)まで、「生誕100年・未来派ドミニコ・ベッリ展」を開催しています。
未来派は、20世紀前半にイタリアで展開し、国際的にも大きな影響を及ぼした前衛運動であり、美術や文学にとどまらず、音楽、演劇、映画、写真、建築、グラフィック・デザイン他、広範な分野を変革しようとした運動でした。今まで日本ではほとんど紹介されることのなかった未来派の画家・ドメニコ・ベッリの油彩作品8点を展示します。
ローマの二日目は、カラヴァッジョ巡りです。カラヴァッジョは、本名ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ、育った村の名前であるカラヴァッジョ(カラヴァッジオ)が通り名になっています。1571年ミラノ生まれ。ローマで画家として認められますが、生来気が荒く、決闘の相手を殺してしまい、その後、流浪の画家となります。写実的で、劇的な場面を明暗を用いてより効果を高め、当時革新的な絵画と高い評価をされました。
カラヴァッジョ巡りにはボルゲーゼ美術館をはずすわけにはいかなかったのですが、完全予約制なのを知ったのがその日の朝。ホテルの受付の女性に訊いて貰ったのですが、取れたのは17時の予約。17時50分には汽車でローマを発つので諦めました。下調べはきちんとしないといけませんね。
お昼に食べたアーティチョークとハムのピザと、テラスの眺めです。
近くのサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会には、ひとつの礼拝堂の三方を囲んでカラヴァッジョの作品が配されています。それぞれ「聖マタイ伝」からの一場面で「聖マタイの召し出し」「聖マタイと天使」「聖マタイの殉教」という三部作になっており、どの作品も明暗を使って劇的な効果をあげています。
この後、少し離れたサンタ・マリア・デル・ポポロ教会へ行って「聖パオロの改宗」「聖ピエトロの逆さ磔」の2点を見ました。このように教会だけでも多くのカラヴァッジョ作品を見ることが出来ます。ローマにおいでの際は、ぜひカラヴァッジョ巡りをして見てください。しぜんとローマの街も知ることが出来ます。
ホテルに戻って預けていた荷物を取って、テルミニ駅へ急ぎました。17時50分初のユーロスターでフィレンツェに向かいます。
今回の旅行に出る前、予習と思って、ローマが舞台の映画「天使と悪魔」を見ましたが、帰りの飛行機でこの映画を見ることが出来るようになっていたので見直しました。やはり、実際にその場所に行った後ですと、映画の見え方が違ってきます。あの映画、実は名所巡りにもなっていたのでした。
ドメニコ・ベッリの作品のご紹介、今日は「LA NEDINA」です。抽象画のようですが、中央に通る道の両側の建物を色面で表現し、流れる景色をストップモーションで止めたように見えます。
ドメニコ・ベッリ(Domenico Belli)「LA NEDINA」
1969
テンペラ
79.0x60.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、9月29日(火)~10月17日(土)まで、「生誕100年・未来派ドミニコ・ベッリ展」を開催しています。
未来派は、20世紀前半にイタリアで展開し、国際的にも大きな影響を及ぼした前衛運動であり、美術や文学にとどまらず、音楽、演劇、映画、写真、建築、グラフィック・デザイン他、広範な分野を変革しようとした運動でした。今まで日本ではほとんど紹介されることのなかった未来派の画家・ドメニコ・ベッリの油彩作品8点を展示します。
コメント