イタリア視察報告の第5回です。
フィレンツェの二日目は、まずドゥオーモへ。前日クーポラには登りましたが、下りてきた時にはドゥオーモへの入場者の列が長かったので、出直しました。中に入ると、やはりあのクーポラの大きさには圧倒されます。


次に、ヴェッキオ宮を見学。五百人広間と呼ばれる大きな会議場は壁や天井を絵に囲まれていて、これもまた圧倒的です。700年前に建てられ、かつてはフィレンツェ共和国政庁舎であったこの建物は、こうしてランドマークとして残され、今でも市庁舎として使われているというのがヨーロッパの懐の深さです。


このあとは、バルジェッロ国立博物館に行って、ドナテッロのダヴィデ像など見てまいりました。
ランチは、イタリア唯一だというラーメン屋に行ったのですが、夜しかやっておらず、仕方なく、昨日の中央市場に行って、別の店に入りました。甥っ子がパスタを食べたいというので来たのですが、出てきたのは、チンして持って来ましたというような、縮れたラーメンのようなパスタでした。まあ、これはこれでいいか、といただきました。
昼食後、アカデミア美術館へ。昨年もう一人の甥っ子と来た時には入りませんでした。と言うのは、数年前に入って、見たのはダヴィデ像くらいで、他は大したことのないような記憶あでったのですが、今回それは大きな間違いであったことを認識いたしました。また、今回ここでアメリカの写真家・ロバート・メイプルソープの写真展を開催していました。メイプルソープは、1989年エイズで亡くなった写真家で、ひじょうに美しく厳しい構図の花やヌード、彫刻の写真を撮るとともに、性的に過激な作品もあり、常に賛否を分ける作家として知られています。そのような写真家の作品をアカデミア美術館で展示するというのは、かなり意外な気もしました。しかし、その疑問は展示室に入るとすぐに解消されました。居並ぶミケランジェロの作品の横にメイプルソープの作品が展示されていて、相互に共通する美意識のようなものを見ることが出来ます。特別展示室には、メイプルソープの作品とともにミケランジェロのデッサンやマン・レイのオブジェなどが配され、ここアカデミア美術館ならではの展示になっていました。ただ、ここに来ている人たちのほとんどは、ダヴィデ像を始めとするミケランジェロの作品を見に来ているので、写真に目を留める人は多くなく、残念でした。


今日ご紹介するドメニコ・ベッリの作品は「造船所」という作品です。ベッリの色面の使い方は実にうまくて、そこを何にでも思わせてしまう効果があります。この作品でも、シンプルな形で船を建造しているところを表現し、ベースの色面がそこを造船所にしてしまっています。
ドメニコ・ベッリ Domenico Belli
「CANTERE 造船所」
1981 油彩
45.0x60.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、9月29日(火)~10月17日(土)まで、「生誕100年・未来派ドミニコ・ベッリ展」を開催しています。
未来派は、20世紀前半にイタリアで展開し、国際的にも大きな影響を及ぼした前衛運動であり、美術や文学にとどまらず、音楽、演劇、映画、写真、建築、グラフィック・デザイン他、広範な分野を変革しようとした運動でした。今まで日本ではほとんど紹介されることのなかった未来派の画家・ドメニコ・ベッリの油彩作品8点を展示します。
フィレンツェの二日目は、まずドゥオーモへ。前日クーポラには登りましたが、下りてきた時にはドゥオーモへの入場者の列が長かったので、出直しました。中に入ると、やはりあのクーポラの大きさには圧倒されます。
次に、ヴェッキオ宮を見学。五百人広間と呼ばれる大きな会議場は壁や天井を絵に囲まれていて、これもまた圧倒的です。700年前に建てられ、かつてはフィレンツェ共和国政庁舎であったこの建物は、こうしてランドマークとして残され、今でも市庁舎として使われているというのがヨーロッパの懐の深さです。
このあとは、バルジェッロ国立博物館に行って、ドナテッロのダヴィデ像など見てまいりました。
昼食後、アカデミア美術館へ。昨年もう一人の甥っ子と来た時には入りませんでした。と言うのは、数年前に入って、見たのはダヴィデ像くらいで、他は大したことのないような記憶あでったのですが、今回それは大きな間違いであったことを認識いたしました。また、今回ここでアメリカの写真家・ロバート・メイプルソープの写真展を開催していました。メイプルソープは、1989年エイズで亡くなった写真家で、ひじょうに美しく厳しい構図の花やヌード、彫刻の写真を撮るとともに、性的に過激な作品もあり、常に賛否を分ける作家として知られています。そのような写真家の作品をアカデミア美術館で展示するというのは、かなり意外な気もしました。しかし、その疑問は展示室に入るとすぐに解消されました。居並ぶミケランジェロの作品の横にメイプルソープの作品が展示されていて、相互に共通する美意識のようなものを見ることが出来ます。特別展示室には、メイプルソープの作品とともにミケランジェロのデッサンやマン・レイのオブジェなどが配され、ここアカデミア美術館ならではの展示になっていました。ただ、ここに来ている人たちのほとんどは、ダヴィデ像を始めとするミケランジェロの作品を見に来ているので、写真に目を留める人は多くなく、残念でした。
今日ご紹介するドメニコ・ベッリの作品は「造船所」という作品です。ベッリの色面の使い方は実にうまくて、そこを何にでも思わせてしまう効果があります。この作品でも、シンプルな形で船を建造しているところを表現し、ベースの色面がそこを造船所にしてしまっています。
ドメニコ・ベッリ Domenico Belli「CANTERE 造船所」
1981 油彩
45.0x60.0cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは、9月29日(火)~10月17日(土)まで、「生誕100年・未来派ドミニコ・ベッリ展」を開催しています。
未来派は、20世紀前半にイタリアで展開し、国際的にも大きな影響を及ぼした前衛運動であり、美術や文学にとどまらず、音楽、演劇、映画、写真、建築、グラフィック・デザイン他、広範な分野を変革しようとした運動でした。今まで日本ではほとんど紹介されることのなかった未来派の画家・ドメニコ・ベッリの油彩作品8点を展示します。
コメント