イタリア視察報告の第七回です。まだフィレンツェにおります。
いつも時間切れで入り逃していたサンタ・クローチェ教会に、今回ようやく入りました。ところが内部は大改修中。140x40mの広い教会内には、ミケランジェロやガリレイ、ロッシーニのお墓があります。
ミケランジェロのお墓です。
修復の様子。
このほかに、フィリッポ・リッピの「聖母」やミケランジェロによる木彫の十字架像などのあるサン・スピリト教会やマザッチョの「楽園追放」で知られるサンタ・マリア・デル・カルミネ教会にも参りました。マザッチョの透視画法や明暗による立体的な表現は、この後の絵画に大きな影響を与えることになります。カルミネ教会は、幼くして孤児となったフィリッポ・リッピが預けられた教会で、ここでリッピはこの教会にいたマザッチョに影響を受けています。「楽園追放」のあるブランカッチ礼拝堂のフレスコ画は、マザッチョの死後、リッピの息子フィリピーノ・リッピによって完成されるという、リッピ親子にとっても縁の深い教会でもあります。
実は、ここで何枚も写真を撮ったはずなのですが、なぜか残っておりません。間違って消してしまったようで、非常に残念です。今回使用したカメラは、パナソニックのLUMIX DMC-TZ7というカメラで、25mmの広角から300mmまでの望遠が出来るので、旅行用には持って来いと言えます。しかし、この旅行のために直前に購入し、よく使い方も知らずに撮ってきたので、撮ったはずの写真がないというつまらないミスをしてしまったようです。
フェレンツェで最後に行ったのが、アリナーリ国立写真美術館です。ホテルから出かけるときにいつも「未来派の写真」展という看板を目にしていて、写真展をやっている美術館はどこにあるんだろうと思っていたのですが、何のことはなく、その看板の立っている建物だったのです。あまりに地味で、美術館とは気がつきませんでした。2006年にできた美術館だそうで、そう広くはないものの、常設では、ダゲレオタイプから最近の作品まで、写真の歴史を辿れるような展示になっており、上階には、カメラのコレクションが並んでいました。また、ショップでは写真集のほか、イタリアの著名(と思われる)な写真家のオリジナル・ネガからプリントしたモダン・プリント(若い頃のソフィア・ローレンの写真など)もお手ごろな価格(約3万円くらい)で売っていました。
ときの忘れもので「ドメニコ・ベッリ展」をやる直前で、「未来派」という言葉に敏感になっていましたので、「未来派の写真」展がどんなものか見てみました。フォト・コラージュや、多重露光、また、露光時間を長くして動きを表現したものなどで、20世紀初頭、まだ普及して歴史の浅い写真でしたが、新しい表現を模索していたことがよく分かりました。
この美術館の前にあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会には、今回も入ることが出来ませんでした。次に来た時には入りましょう。
フィレンツェには、こんなすごい車が路上駐車されています。というのは嘘で、昼間、この道に赤絨毯が敷かれその上に展示されていた車です。この前に大きなトレーラーがいて、積み込まれるのを待っているところです。
11月のアートフェアでは、イタリア在住の小野隆生先生の作品を海外に紹介する予定です。
小野隆生 Takao ONO
「夏の終わる日」
2008年
テンペラ・画布
80.0×220.0cm
サインあり
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このほかに、フィリッポ・リッピの「聖母」やミケランジェロによる木彫の十字架像などのあるサン・スピリト教会やマザッチョの「楽園追放」で知られるサンタ・マリア・デル・カルミネ教会にも参りました。マザッチョの透視画法や明暗による立体的な表現は、この後の絵画に大きな影響を与えることになります。カルミネ教会は、幼くして孤児となったフィリッポ・リッピが預けられた教会で、ここでリッピはこの教会にいたマザッチョに影響を受けています。「楽園追放」のあるブランカッチ礼拝堂のフレスコ画は、マザッチョの死後、リッピの息子フィリピーノ・リッピによって完成されるという、リッピ親子にとっても縁の深い教会でもあります。
実は、ここで何枚も写真を撮ったはずなのですが、なぜか残っておりません。間違って消してしまったようで、非常に残念です。今回使用したカメラは、パナソニックのLUMIX DMC-TZ7というカメラで、25mmの広角から300mmまでの望遠が出来るので、旅行用には持って来いと言えます。しかし、この旅行のために直前に購入し、よく使い方も知らずに撮ってきたので、撮ったはずの写真がないというつまらないミスをしてしまったようです。
フェレンツェで最後に行ったのが、アリナーリ国立写真美術館です。ホテルから出かけるときにいつも「未来派の写真」展という看板を目にしていて、写真展をやっている美術館はどこにあるんだろうと思っていたのですが、何のことはなく、その看板の立っている建物だったのです。あまりに地味で、美術館とは気がつきませんでした。2006年にできた美術館だそうで、そう広くはないものの、常設では、ダゲレオタイプから最近の作品まで、写真の歴史を辿れるような展示になっており、上階には、カメラのコレクションが並んでいました。また、ショップでは写真集のほか、イタリアの著名(と思われる)な写真家のオリジナル・ネガからプリントしたモダン・プリント(若い頃のソフィア・ローレンの写真など)もお手ごろな価格(約3万円くらい)で売っていました。
ときの忘れもので「ドメニコ・ベッリ展」をやる直前で、「未来派」という言葉に敏感になっていましたので、「未来派の写真」展がどんなものか見てみました。フォト・コラージュや、多重露光、また、露光時間を長くして動きを表現したものなどで、20世紀初頭、まだ普及して歴史の浅い写真でしたが、新しい表現を模索していたことがよく分かりました。この美術館の前にあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会には、今回も入ることが出来ませんでした。次に来た時には入りましょう。
11月のアートフェアでは、イタリア在住の小野隆生先生の作品を海外に紹介する予定です。
小野隆生 Takao ONO「夏の終わる日」
2008年
テンペラ・画布
80.0×220.0cm
サインあり
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