すっかり間が開いてしまいましたが、イタリア視察報告の第八回です。本当は、これからがメインのつもりでしたが、アートフェアでの濃密な記憶が間に入ってしまったので、思い出せるか不安です。
フィレンツェからユーロスターでヴェネチアのサンタ・ルチア駅へ。駅からホテルへ向かうためヴァポレット(水上バス)に乗船し、1年ぶりのヴェネチアの風景を楽しみました。


昨年はまだ工事中だったプンタ・デラ・ドガーナも6月にオープンし、突堤の先にはカエルをぶら下げたチャールズ・レイの作品が立っています。ここには入場料を払うことなく行くことができます。
安藤忠雄氏によるリノベーションで「海の税関」から美術館として甦ったこのプンタ・デラ・ドガーナには、フランソワ・ピノー財団のコレクションが展示されています。レンガ造りの建物の内部はコンクリートの壁でシンプルな展示室になっていて、コンテンポラリー作品と面白いマッチングを見せていました。
オープニング記念展が開催中で、ビーズの暖簾のような作品を分けて展示室に入ると、まず目に入るのが頭を壁に突っ込んだ馬の剥製です。本物の馬の剥製で、いきなり先制パンチをくらったようなショックを受けます。2階に上がると、ナチによる虐殺をモチーフにした「FUCKING HELL」というプラモデルのジオラマのような作品が、その凄惨さをカリカチュアしたグロテスクな表現で見るものを異界に連れて行きます。半円形の窓から見える青い海と空とはあまりに対照的です。他にもシンディ・シャーマンやジェフ・クーンズ、そして、草間彌生、杉本博司、村上隆という今の日本を代表する現代美術作家の作品にもそれぞれ展示室を与えられていました。
もうひとつ同じくピノー財団の美術館で、やはり安藤氏によって再生されたパラッツオ・グラッシも昔の貴族の館がコンテンポラリー作品を展示する場として、昨年オープンしました。2001年バルテュスの展覧会がここで開催されたときに訪れて以来です。自然光が入るのでバルテュスはこの館が気に入っていたそうですが、エントランスを入ったすぐの広間は一面色とりどりの光を発する床になっていて、バルテュスを見たときとは全く違った趣を感じさせる建物に生まれ変わっていました。
つづく。
安藤忠雄 Tadao ANDO
「中之島プロジェクト Ⅱ[アーバンエッグ1]」
1988年 シルクスクリーン
105.0x175.0cm Ed.55 サインあり
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安藤忠雄氏によるリノベーションで「海の税関」から美術館として甦ったこのプンタ・デラ・ドガーナには、フランソワ・ピノー財団のコレクションが展示されています。レンガ造りの建物の内部はコンクリートの壁でシンプルな展示室になっていて、コンテンポラリー作品と面白いマッチングを見せていました。
オープニング記念展が開催中で、ビーズの暖簾のような作品を分けて展示室に入ると、まず目に入るのが頭を壁に突っ込んだ馬の剥製です。本物の馬の剥製で、いきなり先制パンチをくらったようなショックを受けます。2階に上がると、ナチによる虐殺をモチーフにした「FUCKING HELL」というプラモデルのジオラマのような作品が、その凄惨さをカリカチュアしたグロテスクな表現で見るものを異界に連れて行きます。半円形の窓から見える青い海と空とはあまりに対照的です。他にもシンディ・シャーマンやジェフ・クーンズ、そして、草間彌生、杉本博司、村上隆という今の日本を代表する現代美術作家の作品にもそれぞれ展示室を与えられていました。
つづく。
安藤忠雄 Tadao ANDO「中之島プロジェクト Ⅱ[アーバンエッグ1]」
1988年 シルクスクリーン
105.0x175.0cm Ed.55 サインあり
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