5月16日(日)に亭主が弘前で講演します。
弘前講演チラシ
左のチラシにあるように「前川國男の建物を大切にする会」主催のセミナーによばれました。

同会の設立趣旨(HPより)
弘前市には建築家・前川國男氏の作品が数多く残されていています。
近代建築を代表する前川氏が処女作から晩年まで建築家としての足跡を節目ごとに残していることは日本全国を見てもめずらしいことです。またその足跡は今も市民に愛され現存しています。私たちは弘前市民と共に弘前に残る前川國男の建物を末永く大切にしていきたいと思います。


前川國男の建物を大切にする会 セミナーⅠ 弘前を多面的に探
  講演『ときのわすれもの -都市を巡る・画商が見た、弘前・建築・アート・人-
  講師:綿貫不二夫
  日時:2010年5月16日(日)午後2時~4時
     *13:45より、welcome musicあり
  会場:青森県立弘前中央高等学校講堂(前川國男設計)
     (弘前市蔵主町7-1)
     *最寄駅JR弘前駅下車。弘南バス浜の町線に乗車、中央高校前下車。(約15分)
  主催:前川國男の建物を大切にする会
  連絡先:代表 葛西ひろみ 0172-33-3260
      e-mail: spacemeans@kkf.biglobe.ne.jp

建築のことには全くの素人ですから、予め「私は画商ですから、前川先生についてなんて畏れ多い。建築のことなんかしゃべれませんよ」と言ってあるのですが・・・
せいぜい街歩きの漫談でもと思っています。
弘前には1970年代の版画担いでの行商時代から何度も訪れています。
好きな街のひとつです。
最初に前川國男の建物を大切にする会の葛西さんから講演依頼のお手紙をいただき、一度はお断りしたのですが、下記のような手紙を再度いただき、少しでもお役にたてるならと引き受けた次第です。
お近くの方、ぜひ当日会場でお目にかかれるのを楽しみにしています。

開催趣旨
日本の近代建築の礎を築いた前川國男の作品が処女作の木村産業研究所(昭和7年)から最晩年の弘前市斎場(昭和58年)まで8棟現存している弘前市は建築的に大変貴重な街である。しかもそのすべてが日常的に市民に利用されている。その重要さを伝えたいという思いを会員は持っている。
今まで、市民を対象にした、建築ツァーや講演会、フォーラムなどを開催、中央高校講堂椅子補修ボランティアなどをして前川の建築を大切にする活動を展開して来たが、まだまだ知らない市民が多い。
今回、画商として、日本全国くまなく巡って歩く綿貫不二夫氏に講演をお願いしたのは、5年ほど前に、”弘前のようなコンパクトなエリアに江戸~明治~大正~昭和、前川近代建築までそろっている街はない”とお話しになったのを聞いたからである。
綿貫氏の幅広い経験から、独自の視点で、弘前の街、前川建築、アートや人のつながり等自由にお話ししていただくことで、弘前の人たちが、自分の街の価値や可能性を再発見出来るのではないか。また、それが会の趣旨に繋がると考えた為、計画した。(葛西ひろみ記)

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1974年に美術界に入った亭主にとって前川國男(1905~1986)は当時続々と建てられた各地の公立美術館の設計者として馴染み深い名前でした。
1975年 東京都美術館
1976年 弘前市立博物館
1977年 熊本県立美術館
1978年 山梨県立美術館 
1979年 福岡市美術館
1981年 宮城県美術館
1985年 新潟市美術館

4月4日を最後に、改修工事のために閉館した東京都美術館は、約2年間休館した後に平成24年度にリニューアル開館されます。
「開館より35年近くが経過し、施設や設備の老朽化が進んでいることから、設備の全面更新を実施する。また、ユニバーサルデザインの整備、来館者の鑑賞環境の向上や利用者の利便性の向上等を図るため、既存躯体を残した上で、一部建替えを含む全面改修工事を行う。」さらに「現在の躯体を極力活かし、都民に親しまれた東京都美術館(設計者:前川國男)の佇まいを後世に継承する」方針を都が打ち出したことは近代建築の保存が問題になっている昨今では評価していいでしょう。

20100323 上野
少し前ですが、東京藝術大学の北郷悟先生のところに打合せに伺い、お花見がてら社長と上野公園をつっきりました。

20100323 都美-220100323 都美-1
奏楽堂のあたりは以前はうっそうとした樹木で薄暗かったのですが、いつも間にか伐り払われ、今まで見られなかった東京都美術館の裏側が突如あらわれ、ああこんなんだったんだと驚きました。
はたして改修後の都美術館はどんな姿をあらわすのでしょうか。


前川國男の師、ル・コルビュジエの版画作品をご紹介します。
ル・コルビュジエ「窓辺の女」
ル・コルビュジエ「窓辺の女
1958年 リトグラフ
31.3×54.3cm 版上サイン

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